8 / 54
8 拒んでみました。
しおりを挟む
王太子に何故私を選んだのかを訊ねました。
すると意外な答えが返って来た。
「それは、其方が好きだからに決まっている」
「それは、真の事ですか? ミレンダ令嬢と破局させる為に私に言い寄ってきているのではなくて?」
「それは……最初はそうであった。だが、今は違う」
結局最初はミレンダ令嬢との破局させる為に私を当て馬にしたということだったのだ。
今は私の事を好きだと言っている王太子を私はどうして、彼を信じることが出来るのだろう。
一度私の我儘を訊いてくれるとか、私の事をどれくらい好きなのか、どれも曖昧な答えが返ってきそうな気がした。
明後日の社交界デビューしたくないと言ったらなんていうのかしら。
私は思い切って王太子に訊ねた。
「アルバン様。私は元このお城の侍女です。そんな人間がいきなり王太子の婚約者として社交界へデビューとか、ハードルが高すぎて……ちょっと嫌なんですけど」
私がそう言うと王太子は困ったような顔をして顎に手を当てて考え事をし始めた。
さぁ、なんて答えるのか。
少しの間が経ってから王太子が話し出した。
「そうか……確かにいきなり皆の前でと言うのはあれだな。良し分かった。少しづつなれる特訓をしようではないか。まずは……明日行われる舞踏会へ行こう」
「ああ、そうなんですか……舞踏会」
焼け石に水だった。
私の一歩先を王太子は進んでいるんだ。
私はそう思いながら笑顔で私を見つめる王太子を恨めしく思った。
「おいおい、そんな怖い顔するな。遅かれ早かれ慣れてくれなくては困る」
「私は本意でこうなったのではないのです。私を巻き込まないでほしいです」
「それは私が困る。其方は既に明日、明後日何方かで国民に婚約発表されることになっている。其方がそのように薄汚れていては民たちも、王族も納得してくれない」
「どうせなら破談してもいいと思いますけど……」
「それはダメだっ!」
王太子は大きな声を出して私に詰め寄った。
私は肩を狭めながら体を密着させる王太子に対抗した。
が、結局私の力では彼の力には及ばず……結局ベッド上に寝かせられて子作りが始まった。
「其方が早く子を身籠れば、皆何も言わんだろうさ」
「わたしは……そ、そんなこと……っ」
「そら、其方もだいぶ私の身体に慣れて来たではないかっ」
いや、そんなことを言わないで。
私は心の中でそう叫び、王太子は私の中に遺伝子をばらまいたのだった。
今宵は、何時になく王太子は達するのが早い気がした。
やはり、王太子は早漏なのだろうか……?
すると意外な答えが返って来た。
「それは、其方が好きだからに決まっている」
「それは、真の事ですか? ミレンダ令嬢と破局させる為に私に言い寄ってきているのではなくて?」
「それは……最初はそうであった。だが、今は違う」
結局最初はミレンダ令嬢との破局させる為に私を当て馬にしたということだったのだ。
今は私の事を好きだと言っている王太子を私はどうして、彼を信じることが出来るのだろう。
一度私の我儘を訊いてくれるとか、私の事をどれくらい好きなのか、どれも曖昧な答えが返ってきそうな気がした。
明後日の社交界デビューしたくないと言ったらなんていうのかしら。
私は思い切って王太子に訊ねた。
「アルバン様。私は元このお城の侍女です。そんな人間がいきなり王太子の婚約者として社交界へデビューとか、ハードルが高すぎて……ちょっと嫌なんですけど」
私がそう言うと王太子は困ったような顔をして顎に手を当てて考え事をし始めた。
さぁ、なんて答えるのか。
少しの間が経ってから王太子が話し出した。
「そうか……確かにいきなり皆の前でと言うのはあれだな。良し分かった。少しづつなれる特訓をしようではないか。まずは……明日行われる舞踏会へ行こう」
「ああ、そうなんですか……舞踏会」
焼け石に水だった。
私の一歩先を王太子は進んでいるんだ。
私はそう思いながら笑顔で私を見つめる王太子を恨めしく思った。
「おいおい、そんな怖い顔するな。遅かれ早かれ慣れてくれなくては困る」
「私は本意でこうなったのではないのです。私を巻き込まないでほしいです」
「それは私が困る。其方は既に明日、明後日何方かで国民に婚約発表されることになっている。其方がそのように薄汚れていては民たちも、王族も納得してくれない」
「どうせなら破談してもいいと思いますけど……」
「それはダメだっ!」
王太子は大きな声を出して私に詰め寄った。
私は肩を狭めながら体を密着させる王太子に対抗した。
が、結局私の力では彼の力には及ばず……結局ベッド上に寝かせられて子作りが始まった。
「其方が早く子を身籠れば、皆何も言わんだろうさ」
「わたしは……そ、そんなこと……っ」
「そら、其方もだいぶ私の身体に慣れて来たではないかっ」
いや、そんなことを言わないで。
私は心の中でそう叫び、王太子は私の中に遺伝子をばらまいたのだった。
今宵は、何時になく王太子は達するのが早い気がした。
やはり、王太子は早漏なのだろうか……?
19
お気に入りに追加
1,042
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!


【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です
葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。
王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。
孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。
王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。
働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。
何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。
隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。
そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも掲載予定です。

誰でもイイけど、お前は無いわw
猫枕
恋愛
ラウラ25歳。真面目に勉強や仕事に取り組んでいたら、いつの間にか嫁き遅れになっていた。
同い年の幼馴染みランディーとは昔から犬猿の仲なのだが、ランディーの母に拝み倒されて見合いをすることに。
見合いの場でランディーは予想通りの失礼な発言を連発した挙げ句、
「結婚相手に夢なんて持ってないけど、いくら誰でも良いったってオマエは無いわww」
と言われてしまう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる