104 / 125
103話
しおりを挟む
部屋に入った庵は、かごからマイクを取り出した。
それを見た公達は耳を塞いだ。
「さぁ!遊ぶぞー!」
予想通りおもいっきり叫んだ庵。
叫んだことで庵がすっきりしていると、蛙に頭を殴られ、公に腹を殴られ、両にお尻を蹴られた。
「ぐおっ」
ダメージを受けてうずくまる庵。
「て、テメーら。なにしやがる」
庵の抗議の言葉に3人はため息を吐いた。
「お前がいきなり叫ぶのが悪い」
「テメーらちゃんとガードしてたじゃねーか」
庵は机に手をつきながら立ち上がった。
「ガードしたからといって、叫ばれたことに対して怒らないかと言われればそれは別問題なんだよ」
蛙が頭を叩くと庵は納得したのか何も言ってこなかった。
「さて、じゃあ気合いをいれなおしてストレス発散のために歌うか」
すぐに復活した庵はリモコンで曲を探し始めた。
「ストレス発散に気合いを入れるってのはおかしいだろ」
「そうだなバカだな。それに、庵にストレスがあるわけないだろ?」
「あぁ。それに付き合わされるこっちはいい迷惑だな」
「悪かったな!」
叫んだ庵は両を指差した。
「両!俺にもストレスはあるからな!」
それを聞いた3人は驚いた様子で庵を見た。
「なんだよ!その表情は!ってか!俺のストレスの一端はお前なんだからな!」
庵に指差された公はわけがわからないとばかりに首を傾げた。
そんな公にイラッとした庵は拳を握りしめた。
「俺が何をしたっていうんだ?」
「どんどん新しい女の子と仲良くなりやがって!」
「いつも言っているけど、それは俺のせいじゃないからな」
「うるせー!」
八つ当たりをしながら庵は公を睨み付けていた。
「それに、朧月は夏休みに入ってからデートで俺の呼び出しを拒否しまくってくるし!」
「それってつまり、ただのひがみだろ?」
「うぐっ!」
両の直球の言葉に庵は胸をおさえた。
ホントにちっちゃい男ね~。
「うるせー!」
ほら~。また逆ギレして~。そんなことだから庵はいつまでたってもちっちゃいのよ。あっ。ついでに身長も初期設定の176センチから159センチにまで縮めちゃおっか。
「おい!作者!」
私に対して怒鳴っている庵の身長がみるみるうちに縮んでいき、159センチの小柄な体格になった。
あら、かわいい。
「かわいいじゃねーよ!縮んだせいで服もブカブカだし、さっさと元に戻しやがれ!」
え~。かわいいからいいじゃん。ってか、そっちのほうが女の子にモテるかもしれないよ?
「マジか?」
「中身が庵である以上ムリだろ」
「絶望的だな」
「ドンマイ」
「ウガー!」
公と蛙の否定の言葉と両の慰めの言葉にキレた庵は立ち上がったのだが、体が縮んで服のサイズがあっていないので、ズボンとパンツがずり落ちて下半身をさらけ出した。
「やっぱりムリだろうな」
「絶望的な変態だな」
「フッ」
慌ててパンツとズボンを引っ張りあげて下半身を隠した庵は3人を睨んだ。
「俺達のせいじゃないぞ」
それはわかっているのだが、庵は両をさらに鋭い目で睨み付けた。
「両!さっき笑っただろ!」
「あぁ。すまん。ついおさえきれなくてな。フフッ」
「また笑いやがって!」
「すまんすまん。しかし、小さいな」
そう言いながらまた「フッ」と笑った両。
