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非科学的

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占いは非科学的だなぁ。

正直、就活でこの会社に初めて来た時からそう思っていた。

ただ、それでも売り上げがあれば、数字が取れていれば事業内容はなんでも良いなとも思っていた。

そして何よりも社長がイケメン。

仕事に来るだけで好きな人(イケメンの社長)に会える、そんないい職場は他にはない。

だから、給料がそんなに高くなくても気にならなかった。


「成田さん、次の転職先、どこかあてはあるの?」

急にイケメンに話しかけられて智絵は飛び上がるほど驚いた。

「社長!!あ、あ、あてですか?きゅ、急だったのでまだ何もないです。」

「そうだよね、急だったよね、本当にすまない。次の仕事が決まるまでこちらでも責任を持つから。」

また謝らせてしまったことが智絵は少し辛くて、とっさに何かイケメンが少しでも喜ぶようなことを言わなくてはと思った。

「何も決まってはないですけど、また占い関係の仕事に就きたいなとは思ってます。占い好きなので。」

イケメンが喜んでくれるならと少し嘘をついた。

「占い関係の仕事か、それなら俺も力になれると思う。探してくるよ。2、3日だけ待っていてもらえるかな。」

「はい、ありがとうございます。」

少しでもイケメンが罪悪感を軽くしてくれるなら、次も喜んで非科学的な占いの仕事に就こう。

ただ、次の職場にはこの優しいイケメンがいないのかと思うとそれだけが悲しかった。
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