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17 王太子に訊いてみました。

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「私は王族の方々に良い印象がないと伺いました。私が妃として本当にいいのでしょうか?」

夜這いに来た王太子に一通りやることをした後に私は訊ねた。
真っ暗闇の中私を見つめる王太子が私の頬に手を当てて答えた。

「それは、私の妹たちの事か?」

やはりそうなんだ。
妹君のアンドル様に私はあったことがない。
侍女だった頃、仕事をしていた時にちらっと遠目で見たことがあったくらいだ。
とても気丈な方で言う事も真面だと侍女たちの間で話していたのを思い出した。

「アンドル様と私はあったことが在りません。私との婚約発表の時も確かいなかったと思いますが……本当に大丈夫なのでしょうか?」

私の質問に唸る王太子に私は不安を感じていた。
頼りないのだ、この王太子は……。
女癖が絶えないとお城の中では有名だった彼が私しか相手にしていないことが不思議なくらいだと噂が立っている。
私もその噂は耳にしているのだが、本人はまるで関係ないように感じていた。

「我妹の事は気にするな。何もしないと思うが、一応私から声を掛けておく。其方は早く私の子を孕んでもらえればよいのだ。どうだ? もう子は出来そうか?」
「そんなこと言われましても……お医者様に訊いてみないと分かりません。しかし、ミレンダ様にお腹をたたかれたことで恐らく子供が出来きにくい体になってしまったかもしれません」

私はそう言って王太子に嘘を付いた。
一回くらいお腹をグーパンされたからと言ってそんなことはありはしない。
しかし、私の嘘を訊いて王太子は優しく私のお腹を擦りながら、早く生まれてこぬか、と語り掛けていた。

「もし、私に子が出来ない時、私はどうなるのでしょうか?」

どうなるか分からない、私は子が出来ない時の事を訊いてみることにした。
王太子は私の事を優しく抱きしめて話をした。

「大丈夫だ。其方なら私の子を産んでくれる。もし、仮に、子が出来なければその時はその時。其方は私に対して大事な存在なのだ。だから婚約破棄などはしない。それに私は其方に惚れておる。何も心配するな」

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