「なにが小さいと言うんだ!」
庵がくってかかると、両はニヤリと笑った。
「ナニが小さいのか、言ってほしいのか?」
「グッ」
言葉をつまらせた庵は両に迫るのを止めた。
「いい」
そう言いながら椅子に座り直した庵は、ふてくされてブスッとしながらそっぽを向いた。
「そうか」
微笑んだ両の視線は公に向いた。
「なんだ?」
「公って庵が八つ当たりするくらいモテるんだな」
ハーレム王の称号を持ってるからね。
「ちょっと待て!作者!また勝手に変な称号つけやがって!」
これは主人公補正で自動でつくものだから、初めからついていたわよ。
「結局はテメーのせいだろ!」
私のせいじゃないのにキレられても困るわよ。
「お前のせいだ!」
「まぁ落ち着けよ、公」
公の肩に手を乗せながら両は公に接近した。
「そうだな」
「しかし、公がモテるのもわかるぜ」
徐々に公との距離をつめていく両。
「えっと………」
両のその行動に戸惑う公。
すると、ふてくされている庵がその光景を見てボソッと呟いた。
「両って同性愛者だからな」
静寂に包まれる室内。
「庵。確かに俺は同性愛者だが、異性もイケるんだぜ」
「そうだったな」
素っ気ない返事をする庵に両はため息を吐いた。
「えっと………。そうなのか?」
公が戸惑いながらも問いかけると、両は笑顔で頷いた。
「そうだぜ」
「あ~」
困った表情の公を見て、両は寂しそうに公から離れた。
「やっぱり同性愛者は気持ち悪いか?いや、そうだよな。そんなヤツとはやっぱり友達になんてなれないよな。すまん。黙ってて」
頭を下げようとした両を公が止めた。
「いや。同性愛者が気持ち悪いとか思わないさ。それも1つの個性だからな。だから、これからも友達としてよろしく」
ハァハァ。
公が手を差し出すと、両は嬉しくなって公に抱きついた。
「ありがとう!公!」
「どういたしまして」
ハァハァ。
その光景を見ながら庵はふと疑問に思う。
「なぁ、公」
「なんだ?」
ハァハァ。
両に抱きつかれたまま公は庵のほうへ視線を向けた。
「同性愛者に偏見がないならなんでさっきは微妙な表情になったんだ?」
「あ~」
ハァハァ。
公が頭を掻いていると、両は公から離れてその答えを待った。
「友達としてならいいんだけど、そういう対象に見られても困ると思ってな。俺、ノーマルだし」
「なるほどな」
ハァハァ。
納得した両は公へ微笑んだ。
「安心してくれ。ノーマル相手に迫る気はないから。だから、友達としてよろしく」
両が手を差し出すと、公はその手を握り返した。
ハァハァ。
「もちろん」
ハァハァ。
「って!さっきから荒い息づかいがうるせーぞ!作者!」
ハァハァ。公×両カップリングいいわ!この場合攻めは公!?それとも両!?あー!決められない!このまま別ストーリーで進めるのもアリよね!アリよね!!
『この作者腐ってやがる!』
えぇ!そうよ!腐ってるわよ!腐った女子ですもの!腐ってなにが悪いのよ!
「開き直りやがった!」
「やべーよ」
「このままホントに別ストーリーいったらどうなるんだよ」
私の腐り具合におののいている公・庵・蛙の隣では両が平然としていた。
「俺はそっちでもかまわないけど?」
『お前はな!』
こうなったらトコトン腐るのもいいわね!
