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11 国王様と会いました。②

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「おはよう、昨日はぐっすり眠れたか?」

王太子と同じ質問を国王様にも訊かれた私はこくりと頷いた。
これで国王様に会うのは二度目。
本当に貫禄があるな、この国王様。

「お前たちの婚儀の事でな。そろそろ国民にも婚約発表をしようと思うのだが良いか?」

私にそう訊いてきたので私は口を開いた。

「アルバン様と婚約すると言いましても、私にはまだ子が出来ていません。それでも平民…しかも侍女だった私がアルバン様と婚約するのは良いのでしょうか?」

今更ながらの質問をすると、国王は大笑いした。

「問題ない。既に貴族達には伝えてあるのでな。それでよいのだろう? アルバン」
「はい。父上様。私はこの者と婚約します」

はぁ~……逃れられない。
私は諦めて全てを受け入れるほかないのだろうか。
若し婚約が正式に発表となれば私に対する風当たりが激しくなるだろう。

「私に一つお願い事が御座います。」

私は国王様にそう言った。
国王様は不思議な顔をしながら私の事を見つめている。

「婚約が正式発表されれば私に対する恨みを持つ人たちが必ず現れます。現にミレンダ令嬢には酷い目に遭いました。この先、私に対する嫌がらせが絶えないでしょう。私にはそれに耐える自信がありません」

全てを話せば分かってくれる。
そう思っていたのだったが、国王と王太子は笑いながら話をした。

「それは問題ない。其方には近衛兵を付けることにした。ミレンダ令嬢の一件があるからな。其方には元気な跡取りを産んで貰わなければならぬからな」

国王がそう言うと王太子も、

「その通りだ。其方を痛めつけるような輩は私が排除する」

と大きな声で言った。
私ごときに近衛兵を用意して守りを固めたという。
そこまでしなくても、婚約破棄してくれればいいのだけれど。
私は普通の侍女に戻りたいだけなのに。

「私は正妃として迎えられるという事でしょうか」

「そのつもりだが…不服か?」
「いえ、何でも御座いません」

私はどうやら側妃ではなく、正妃として迎えられるようです。
これからどうなることやら……心配で夜もスヤスヤ眠れないでしょう。
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