王太子の子を孕まされてました

杏仁豆腐

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29 誕生しました。

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色々な事が収まった。

そして私のお腹にいる子供が出産する日を迎えた。
子供が出来たと分かってから数か月後の事だった。

「うう……っ」
「マリア様、頑張って下さいっ。もう少しですから」
「ううっ……ったい…ひぃ――っ」

大きな声を発しながら踏ん張り、その後待望の子供が産声を上げた。

「んぎゃぁ~、んぎゃぁ~っ!!」

やった……やっと産まれた。
私はそう思いながら額に汗をかいていた。
医者に赤ん坊を見せて貰うと元気な……女の子……? が産まれていたのだ。

「女の子……ですか」
「元気な姫君様で御座います」
「姫……」

ああ、なんてことなのでしょう。
私は姫を産み落としてしまったのだ。
王太子から『男の子を』と言われていたので王太子が見たらがっかりするだろう。
私はそう思いながら王太子が来るのを待っていると、執務が終わり私の寝ているベッドにやってきた。
隣には産まれたばかりの赤子が寝ている。

「よくぞ頑張ってくれた。子供は姫だと聞いたときは少々がっかりもしたが、問題ない。直ぐに新たな子を孕んでくれ」

ですよねぇ~……。
王太子は笑いながら赤子の頬のツンツンしていたが、私はまたあの夜の営みが始まると思うとがっかりした気持ちになった。

「何か不満なのか?」

私の顔が不満そうに見えたのか、王太子は赤子の頬をツンツンするのを止めて私の頬を優しく添えた。

「男の子ではなかったので…少しがっかりしただけです」
「焦らうとも良いではないか。私はまた其方と愛し合えることが何よりうれしいのだぞ」
「今までも愛していたではないのですか?」
「それはそうだが。私だって男だ。そういう時だってある」
「そういう時ように侍女と誑かしていたのでしょう」
「あれは、誤解だと言ったではないか」

言い合いをするのも疲れる。
私はそのまま何も言わずに目を瞑った。
疲れてしまったのもあり、また王太子の対応にも腹が立って眠ってしまったのだった。

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