「うわっ!本気でそっち方面に行く気か!」
公が焦っていると、部屋についている電話が鳴り出した。
「こんな時になんだよ!」
少し怒りながら公が電話に出た。
≪お客様。残り時間あと5分です≫
「はい。ってロマ!?」
≪はい≫
「なんでロマがいるの!?ってか、まだ1曲も歌ってないうえに30分も経ってないはずだけど!?」
<そうだけどね。今マスターは別ストーリーにいこうか悩んでいるから、今のうちにこの話を終わらせるためにカラオケを終わらせて次の104話に行けば別ストーリーを回避できる可能性が出てくると思うよ?>
マロの言葉に公・庵・蛙の3人は頷きました。
『カラオケを出よう』
「そうだね」
両も同意したので、4人はすぐに部屋を出ていきました。
それを見た公達は耳を塞いだ。
「さぁ!遊ぶぞー!」
予想通りおもいっきり叫んだ庵。
叫んだことで庵がすっきりしていると、蛙に頭を殴られ、公に腹を殴られ、両にお尻を蹴られた。
「ぐおっ」
ダメージを受けてうずくまる庵。
「て、テメーら。なにしやがる」
庵の抗議の言葉に3人はため息を吐いた。
「お前がいきなり叫ぶのが悪い」
「テメーらちゃんとガードしてたじゃねーか」
庵は机に手をつきながら立ち上がった。
「ガードしたからといって、叫ばれたことに対して怒らないかと言われればそれは別問題なんだよ」
蛙が頭を叩くと庵は納得したのか何も言ってこなかった。
「さて、じゃあ気合いをいれなおしてストレス発散のために歌うか」
すぐに復活した庵はリモコンで曲を探し始めた。
「ストレス発散に気合いを入れるってのはおかしいだろ」
「そうだなバカだな。それに、庵にストレスがあるわけないだろ?」
「あぁ。それに付き合わされるこっちはいい迷惑だな」
「悪かったな!」
叫んだ庵は両を指差した。
「両!俺にもストレスはあるからな!」
それを聞いた3人は驚いた様子で庵を見た。
「なんだよ!その表情は!ってか!俺のストレスの一端はお前なんだからな!」
庵に指差された公はわけがわからないとばかりに首を傾げた。
そんな公にイラッとした庵は拳を握りしめた。
「俺が何をしたっていうんだ?」
「どんどん新しい女の子と仲良くなりやがって!」
「いつも言っているけど、それは俺のせいじゃないからな」
「うるせー!」
八つ当たりをしながら庵は公を睨み付けていた。
「それに、朧月は夏休みに入ってからデートで俺の呼び出しを拒否しまくってくるし!」
「それってつまり、ただのひがみだろ?」
「うぐっ!」
両の直球の言葉に庵は胸をおさえた。
ホントにちっちゃい男ね~。
「うるせー!」
ほら~。また逆ギレして~。そんなことだから庵はいつまでたってもちっちゃいのよ。あっ。ついでに身長も初期設定の176センチから159センチにまで縮めちゃおっか。
「おい!作者!」
私に対して怒鳴っている庵の身長がみるみるうちに縮んでいき、159センチの小柄な体格になった。
あら、かわいい。
「かわいいじゃねーよ!縮んだせいで服もブカブカだし、さっさと元に戻しやがれ!」
え~。かわいいからいいじゃん。ってか、そっちのほうが女の子にモテるかもしれないよ?
