王太子の子を孕まされてました

杏仁豆腐

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8 拒んでみました。

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王太子に何故私を選んだのかを訊ねました。
すると意外な答えが返って来た。

「それは、其方が好きだからに決まっている」
「それは、真の事ですか? ミレンダ令嬢と破局させる為に私に言い寄ってきているのではなくて?」
「それは……最初はそうであった。だが、今は違う」

結局最初はミレンダ令嬢との破局させる為に私を当て馬にしたということだったのだ。
今は私の事を好きだと言っている王太子を私はどうして、彼を信じることが出来るのだろう。
一度私の我儘を訊いてくれるとか、私の事をどれくらい好きなのか、どれも曖昧な答えが返ってきそうな気がした。
明後日の社交界デビューしたくないと言ったらなんていうのかしら。
私は思い切って王太子に訊ねた。

「アルバン様。私は元このお城の侍女です。そんな人間がいきなり王太子の婚約者として社交界へデビューとか、ハードルが高すぎて……ちょっと嫌なんですけど」

私がそう言うと王太子は困ったような顔をして顎に手を当てて考え事をし始めた。
さぁ、なんて答えるのか。
少しの間が経ってから王太子が話し出した。

「そうか……確かにいきなり皆の前でと言うのはあれだな。良し分かった。少しづつなれる特訓をしようではないか。まずは……明日行われる舞踏会へ行こう」
「ああ、そうなんですか……舞踏会」

焼け石に水だった。
私の一歩先を王太子は進んでいるんだ。
私はそう思いながら笑顔で私を見つめる王太子を恨めしく思った。

「おいおい、そんな怖い顔するな。遅かれ早かれ慣れてくれなくては困る」
「私は本意でこうなったのではないのです。私を巻き込まないでほしいです」
「それは私が困る。其方は既に明日、明後日何方かで国民に婚約発表されることになっている。其方がそのように薄汚れていては民たちも、王族も納得してくれない」
「どうせなら破談してもいいと思いますけど……」
「それはダメだっ!」

王太子は大きな声を出して私に詰め寄った。
私は肩を狭めながら体を密着させる王太子に対抗した。
が、結局私の力では彼の力には及ばず……結局ベッド上に寝かせられて子作りが始まった。

「其方が早く子を身籠れば、皆何も言わんだろうさ」
「わたしは……そ、そんなこと……っ」
「そら、其方もだいぶ私の身体に慣れて来たではないかっ」

いや、そんなことを言わないで。
私は心の中でそう叫び、王太子は私の中に遺伝子をばらまいたのだった。
今宵は、何時になく王太子は達するのが早い気がした。
やはり、王太子は早漏なのだろうか……?
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