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「あれ……私って……どうしたのかしら」

気が付くと先程ソファの上で寝てしまっていたことに気が付いた。
誰かが毛布を掛けてくれたのか身体に毛布が掛けられていた。
部屋は真っ暗。明かりをつけようとソファから立ち上がり部屋の明かりをつける。


「あれは…何だったのかしら……」


夢の中でもう一人の私が違う世界で生活をしているのだ。
妙にリアル過ぎて頭からそれが離れない。
あの風貌、私そっくりな顔や体……って何処見てるのかしら私ったら。
私はは顔を赤らめ恥じらいを感じた。


コンコンと扉からノックスのする音が鳴り出した。
私はソファから立ち上がり扉を開くと、そこに立っていたのはメイド服を着た可愛らしい女性がいた。


「お目覚めですか? エリス様。お疲れのところもお申し訳ありませんが、お食事のご用意が出来ましたのでお呼びいたしました。お食事なさいますか?」
「あ、貴女は……?」
「あ、申し遅れました。私はマリと申します。此処のお城でメイドをしております。以後エリス様専属のメイドとして配属されました。宜しくお願い致します」


ペコリと私の前でお辞儀をするマリと言うメイド。
何て可愛らしい…幾つかしら。
私はそう思いながら彼女を見つめた。
そう言えばお腹が空いていた。


「食べようかしら、折角ご用意して頂いたのでしたら勿体ないですもの」
「はい。では、ご案内させて頂きます」


再びペコリとお辞儀をするマリ。
マリの先導で食堂に向かった。
大きな食堂に着くと10人座れるだけの椅子が並んだ大きな長いテーブルの上に食事が用意されていた。
此処には私以外は誰もいなかった。


「他の方々は既に食事を済ませたのかしら」


私は独り言をぽつりと言うと、マリがそれを訊いて答えた。


「他の方々は先に済ませました。エリス様は寝ておられたので起きるまで待つよう王太子に命令されておりました」
「マラスがそのような事を……本当に優しい方ですわね、彼」
「ええ。このお城で働いている者は皆そう慕っております」


今の私とはまるで立場が違う。
私はそう思った。
椅子に座ると他のメイド達が現れて次々と温め直したお料理を運び出された。


「頂きます」


私は両手を合わせてそう言うとフォークとナイフを手に取り料理を食べた。
あれ? 私っていつも料理を食べる時、こうしてたのだっけ? 
ふと疑問に思ったがお腹が空いていたので気にせず料理を口にした。
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