「マジか?」
「中身が庵である以上ムリだろ」
「絶望的だな」
「ドンマイ」
「ウガー!」
公と蛙の否定の言葉と両の慰めの言葉にキレた庵は立ち上がったのだが、体が縮んで服のサイズがあっていないので、ズボンとパンツがずり落ちて下半身をさらけ出した。
「やっぱりムリだろうな」
「絶望的な変態だな」
「フッ」
慌ててパンツとズボンを引っ張りあげて下半身を隠した庵は3人を睨んだ。
「俺達のせいじゃないぞ」
それはわかっているのだが、庵は両をさらに鋭い目で睨み付けた。
「両!さっき笑っただろ!」
「あぁ。すまん。ついおさえきれなくてな。フフッ」
「また笑いやがって!」
「すまんすまん。しかし、小さいな」
そう言いながらまた「フッ」と笑った両。
「なにが小さいと言うんだ!」
庵がくってかかると、両はニヤリと笑った。
「ナニが小さいのか、言ってほしいのか?」
「グッ」
言葉をつまらせた庵は両に迫るのを止めた。
「いい」
そう言いながら椅子に座り直した庵は、ふてくされてブスッとしながらそっぽを向いた。
「そうか」
微笑んだ両の視線は公に向いた。
「なんだ?」
「公って庵が八つ当たりするくらいモテるんだな」
ハーレム王の称号を持ってるからね。
「ちょっと待て!作者!また勝手に変な称号つけやがって!」
これは主人公補正で自動でつくものだから、初めからついていたわよ。
「結局はテメーのせいだろ!」
私のせいじゃないのにキレられても困るわよ。
「お前のせいだ!」
「まぁ落ち着けよ、公」
公の肩に手を乗せながら両は公に接近した。
「そうだな」
「しかし、公がモテるのもわかるぜ」
徐々に公との距離をつめていく両。
「えっと………」
両のその行動に戸惑う公。
すると、ふてくされている庵がその光景を見てボソッと呟いた。
「両って同性愛者だからな」
静寂に包まれる室内。
「庵。確かに俺は同性愛者だが、異性もイケるんだぜ」
「そうだったな」
素っ気ない返事をする庵に両はため息を吐いた。
「えっと………。そうなのか?」
公が戸惑いながらも問いかけると、両は笑顔で頷いた。
「そうだぜ」
「あ~」
困った表情の公を見て、両は寂しそうに公から離れた。
「やっぱり同性愛者は気持ち悪いか?いや、そうだよな。そんなヤツとはやっぱり友達になんてなれないよな。すまん。黙ってて」
頭を下げようとした両を公が止めた。
「いや。同性愛者が気持ち悪いとか思わないさ。それも1つの個性だからな。だから、これからも友達としてよろしく」
ハァハァ。
公が手を差し出すと、両は嬉しくなって公に抱きついた。
「ありがとう!公!」
「どういたしまして」
ハァハァ。
その光景を見ながら庵はふと疑問に思う。
「なぁ、公」
「なんだ?」
ハァハァ。
両に抱きつかれたまま公は庵のほうへ視線を向けた。
「同性愛者に偏見がないならなんでさっきは微妙な表情になったんだ?」
「あ~」
ハァハァ。
公が頭を掻いていると、両は公から離れてその答えを待った。
「友達としてならいいんだけど、そういう対象に見られても困ると思ってな。俺、ノーマルだし」
「なるほどな」
ハァハァ。
納得した両は公へ微笑んだ。
「安心してくれ。ノーマル相手に迫る気はないから。だから、友達としてよろしく」
両が手を差し出すと、公はその手を握り返した。
ハァハァ。
「もちろん」
ハァハァ。
「って!さっきから荒い息づかいがうるせーぞ!作者!」
ハァハァ。公×両カップリングいいわ!この場合攻めは公!?それとも両!?あー!決められない!このまま別ストーリーで進めるのもアリよね!アリよね!!
『この作者腐ってやがる!』
えぇ!そうよ!腐ってるわよ!腐った女子ですもの!腐ってなにが悪いのよ!
「開き直りやがった!」
「やべーよ」
「このままホントに別ストーリーいったらどうなるんだよ」
私の腐り具合におののいている公・庵・蛙の隣では両が平然としていた。
「俺はそっちでもかまわないけど?」
『お前はな!』
こうなったらトコトン腐るのもいいわね!
