王太子の子を孕まされてました

杏仁豆腐

文字の大きさ
上 下
34 / 54

34 お仕置きの相談をしてみました。

しおりを挟む
数日後王太子のお仕置きについて色々考えていた。
侍女の言い分も分かる。
王太子の女たらしの部分は私自身ムッとしていた。

そんな中執事のアベルという黄金色の長髪、青色の瞳を持つ美形男子が居る。
私が侍女時代によく相談に乗ってくれていた先輩でもあった。
私はそのアベルを自室へと呼び出した。

「それで、王太子の事をどうお仕置きしたらいいのかしら」
「そうですね……アルバン様はどうにもこうにも……中々難しいお人ですから」
「そこが問題なのよ。侍女たちが安心して仕事が出来る環境を作ってあげないと」
「確かにそうですよね」

アベルはそう言いながら顎に手を当てて考え込んでしまった。
私はリリアンを抱きながらソファに座っている。

「アベルさん。此方で座ってお話しませんか? 昔のように気さくに話してほしいのだけれど」
「あ、そう? 実は僕はどっちの方で話せばいいのか分からなかったんだよ。まさかあのマリアが王太子様の妃になるなんて思わなかったからさ」
「それは私自身同じことを今でも思っているのよ」
「ははは、確かに大変そうだよね」
「それで良い案はある?」
「そうだな……いっその事別居してみたら? 王族が使っている別宅へ引越しして距離を置くとか」
「それをしたらさぞ喜んで侍女たちに手を出さない?」
「あ……有り得るな」

ははは、私とアベルはケラケラと笑った。
それにしてもアベルは昔と全く変わらない。

「そう言えばアベルさんって結婚はなさらないの?」
「結婚……?
「ええ」
「許嫁ならいるけど…でもそれは親が勝手に決めた人だし。当の本人同士はまだ会ったことも無いんだ」
「そんな方がいらっしゃるのね。いいわね。許嫁って。ロマンがあって」
「自分の事じゃないとそう思えるかもしれないけどね」

アベルは目の前に有ったカップに手を取って紅茶を啜った。
私も紅茶を啜る。
私の胸の中で抱かれていたリリアンが目をぱっちり開けて私の顔を見つめていた。
話がそれたけれど、王太子へのお仕置きの話についてアベルに相談。

「話は戻るけど、アベルさん、王太子へのお仕置きはどうしよう」
「あ、そうだったね……僕もちょっと考えてみるよ。少し時間を貰えないだろうか?」
「ええ、それは構わないけれど、なるべく早めにお願いね」
「了解。直ぐ何か言い案を考えてまたこちらに伺うことにするよ。僕は執務があるからこれで失礼するね」
「わざわざありがとう」

私はソファに座ったまま彼にお辞儀をすると笑顔で部屋を後にした。
それにしてもアベルは素敵な男性、王太子と比べてもアベルが勝つくらいだ。
私は昔の事を思い出しながらリリアンをあやしていた。

しおりを挟む
感想 33

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

セレナの居場所 ~下賜された側妃~

緑谷めい
恋愛
 後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。

下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。 またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。 あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。 ご都合主義の多分ハッピーエンド? 小説家になろう様でも投稿しています。

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

白い結婚は無理でした(涙)

詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。 明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。 白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。 小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。 現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。 どうぞよろしくお願いいたします。

処理中です...