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34 お仕置きの相談をしてみました。
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数日後王太子のお仕置きについて色々考えていた。
侍女の言い分も分かる。
王太子の女たらしの部分は私自身ムッとしていた。
そんな中執事のアベルという黄金色の長髪、青色の瞳を持つ美形男子が居る。
私が侍女時代によく相談に乗ってくれていた先輩でもあった。
私はそのアベルを自室へと呼び出した。
「それで、王太子の事をどうお仕置きしたらいいのかしら」
「そうですね……アルバン様はどうにもこうにも……中々難しいお人ですから」
「そこが問題なのよ。侍女たちが安心して仕事が出来る環境を作ってあげないと」
「確かにそうですよね」
アベルはそう言いながら顎に手を当てて考え込んでしまった。
私はリリアンを抱きながらソファに座っている。
「アベルさん。此方で座ってお話しませんか? 昔のように気さくに話してほしいのだけれど」
「あ、そう? 実は僕はどっちの方で話せばいいのか分からなかったんだよ。まさかあのマリアが王太子様の妃になるなんて思わなかったからさ」
「それは私自身同じことを今でも思っているのよ」
「ははは、確かに大変そうだよね」
「それで良い案はある?」
「そうだな……いっその事別居してみたら? 王族が使っている別宅へ引越しして距離を置くとか」
「それをしたらさぞ喜んで侍女たちに手を出さない?」
「あ……有り得るな」
ははは、私とアベルはケラケラと笑った。
それにしてもアベルは昔と全く変わらない。
「そう言えばアベルさんって結婚はなさらないの?」
「結婚……?
「ええ」
「許嫁ならいるけど…でもそれは親が勝手に決めた人だし。当の本人同士はまだ会ったことも無いんだ」
「そんな方がいらっしゃるのね。いいわね。許嫁って。ロマンがあって」
「自分の事じゃないとそう思えるかもしれないけどね」
アベルは目の前に有ったカップに手を取って紅茶を啜った。
私も紅茶を啜る。
私の胸の中で抱かれていたリリアンが目をぱっちり開けて私の顔を見つめていた。
話がそれたけれど、王太子へのお仕置きの話についてアベルに相談。
「話は戻るけど、アベルさん、王太子へのお仕置きはどうしよう」
「あ、そうだったね……僕もちょっと考えてみるよ。少し時間を貰えないだろうか?」
「ええ、それは構わないけれど、なるべく早めにお願いね」
「了解。直ぐ何か言い案を考えてまたこちらに伺うことにするよ。僕は執務があるからこれで失礼するね」
「わざわざありがとう」
私はソファに座ったまま彼にお辞儀をすると笑顔で部屋を後にした。
それにしてもアベルは素敵な男性、王太子と比べてもアベルが勝つくらいだ。
私は昔の事を思い出しながらリリアンをあやしていた。
侍女の言い分も分かる。
王太子の女たらしの部分は私自身ムッとしていた。
そんな中執事のアベルという黄金色の長髪、青色の瞳を持つ美形男子が居る。
私が侍女時代によく相談に乗ってくれていた先輩でもあった。
私はそのアベルを自室へと呼び出した。
「それで、王太子の事をどうお仕置きしたらいいのかしら」
「そうですね……アルバン様はどうにもこうにも……中々難しいお人ですから」
「そこが問題なのよ。侍女たちが安心して仕事が出来る環境を作ってあげないと」
「確かにそうですよね」
アベルはそう言いながら顎に手を当てて考え込んでしまった。
私はリリアンを抱きながらソファに座っている。
「アベルさん。此方で座ってお話しませんか? 昔のように気さくに話してほしいのだけれど」
「あ、そう? 実は僕はどっちの方で話せばいいのか分からなかったんだよ。まさかあのマリアが王太子様の妃になるなんて思わなかったからさ」
「それは私自身同じことを今でも思っているのよ」
「ははは、確かに大変そうだよね」
「それで良い案はある?」
「そうだな……いっその事別居してみたら? 王族が使っている別宅へ引越しして距離を置くとか」
「それをしたらさぞ喜んで侍女たちに手を出さない?」
「あ……有り得るな」
ははは、私とアベルはケラケラと笑った。
それにしてもアベルは昔と全く変わらない。
「そう言えばアベルさんって結婚はなさらないの?」
「結婚……?
「ええ」
「許嫁ならいるけど…でもそれは親が勝手に決めた人だし。当の本人同士はまだ会ったことも無いんだ」
「そんな方がいらっしゃるのね。いいわね。許嫁って。ロマンがあって」
「自分の事じゃないとそう思えるかもしれないけどね」
アベルは目の前に有ったカップに手を取って紅茶を啜った。
私も紅茶を啜る。
私の胸の中で抱かれていたリリアンが目をぱっちり開けて私の顔を見つめていた。
話がそれたけれど、王太子へのお仕置きの話についてアベルに相談。
「話は戻るけど、アベルさん、王太子へのお仕置きはどうしよう」
「あ、そうだったね……僕もちょっと考えてみるよ。少し時間を貰えないだろうか?」
「ええ、それは構わないけれど、なるべく早めにお願いね」
「了解。直ぐ何か言い案を考えてまたこちらに伺うことにするよ。僕は執務があるからこれで失礼するね」
「わざわざありがとう」
私はソファに座ったまま彼にお辞儀をすると笑顔で部屋を後にした。
それにしてもアベルは素敵な男性、王太子と比べてもアベルが勝つくらいだ。
私は昔の事を思い出しながらリリアンをあやしていた。
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