8 / 10
右上ノエル
潔白の証明
しおりを挟む
私を殺人犯に仕立て上げた人間は誰なのか?
ミエカを惨殺して上半身と下半身をバラバラにまでして…その罪を私に擦り付けるということは、ミエカと私の2人に恨みがある人物の可能性が高い。
私がミエカと一緒にやってきた悪事…数え切れない程沢山あった。万引き、恐喝、暴行、いじめ……。
私はネットで私についての情報を調べ、近所の人にも怪しまれない程度に地味にさり気なく色々聞いてみた。しかし、これといった手がかりを得る事は出来なかった。
ある日、いつもの様にエゴサしているととあるブログが目に付いた。
『右上ノエルに殺された』
私に恨みを持つ…もしかすると私に罪を擦り付けた人物のブログだろうか?右上ノエルなんて名前同姓同名で居ないだろうし。私の鼓動はどんどん速くなっていくが、私は思い切ってそのブログを開いた。
『20XX年X月X日
今日は右上と左川に校舎の裏で殴られた。途中から何人かの男子達もやってきて右上に命令されて私を殴った。』
20XX年…今から17年前の日付だ。私が小学6年の時?
私は小学校低学年からずっと色んな人間をいじめてきた。だからこのブログの主が誰なのか全く分からなかった。手がかりを得るため画面をスクロールし読み進める。
『右上が私の机をライターで燃やしてそれを私のせいにして先生に言った。先生は私を怒った。お母さんも私を怒った。本当は私じゃないって言いたかったけど言えなかった。言ったら次は私の髪の毛を燃やすって右上が言うから。』
『右上と左川にお酒を万引きするように命令された。なんとかバレずに盗めたけど右上が欲しかったやつじゃなくて殴られた。』
ここまで読んでも私はこのブログの主が誰なのか分からない。こんないじめ、やったこと自体覚えてないし、やってたとしても多分色んな奴にやってきたと思う。その後も『トイレに閉じ込められて水をかけられた』とか『階段から突き落とされた』とか私にされたことがつらつらと書かれていたが、私は全く思い出せなかった。
しかし、次の書き込みを見て私は凍りついた。
『右上と左川に旧校舎の呪部屋に閉じ込められた。逃げれない。どうしよう。』
旧校舎の呪部屋……
私とミエカがあそこに閉じ込めたのは……
『私はずっと泣きじゃくっている。夜になったけど誰も来ない。先生ももう帰ったのかな…。そうだ…窓からなら逃げれるかもしれない。私はここが4階だということも忘れて飛び降りた。』
そうだ…
あの子は飛び降りたんだ……
『私は死んだ。右上ノエルに殺された。』
私のせいで飛び降りて死んだんだ……
『右上ノエルに殺された。
右上ノエルに殺された。
右上ノエルに殺された。
右上ノエルに殺された。
右上ノエルに殺された。
右上ノエルに殺された。
右上ノエルに殺された。
右上ノエルに殺された。
右上ノエルに殺された。
右上ノエルに殺された。
右上ノエルに殺された。
右上ノエルに殺された。
右上ノエルに殺された。』
私が殺した……
あの子の名前は……
「つ…きはら……みさり……?」
ようやく思い出した私は震えていた。
月原ミサリ。私とミエカが自殺に追い込んだ少女。
彼女は確かに死んだはず。だとするとこんなブログ書けるわけ……。
もしかして…ミサリは幽霊になって私達に復讐をしたのだろうか?ミエカが会社をクビになったのも私がミエカを殺したことになってるのも全部ミサリの呪い……?
