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28 鎮圧したけど……。

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侍女たちの反乱は収まりつつあった。
王太子が何とか話を付けているのだ。
しかし、ある条件を付けられたことに私は驚いた。

「侍女たちの立場って王太子と対等になれる物なのかしら」
「ホントよね……私も凄いと思ってみてるけど」

侍女の長の人が王太子に対してある文章を手渡したのだ。
その内容とは、①王太子妃様の侍女達に対する嫌がらせを止めさせること、②侍女に手を出すこと止める事、③側妃を迎え入れる事。

「なんという内容なの?」
「侍女に手を出すことって私の事よね? 他にもそういうことをしたってこと?」
「噂だけど、結構侍女と遊んだ事があるって聞いたよ」

遊び人の馬鹿王太子め。
私は王太子の顔を思浮かべながら唇を噛みしめた。
王太子は直ぐにそれらの内容を全て呑んで侍女たちの反乱は納まった。
しかし私の怒りは収まらなかった。

その日の夜、私は王太子に言い寄った。

「あの侍女たちに手をだしとか、あれは本当の事なのでしょうか?」

王太子は慌てた様子で私を見つめ口を開いた。

「あれは……成り行きというか……なんというか……済まぬっ!」
「許せないです。今も誰かとセックスしてるってことですか?」

私ははっきりそう言った。
言わないとこの人は理解してくれないから。

「今はしてない。何もしてない。これは神に誓って言えることだ。信じて欲しい」
「神に誓ってって……そんな言葉が信用できると思っているのですか」

私は唖然とした状態で王太子を見つめていた。
ま、私よりもスタイルが良いとか、可愛い侍女が城に沢山いることは知っているけれど、全く、どういう神経してるのかしら。

「側妃の事についてはどうされるおつもりですか?」
「側妃は……分からん。どうしたらいいのか……」
「全く……何も考えずに交渉したのですか?」
「ああ、側妃をと言われても私には……」

本当にダメな王太子だ。
私はそう思いながら軽蔑の視線を王太子に向けた。
侍女たちの反乱する事の理由は私の事じゃなく王太子に自らの事だったことだけは良かったと思った。

「でもラスティは何故私の事を……」

ラスティは侍女たちの反乱が収まる以降私のところにはやって来なかった。
もしかしたら、ラスティが後ろで糸を引いていたのかもしれない。
人間不信になりそう……。

「今宵はもう寝よう。私も疲れてしまった」
「私は既に疲れ切ってますけど」
「そういうな……」

王太子は私の肩に手を当てて一緒にベッドに向かった。
私に子供が出来た時はあんなに喜んでいたのに……浮気されてたのかと思うとぞくっとしちゃうわ。
でもま、側妃は当たり前にどの国の王様にはつきものだし、数名なら許してあげよう。
私はそう思いながら一緒にベッドに眠った。


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