王太子の子を孕まされてました

杏仁豆腐

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21 待望の子を孕むことになりました。

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王太子に襲われ続け私はついに子を身籠った。

「ご懐妊おめでとうございます」
「ラスティにそう言われると本当に妃になった気がするから止めてよ」
「だって本当に婚約しているんだもの。マリア様」
「もう……」

王太子に子供が出来たことを報告したのはその後だった。
いつも通り朝食を済ませ、王太子の居る部屋に近衛兵のルエと一緒に。

『コンコン』
「はい、どうぞ」
「失礼します」
「おお、其方か! どうした、このような場所に来て。私に会いたくなったのか?」

違います……って言いたかったけれど、私は笑顔でこくりと頷いた。
そして子供が出来たことを報告。
すると大声を上げ、手を天高く上げて喜んだ。

「おおっ! やっとかっ。やっと子が出来たのか!?」
「そのようです。まだ安静にしていないといけないと言われておりますが、一応ご報告しないとと思いました。あと、いつもの、あの、夜は今日から、無しということで……」
「おお。分かっておる。分かっておる。そうか、ついに、ついに私の子が出来たのか。めでたい、めでたいぞ」

王太子は大喜びして私のお腹を擦りながら時より耳をお腹に押し当てていた。
まだそこまでじゃないと思ったが、私は王太子の好きなようにさせていた。
言ったところで止めようとはしないだろうから……。

王太子はその後夕食時に国王にその話をした。
すると国王が私に話しかけてきた。

「其方の身体は一つではなくなったな。これからは安静にしなければ。ミレンダの事もある。ルエ、しっかり守るのだぞ。其方がしっかり護衛しなければマリアも安心できんからな」
「はは~っ! この身に変えてもマリア様をお守りする所存でございます」

ルエは深々と頭を下げてた。
私が妊娠したのを民に報告するのは安定期になったときにすると、国王が言った。
王太子もそれでいいといいながら嬉しそうにわたしに微笑んだ。
取り敢えず、夜の営みはしなくて済むんだ。
私はそっちの安心をしながら国王、王太子に笑顔を振り撒いた。

「ラスティ。貴女は私の友達よね?」
「何を今更」
「私が正妃になってもこのままの関係だよね?」
「それはどうかなぁ~って、嘘嘘、ずっとお友達だから」
「良かった。貴女が此処にいる時の唯一心が開ける人だから助かるわ」

夕食が終わりルエと部屋に戻った私は、侍女のラスティと笑いながら生まれてくる子供もために尽くそうと思った。
近衛隊長のルエは私の事を『マリア様』と今でも呼ばれている。
彼女とはお友達になれないのかしら、そんなことを思っていた。
数少ないお友達を私は自然と欲していたのだった。
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