私の頭にその考えが過ぎった時、
〝ヒサシブリ……ヤットオモイダシテクレタンダネ……〟
突如どこからか聞こえた少女の声。私は恐怖のあまり家を飛び出した。
しかし外はもう真っ暗でその上豪雨だった。私はとりあえず美穂子おばさんの家を目指して走った。
おばさんならきっと私を助けてくれるはず。
ずぶ濡れで一目散に走っているとおばさんの家の明かりが見えた。戸が開いておばさんが家から出てきて傘を差す。畑の様子を見に行くのだろうか?そんなおばさんに向かって私は叫んだ。
「助けてっ!美穂子おばさん!」
私の声が届いたのかこちらを向く美穂子おばさん。しかし、
「危ないっ!」
突如おばさんが叫んだ。
「え……」
キイイィーーーーーッ
ドンッ
鈍い音と共に私の体は地面に強く叩きつけられた。そして、全身に強い痛みが走る。私は車に轢かれたらしい。薄れていく意識の中で少女の笑い声が聞こえた気がした。
ミサリ…
いじめたりしてごめん……
私は自分が死んでいくのを感じながら意識を失った……。
ミエカを惨殺して上半身と下半身をバラバラにまでして…その罪を私に擦り付けるということは、ミエカと私の2人に恨みがある人物の可能性が高い。
私がミエカと一緒にやってきた悪事…数え切れない程沢山あった。万引き、恐喝、暴行、いじめ……。
私はネットで私についての情報を調べ、近所の人にも怪しまれない程度に地味にさり気なく色々聞いてみた。しかし、これといった手がかりを得る事は出来なかった。
ある日、いつもの様にエゴサしているととあるブログが目に付いた。
『右上ノエルに殺された』
私に恨みを持つ…もしかすると私に罪を擦り付けた人物のブログだろうか?右上ノエルなんて名前同姓同名で居ないだろうし。私の鼓動はどんどん速くなっていくが、私は思い切ってそのブログを開いた。
『20XX年X月X日
今日は右上と左川に校舎の裏で殴られた。途中から何人かの男子達もやってきて右上に命令されて私を殴った。』
20XX年…今から17年前の日付だ。私が小学6年の時?
私は小学校低学年からずっと色んな人間をいじめてきた。だからこのブログの主が誰なのか全く分からなかった。手がかりを得るため画面をスクロールし読み進める。
『右上が私の机をライターで燃やしてそれを私のせいにして先生に言った。先生は私を怒った。お母さんも私を怒った。本当は私じゃないって言いたかったけど言えなかった。言ったら次は私の髪の毛を燃やすって右上が言うから。』
『右上と左川にお酒を万引きするように命令された。なんとかバレずに盗めたけど右上が欲しかったやつじゃなくて殴られた。』
ここまで読んでも私はこのブログの主が誰なのか分からない。こんないじめ、やったこと自体覚えてないし、やってたとしても多分色んな奴にやってきたと思う。その後も『トイレに閉じ込められて水をかけられた』とか『階段から突き落とされた』とか私にされたことがつらつらと書かれていたが、私は全く思い出せなかった。
しかし、次の書き込みを見て私は凍りついた。
『右上と左川に旧校舎の呪部屋に閉じ込められた。逃げれない。どうしよう。』
旧校舎の呪部屋……
私とミエカがあそこに閉じ込めたのは……
『私はずっと泣きじゃくっている。夜になったけど誰も来ない。先生ももう帰ったのかな…。そうだ…窓からなら逃げれるかもしれない。私はここが4階だということも忘れて飛び降りた。』
そうだ…
あの子は飛び降りたんだ……
『私は死んだ。右上ノエルに殺された。』
私のせいで飛び降りて死んだんだ……
『右上ノエルに殺された。
右上ノエルに殺された。
右上ノエルに殺された。
右上ノエルに殺された。
右上ノエルに殺された。
右上ノエルに殺された。
右上ノエルに殺された。
右上ノエルに殺された。
右上ノエルに殺された。
右上ノエルに殺された。
右上ノエルに殺された。
右上ノエルに殺された。
右上ノエルに殺された。』
私が殺した……
あの子の名前は……
「つ…きはら……みさり……?」
ようやく思い出した私は震えていた。
月原ミサリ。私とミエカが自殺に追い込んだ少女。
彼女は確かに死んだはず。だとするとこんなブログ書けるわけ……。
もしかして…ミサリは幽霊になって私達に復讐をしたのだろうか?ミエカが会社をクビになったのも私がミエカを殺したことになってるのも全部ミサリの呪い……?
