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第1章

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何、私ってそんな無礼なことを王様にもしていしまっていたって言うの? 
アレーレって本当に怖いものなしの悪役令嬢ってやつなのね。
アクレって呼べばいいのかしら。
それともこれを機にちゃんとした名前で呼んだ方が良いのかしら。
私は傍に居るお父様の顔をちらっと見た。
するとお父様は笑顔でこくりと頷いた。
これってどういうサインなのよ。
全く分からないじゃない。
困惑した私に国王様は更に続けて話をした。


「どうしたのだ? アレーレよ。気分でも悪いのか?」
「殿下。アレーレは昨日から少し様子がおかしいのです。今朝いきなり婚儀の話を白紙にしたいなどと言い始める始末。父である私にもさっぱりでして…」


それ今ここで言う事なのっ!! 
流石にお父様に対して悪色を感じてしまい睨みつけてしまった。
するとお父様が申し訳なさそうな表情になってしまいそれを見ていた国王様が笑いだした。


「はっはっはっは。良い良い。気にする出ないぞ、二人共。余は怒ってはおらぬ」
「ははぁー。国王の御前ではしたない所をお見せしてしまいましたな。はっはっは」


お父様そう言うと笑ってその場の空気を何とか温めてくれた。
確かに前のアレーレは傍若無人な振る舞いをしていたけれど今のアレーレ…つまり私は礼儀をわきまえている社会人なんだから、偉い人にはそれなりの態度は出来るんだから。


「アレク様。私ももう18になって少しは大人になりました。今までのご無礼お許しくださいませ。これからは大人なアレーレを宜しくお願い致します」


私は今までの振る舞いをリカバリーする為椅子に座りながらも深々と頭を下げた。
するとそれを聞いていた国王様とお父様が一斉に笑い出し、傍で見ていた執事のジンもクスクスと笑いだしたのだった。
恥ずかしくて仕方のない私は顔を真っ赤にして俯いてしまった。
国王様とのやり取りはそれからしばらく続きお城を出たのは三時を過ぎたあたりだった。


「アレーレよ。久々の殿下との会話はどうであった?」


帰りの馬車の中でお父様にそう訊ねられた私だったがそもそも今日初めて国王様会ってどうのこうのと言われてもと思いつつ適当に話を合わせることにした。


「ええ、とても優雅なお時間を過ごせました。私も少し緊張してしまいましたわ」
「おお。心臓に毛が生えていると言われたアレーレも久々の殿下との会話に緊張していたというのか。中々面白い」


大きな声で笑うお父様に対して私は口元を隠しながら笑って見せた。
お嬢様も結構大変な職業だわと心の中で思っていたことは言うまでもない。
その日は夕食を済ませ自室で籠り侍女たちがお風呂の用意が出来たと声を掛けられるまでつまらないBL小説を読みふけっていた。


「アレーレ様。今宵はどうなさいますか?」


え…? 
何が? 
とソロとマロに身体を石鹸でゴシゴシされている時にサロンにそう訊ねられた。
これから寝るだけじゃないの。まだ名にあるって言うのかしら。
不思議な顔でサロンを見つめているとサロンが続けて話し出した。
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