「うわっ!本気でそっち方面に行く気か!」
公が焦っていると、部屋についている電話が鳴り出した。
「こんな時になんだよ!」
少し怒りながら公が電話に出た。
≪お客様。残り時間あと5分です≫
「はい。ってロマ!?」
≪はい≫
「なんでロマがいるの!?ってか、まだ1曲も歌ってないうえに30分も経ってないはずだけど!?」
<そうだけどね。今マスターは別ストーリーにいこうか悩んでいるから、今のうちにこの話を終わらせるためにカラオケを終わらせて次の104話に行けば別ストーリーを回避できる可能性が出てくると思うよ?>
マロの言葉に公・庵・蛙の3人は頷きました。
『カラオケを出よう』
「そうだね」
両も同意したので、4人はすぐに部屋を出ていきました。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
~千年屋あやかし見聞録~和菓子屋店主はお休み中
椿蛍
キャラ文芸
大正時代―――和菓子屋『千年屋(ちとせや)』
千年続くようにと祖父が願いをこめ、開業した和菓子屋だ。
孫の俺は千年屋を継いで只今営業中(仮)
和菓子の腕は悪くない、美味しいと評判の店。
だが、『千年屋安海(ちとせや やすみ)』の名前が悪かったのか、気まぐれにしか働かない無気力店主。
あー……これは名前が悪かったな。
「いや、働けよ」
「そーだよー。潰れちゃうよー!」
そうやって俺を非難するのは幼馴染の有浄(ありきよ)と兎々子(ととこ)。
神社の神主で自称陰陽師、ちょっと鈍臭い洋食屋の娘の幼馴染み二人。
常連客より足しげく通ってくる。
だが、この二人がクセモノで。
こいつらが連れてくる客といえば―――人間ではなかった。
コメディ 時々 和風ファンタジー
※表紙絵はいただきものです。
宝石ランチを召し上がれ~子犬のマスターは、今日も素敵な時間を振る舞う~
櫛田こころ
キャラ文芸
久乃木柘榴(くのぎ ざくろ)の手元には、少し変わった形見がある。
小学六年のときに、病死した母の実家に伝わるおとぎ話。しゃべる犬と変わった人形が『宝石のご飯』を作って、お客さんのお悩みを解決していく喫茶店のお話。代々伝わるという、そのおとぎ話をもとに。柘榴は母と最後の自由研究で『絵本』を作成した。それが、少し変わった母の形見だ。
それを大切にしながら過ごし、高校生まで進級はしたが。母の喪失感をずっと抱えながら生きていくのがどこか辛かった。
父との関係も、交友も希薄になりがち。改善しようと思うと、母との思い出をきっかけに『終わる関係』へと行き着いてしまう。
それでも前を向こうと思ったのか、育った地元に赴き、母と過ごした病院に向かってみたのだが。
建物は病院どころかこじんまりとした喫茶店。中に居たのは、中年男性の声で話すトイプードルが柘榴を優しく出迎えてくれた。
さらに、柘榴がいつのまにか持っていた変わった形の石の正体のせいで。柘榴自身が『死人』であることが判明。
本の中の世界ではなく、現在とずれた空間にあるお悩み相談も兼ねた喫茶店の存在。
死人から生き返れるかを依頼した主人公・柘榴が人外と人間との絆を紡いでいくほっこりストーリー。

夫より強い妻は邪魔だそうです
小平ニコ
ファンタジー
「ソフィア、お前とは離縁する。書類はこちらで作っておいたから、サインだけしてくれ」
夫のアランはそう言って私に離婚届を突き付けた。名門剣術道場の師範代であるアランは女性蔑視的な傾向があり、女の私が自分より強いのが相当に気に入らなかったようだ。
この日を待ち望んでいた私は喜んで離婚届にサインし、美しき従者シエルと旅に出る。道中で遭遇する悪党どもを成敗しながら、シエルの故郷である魔法王国トアイトンに到達し、そこでのんびりとした日々を送る私。
そんな時、アランの父から手紙が届いた。手紙の内容は、アランからの一方的な離縁に対する謝罪と、もうひとつ。私がいなくなった後にアランと再婚した女性によって、道場が大変なことになっているから戻って来てくれないかという予想だにしないものだった……

マスクなしでも会いましょう
崎田毅駿
キャラ文芸
お店をやっていると、様々なタイプのお客さんが来る。最近になってよく利用してくれるようになった男性は、見た目とは裏腹にうっかり屋さんなのか、短期間で二度も忘れ物をしていった。今度は眼鏡。その縁にはなぜか女性と思われる名前が刻まれていて。
お嬢様と執事は、その箱に夢を見る。
雪桜
キャラ文芸
✨ 第6回comicoお題チャレンジ『空』受賞作
阿須加家のお嬢様である結月は、親に虐げられていた。裕福でありながら自由はなく、まるで人形のように生きる日々…
だが、そんな結月の元に、新しく執事がやってくる。背が高く整った顔立ちをした彼は、まさに非の打ち所のない完璧な執事。
だが、その執事の正体は、なんと結月の『恋人』だった。レオが執事になって戻ってきたのは、結月を救うため。だけど、そんなレオの記憶を、結月は全て失っていた。
これは、記憶をなくしたお嬢様と、恋人に忘れられてしまった執事が、二度目の恋を始める話。
「お嬢様、私を愛してください」
「……え?」
好きだとバレたら即刻解雇の屋敷の中、レオの愛は、再び、結月に届くのか?