私の頭にその考えが過ぎった時、
〝ヒサシブリ……ヤットオモイダシテクレタンダネ……〟
突如どこからか聞こえた少女の声。私は恐怖のあまり家を飛び出した。
しかし外はもう真っ暗でその上豪雨だった。私はとりあえず美穂子おばさんの家を目指して走った。
おばさんならきっと私を助けてくれるはず。
ずぶ濡れで一目散に走っているとおばさんの家の明かりが見えた。戸が開いておばさんが家から出てきて傘を差す。畑の様子を見に行くのだろうか?そんなおばさんに向かって私は叫んだ。
「助けてっ!美穂子おばさん!」
私の声が届いたのかこちらを向く美穂子おばさん。しかし、
「危ないっ!」
突如おばさんが叫んだ。
「え……」
キイイィーーーーーッ
ドンッ
鈍い音と共に私の体は地面に強く叩きつけられた。そして、全身に強い痛みが走る。私は車に轢かれたらしい。薄れていく意識の中で少女の笑い声が聞こえた気がした。
ミサリ…
いじめたりしてごめん……
私は自分が死んでいくのを感じながら意識を失った……。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説


深夜2時
まさみ
ホラー
ある男が見る累々と散らかる位牌の夢、絶対エレベーターに乗りたがらない友人、通学路で拾った泣き袋……。
日常と非日常の狭間に潜む怪異を描いた短編集。
オカルトからヒトコワまで原則一話完結でさくっと読めます。
『オークヘイヴンの収穫祭』
takehiro_music
ホラー
人類学者エレノア・ミッチェルは、遠隔地の町オークヘイヴンに赴く。そこでは、古代から続く収穫祭が行われていたが、その祭りにはただの風習を超えた、何か得体の知れない力が潜んでいた。町に刻まれた奇妙なシンボル、住民たちの謎めいた言動、そして夜ごと響く不可解な声――エレノアが真実を探るうちに、現実そのものが歪み始める。
この町の収穫祭は、何世代にもわたり受け継がれてきた「儀式」の一部に過ぎないのか? それとも、人知を超えた力が世界のあり方を書き換えようとしているのか? 禁断の書物、隠された言語、そして儀式に秘められた意味を解き明かすうちに、エレノアは恐るべき選択を迫られることになる。
変容と犠牲、言語と現実の交錯する恐怖の中で、人間の理解を超えた真実が明らかになる――。


こちら御神楽学園心霊部!
緒方あきら
ホラー
取りつかれ体質の主人公、月城灯里が霊に憑かれた事を切っ掛けに心霊部に入部する。そこに数々の心霊体験が舞い込んでくる。事件を解決するごとに部員との絆は深まっていく。けれど、彼らにやってくる心霊事件は身の毛がよだつ恐ろしいものばかりで――。
灯里は取りつかれ体質で、事あるごとに幽霊に取りつかれる。
それがきっかけで学校の心霊部に入部する事になったが、いくつもの事件がやってきて――。
。
部屋に異音がなり、主人公を怯えさせる【トッテさん】。
前世から続く呪いにより死に導かれる生徒を救うが、彼にあげたお札は一週間でボロボロになってしまう【前世の名前】。
通ってはいけない道を通り、自分の影を失い、荒れた祠を修復し祈りを捧げて解決を試みる【竹林の道】。
どこまでもついて来る影が、家まで辿り着いたと安心した主人公の耳元に突然囁きかけてさっていく【楽しかった?】。
封印されていたものを解き放つと、それは江戸時代に封じられた幽霊。彼は門吉と名乗り主人公たちは土地神にするべく扱う【首無し地蔵】。
決して話してはいけない怪談を話してしまい、クラスメイトの背中に危険な影が現れ、咄嗟にこの話は嘘だったと弁明し霊を払う【嘘つき先生】。
事故死してさ迷う亡霊と出くわしてしまう。気付かぬふりをしてやり過ごすがすれ違い様に「見えてるくせに」と囁かれ襲われる【交差点】。
ひたすら振返らせようとする霊、駅まで着いたがトンネルを走る窓が鏡のようになり憑りついた霊の禍々しい姿を見る事になる【うしろ】。
都市伝説の噂を元に、エレベーターで消えてしまった生徒。記憶からさえもその存在を消す神隠し。心霊部は総出で生徒の救出を行った【異世界エレベーター】。
延々と名前を問う不気味な声【名前】。
10の怪異譚からなる心霊ホラー。心霊部の活躍は続いていく。
二人称・短編ホラー小説集 『あなた』
シルヴァ・レイシオン
ホラー
普通の小説に読み飽きたそこの『あなた』
そんな『あなた』にオススメします、二人称と言う「没入感」+ホラーの旋律にて、是非、戦慄してみて下さい・・・・・・
※このシリーズ、短編ホラー・二人称小説『あなた』は、色んな"視点"のホラーを書きます。
様々な「死」「痛み」「苦しみ」「悲しみ」「因果」などを描きますので本当に苦手な方、なんらかのトラウマ、偏見などがある人はご遠慮下さい。
小説としては珍しい「二人称」視点をベースにしていきますので、例えば洗脳されやすいような方もご観覧注意、願います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる