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第三話 楓、怖いよ…その笑顔
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「私、これがしたいくらい冬ちゃんのことが好きなの。私、冬ちゃん以外と恋愛する気ないし。」
「か、楓。冗談言わないで。おかしいって。今までそんな感じじゃなかったじゃん!み、みんな、ち、違うからね!楓は幼馴染だし、違うから!」
慌てる俺に一人の女子が口を開いた。
「別にいいじゃん。女同士でも。今令和だよ?もう時代は変わったんだから、わたしはいいと思う。楓と冬美、うん、お似合いだよ」
はぁ?何を言ってくれてんだ。周りの女子たちも同調する横で楓は嬉しそうに微笑みを俺に向けながらずっと腕をロックしている。
「私の公開告白の返事がほしい、冬ちゃん。付き合ってくれるの?くれないの?」
返事?どう返事したらいい。オッケーなのか。
でも俺楓のこと好きだけど恋愛の好きなのかどうかわからないし。黙ったままな俺の態度に周りの女子たちがたきつける。楓もずっと俺のことを見つめている。
どうなの?楓にそう聞かれ俺はコクリと首を縦に振った。その行動に楓は満足そうに喜んでいた。どうやら俺と楓は恋人同士になってしまったらしい。
公開告白事件以降俺と楓は恋人同士の関係を楽しく過ごすことに幸せを感じていた。学校がある平日は教室内でべたべたくっついて話をしたり、そんな俺たちを男子たちは嫌らしい視線でチラ見してくる。
周りの友達は公認カップルとか言って揶揄ってくる始末。楓はこの状況を満足げに楽しんでいるようでご機嫌だった。学校が休みの時はデートしたいと言い出し、隣町にあるショッピングモールで買い物したり、ちょっとかわいいお店で昼食したりして過ごすのが恒例になっていた。
夕方になると休憩とか言ってカフェで一つのパフェを二人で食べる始末。みんなの見ている中、楓はおかまいなしという感じで気にせずどこでもいちゃいちゃを楽しんでいる様子、とても満足げな笑顔を俺に向ける。
そんな日常が続き、気が付けば学期末テスト週間に突入した。期末試験が終われば夏休みに入る。
数日後、期末テストの結果が出た。俺は通常通り平均より少し上くらいの成績で終わった。楓はというと・・・
「冬ちゃんは平均ちょっと上かぁ。私はいつも通り1位だったよ。」
そうなのだ、楓は全国中学生模試でも一位で学校内でも一位の成績なのだ。頭がよく容姿端麗すらっとした体系で肩まである細い黒髪がみんなの憧れ。
学校中の男子が楓に告白したとかしなかったとか・・・。でも誰とも付き合うこともしなかったあの楓が俺の恋人、これが現実なのだ。なんで俺が選ばれたのか今でも不明だし、男子どもが俺を恨めしそうに見てくるのがキモイしウザい・・・。俺のせいじゃないし、楓は俺の事本気で好きなだけだし・・・。
ふと俺の頭の中で高校受験のことがぽっと浮かんだ。俺と楓は成績も違うし多分楓は難関校受験だろうし、そうなれば俺たち別々の高校に進学することになるのか~。
「相変わらず頭いいね、楓は。うらやましいな。これじゃ、高校進学で別々の高校になりそうだよね~。」
俺はそう言いながら笑っていると楓は俺の腕を掴みぐいっと自分の顔近くのところまで引っ張った。楓は俺の耳元に口を近づけて小さな声で話た。
「私、冬ちゃんの行く高校に行くから。どこの高校を受けるか教えないと、私怒るから、ね。」
俺の耳元で小さな可愛い声で楓はそういうと俺の顔を覗き込んで笑顔をみせた。
絶対怒っているのが分かる笑顔が俺は心底怖いと思った。楓には逆らえそうにないことを俺は悟ったのだった。
「か、楓。冗談言わないで。おかしいって。今までそんな感じじゃなかったじゃん!み、みんな、ち、違うからね!楓は幼馴染だし、違うから!」
慌てる俺に一人の女子が口を開いた。
「別にいいじゃん。女同士でも。今令和だよ?もう時代は変わったんだから、わたしはいいと思う。楓と冬美、うん、お似合いだよ」
はぁ?何を言ってくれてんだ。周りの女子たちも同調する横で楓は嬉しそうに微笑みを俺に向けながらずっと腕をロックしている。
「私の公開告白の返事がほしい、冬ちゃん。付き合ってくれるの?くれないの?」
返事?どう返事したらいい。オッケーなのか。
でも俺楓のこと好きだけど恋愛の好きなのかどうかわからないし。黙ったままな俺の態度に周りの女子たちがたきつける。楓もずっと俺のことを見つめている。
どうなの?楓にそう聞かれ俺はコクリと首を縦に振った。その行動に楓は満足そうに喜んでいた。どうやら俺と楓は恋人同士になってしまったらしい。
公開告白事件以降俺と楓は恋人同士の関係を楽しく過ごすことに幸せを感じていた。学校がある平日は教室内でべたべたくっついて話をしたり、そんな俺たちを男子たちは嫌らしい視線でチラ見してくる。
周りの友達は公認カップルとか言って揶揄ってくる始末。楓はこの状況を満足げに楽しんでいるようでご機嫌だった。学校が休みの時はデートしたいと言い出し、隣町にあるショッピングモールで買い物したり、ちょっとかわいいお店で昼食したりして過ごすのが恒例になっていた。
夕方になると休憩とか言ってカフェで一つのパフェを二人で食べる始末。みんなの見ている中、楓はおかまいなしという感じで気にせずどこでもいちゃいちゃを楽しんでいる様子、とても満足げな笑顔を俺に向ける。
そんな日常が続き、気が付けば学期末テスト週間に突入した。期末試験が終われば夏休みに入る。
数日後、期末テストの結果が出た。俺は通常通り平均より少し上くらいの成績で終わった。楓はというと・・・
「冬ちゃんは平均ちょっと上かぁ。私はいつも通り1位だったよ。」
そうなのだ、楓は全国中学生模試でも一位で学校内でも一位の成績なのだ。頭がよく容姿端麗すらっとした体系で肩まである細い黒髪がみんなの憧れ。
学校中の男子が楓に告白したとかしなかったとか・・・。でも誰とも付き合うこともしなかったあの楓が俺の恋人、これが現実なのだ。なんで俺が選ばれたのか今でも不明だし、男子どもが俺を恨めしそうに見てくるのがキモイしウザい・・・。俺のせいじゃないし、楓は俺の事本気で好きなだけだし・・・。
ふと俺の頭の中で高校受験のことがぽっと浮かんだ。俺と楓は成績も違うし多分楓は難関校受験だろうし、そうなれば俺たち別々の高校に進学することになるのか~。
「相変わらず頭いいね、楓は。うらやましいな。これじゃ、高校進学で別々の高校になりそうだよね~。」
俺はそう言いながら笑っていると楓は俺の腕を掴みぐいっと自分の顔近くのところまで引っ張った。楓は俺の耳元に口を近づけて小さな声で話た。
「私、冬ちゃんの行く高校に行くから。どこの高校を受けるか教えないと、私怒るから、ね。」
俺の耳元で小さな可愛い声で楓はそういうと俺の顔を覗き込んで笑顔をみせた。
絶対怒っているのが分かる笑顔が俺は心底怖いと思った。楓には逆らえそうにないことを俺は悟ったのだった。
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