一度結ばれたはずの二人が、今度は立場を変えて恋をする。溺愛執事×箱入りお嬢様の甘く切ない純愛ストーリー。
✣✣✣
カクヨムにて完結済みです。
この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
※第6回comicoお題チャレンジ『空』の受賞作ですが、著作などの権利は全て戻ってきております。
ぬらりひょんのぼんくら嫁〜虐げられし少女はハイカラ料理で福をよぶ〜
蒼真まこ
キャラ文芸
生贄の花嫁は、あやかしの総大将と出会い、本当の愛と生きていく喜びを知る─。
時は大正。
九桜院さちは、あやかしの総大将ぬらりひょんの元へ嫁ぐために生まれた。生贄の花嫁となるために。
幼い頃より実父と使用人に虐げられ、笑って耐えることしか知らぬさち。唯一の心のよりどころは姉の蓉子が優しくしてくれることだった。
「わたくしの代わりに、ぬらりひょん様に嫁いでくれるわね?」
疑うことを知らない無垢な娘は、ぬらりひょんの元へ嫁ぎ、驚きの言葉を発する。そのひとことが美しくも気難しい、ぬらりひょんの心をとらえてしまう。
ぬらりひょんに気に入られたさちは、得意の洋食を作り、ぬらりひょんやあやかしたちに喜ばれることとなっていく。
「こんなわたしでも、幸せを望んでも良いのですか?」
やがて生家である九桜院家に大きな秘密があることがわかり──。
不遇な少女が運命に立ち向い幸せになっていく、大正あやかし嫁入りファンタジー。
☆表紙絵は紗倉様に描いていただきました。作中に出てくる場面を元にした主人公のイメージイラストです。
※エブリスタと小説家になろうにも掲載しておりますが、こちらは改稿版となります。
大正ロマン恋物語 ~将校様とサトリな私のお試し婚~
菱沼あゆ
キャラ文芸
華族の三条家の跡取り息子、三条行正と見合い結婚することになった咲子。
だが、軍人の行正は、整いすぎた美形な上に、あまりしゃべらない。
蝋人形みたいだ……と見合いの席で怯える咲子だったが。
実は、咲子には、人の心を読めるチカラがあって――。

〖完結〗王女殿下の最愛の人は、私の婚約者のようです。
藍川みいな
恋愛
エリック様とは、五年間婚約をしていた。
学園に入学してから、彼は他の女性に付きっきりで、一緒に過ごす時間が全くなかった。その女性の名は、オリビア様。この国の、王女殿下だ。
入学式の日、目眩を起こして倒れそうになったオリビア様を、エリック様が支えたことが始まりだった。
その日からずっと、エリック様は病弱なオリビア様の側を離れない。まるで恋人同士のような二人を見ながら、学園生活を送っていた。
ある日、オリビア様が私にいじめられていると言い出した。エリック様はそんな話を信じないと、思っていたのだけれど、彼が信じたのはオリビア様だった。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる