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48 パーティーは嫌です。
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夜になり私の復帰パーティーが執り行われた。
私は身体の事を気遣って壇上の上にある豪奢な椅子に腰かけていた。
隣にはリリアンが足をぶらぶらさせながら私と話をしている。
逆隣にはアルバン国王が笑顔を見せながら中央付近を見つめている。
大勢の貴族、王族達が中央付近で社交ダンスをしながら、壇上のすぐ下では王室の交響楽団が演奏をしていた。
「どうだ。マリア。皆楽しそうにしている。其方も楽しいか?」
国王がそう私に問いかけた…が、全然面白くもない。
それより部屋でゆっくりお茶をした方がよっぽど楽しい。
そんなことを言えば当然国王も不機嫌になると思い私は何も言わずに微笑んだ。
私が中々壇上から降りてこないことに痺れを切らした貴族たちがぞろぞろと壇上に上がって労いの言葉を述べた。
「王妃様。お身体の具合が良くなって本当に良かったですな。これからは新たな御子を産んで下され」
「おお、本当ですな。国王もそれをお望みですぞ、王妃様」
シュバイン公爵とゴードン公爵が笑いながらそう言った。
私は小さな声で、はい、頑張ります。と答えた。
それから貴族の令嬢たちがやって来て同じような事を言い始めた。
その中に……クリスティ様がいたのだ。
「王妃様。しっかりなさってくださいな。貴女の行動一つで国王様の負担がどれだけ掛かっているのかお分かりですか? 先程も申しましたように王妃としての振る舞いを忘れぬよう」
「はい。クリスティ様」
ああ、説教なんて御免だわ。
私が侍女だったことを知っていて皆の前で貴族令嬢として発言されていることは分かっていた。
周りに集まっていた令嬢達も頷きながら笑っている。
貴族って本当に嫌。
私はそう思いながら苦笑いをしていた。
私がその場にいることが苦痛だと感じたのだろう、ラスティが傍にやって来て私に耳打ちした。
「辛かったら言ってね。いつでも加勢するから」
そう言って私の後ろに立ち微笑んでいる。
そんなラスティの行動に令嬢たちに不穏な空気が流れた。
「貴女、何か御用?」
クリスティ様がそう言ってラスティに嚙みついた。
私はラスティに迷惑を掛けるわけにはと思いクリスティ様に話しかけた。
「私の身体事を気遣ってくれての行動です。御見苦しい所を…申し訳御座いません。ですが、私の侍女に無粋な発言は王妃としての私が許すことは出来ません。どうかご容赦下さいませ」
初めて…王妃の権限を執行した気持ちになった。
私が強気の発言をした事でクリスティ様は悔しそうな顔をしながら私の元を去った。
その後ろにぞろぞろと取り巻き令嬢たちが私の元を去っていく。
「どうしたのだ? 何かあったのか??」
「何でも御座いません」
国王が私の事を心配して声を掛けてきたが私は大丈夫だと答えた。
隣に座っていたリリアンが不思議そうな顔をしながら私を見つめている。
「何でもないのよ。リリアン。ラスティ、そろそろリリアンを寝かしつけなくてはね」
「はい。王妃様」
私は国王に娘を寝かしつけることをいい、壇上から姿を消した。
はぁ……疲れた。
パーティーなんて本当に面倒くさいし嫌だわ。
私は身体の事を気遣って壇上の上にある豪奢な椅子に腰かけていた。
隣にはリリアンが足をぶらぶらさせながら私と話をしている。
逆隣にはアルバン国王が笑顔を見せながら中央付近を見つめている。
大勢の貴族、王族達が中央付近で社交ダンスをしながら、壇上のすぐ下では王室の交響楽団が演奏をしていた。
「どうだ。マリア。皆楽しそうにしている。其方も楽しいか?」
国王がそう私に問いかけた…が、全然面白くもない。
それより部屋でゆっくりお茶をした方がよっぽど楽しい。
そんなことを言えば当然国王も不機嫌になると思い私は何も言わずに微笑んだ。
私が中々壇上から降りてこないことに痺れを切らした貴族たちがぞろぞろと壇上に上がって労いの言葉を述べた。
「王妃様。お身体の具合が良くなって本当に良かったですな。これからは新たな御子を産んで下され」
「おお、本当ですな。国王もそれをお望みですぞ、王妃様」
シュバイン公爵とゴードン公爵が笑いながらそう言った。
私は小さな声で、はい、頑張ります。と答えた。
それから貴族の令嬢たちがやって来て同じような事を言い始めた。
その中に……クリスティ様がいたのだ。
「王妃様。しっかりなさってくださいな。貴女の行動一つで国王様の負担がどれだけ掛かっているのかお分かりですか? 先程も申しましたように王妃としての振る舞いを忘れぬよう」
「はい。クリスティ様」
ああ、説教なんて御免だわ。
私が侍女だったことを知っていて皆の前で貴族令嬢として発言されていることは分かっていた。
周りに集まっていた令嬢達も頷きながら笑っている。
貴族って本当に嫌。
私はそう思いながら苦笑いをしていた。
私がその場にいることが苦痛だと感じたのだろう、ラスティが傍にやって来て私に耳打ちした。
「辛かったら言ってね。いつでも加勢するから」
そう言って私の後ろに立ち微笑んでいる。
そんなラスティの行動に令嬢たちに不穏な空気が流れた。
「貴女、何か御用?」
クリスティ様がそう言ってラスティに嚙みついた。
私はラスティに迷惑を掛けるわけにはと思いクリスティ様に話しかけた。
「私の身体事を気遣ってくれての行動です。御見苦しい所を…申し訳御座いません。ですが、私の侍女に無粋な発言は王妃としての私が許すことは出来ません。どうかご容赦下さいませ」
初めて…王妃の権限を執行した気持ちになった。
私が強気の発言をした事でクリスティ様は悔しそうな顔をしながら私の元を去った。
その後ろにぞろぞろと取り巻き令嬢たちが私の元を去っていく。
「どうしたのだ? 何かあったのか??」
「何でも御座いません」
国王が私の事を心配して声を掛けてきたが私は大丈夫だと答えた。
隣に座っていたリリアンが不思議そうな顔をしながら私を見つめている。
「何でもないのよ。リリアン。ラスティ、そろそろリリアンを寝かしつけなくてはね」
「はい。王妃様」
私は国王に娘を寝かしつけることをいい、壇上から姿を消した。
はぁ……疲れた。
パーティーなんて本当に面倒くさいし嫌だわ。
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