ストーカーのバレンタイン

猫屋敷 鏡風

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小学校時代

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小学1年生の時。
転校生ということもあり、なかなかクラスに馴染めず、クラスメートたちからハブられていた私に唯一声をかけてくれたのが、当時隣の席だった君。

『ごめん、消しゴム借りていい?』

『へえー、絵上手だね!』

『え?そのアニメ俺も好き!』

誰とでも仲良くなれる君はクラスの人気者。
そんな君に私なんかが釣り合うはずもなく、
小1のバレンタインは、君の机の中にこっそり匿名のチョコを入れた。

誰がくれたかもわかんない物…食べてくれるわけない。
駄目元だった。


でも君は、周りの人達がやめとけっていうのを無視して美味しそうに食べてくれたよね。

『名前?書き忘れたんじゃん!』

『うめえ!うめえよこれ!え、くれたのこのクラスのヤツだったらすげえよな!同い年なのにこんなの作れて!』

手作りチョコ褒めてくれて嬉しかった。

だから私は、2年になってクラスが離れても、
3年でまた違うクラスになっても、
4年、5年、6年も違うクラスでも、
毎年欠かさず君の机に、毎年同じチョコを入れた。

毎年匿名で入れてたのに、君は毎年毎年美味しそうに残さず食べてくれたよね。
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