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第三話②
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予め第一王子ディルンガル(愛称ディル)にエスコートをお願いしていた。ディルの腕を掴んで(腕組ってやつ)会場に入った。すでに多くの貴族達が会場入りしていた。私達は措定の位置につくとその場にあった椅子に腰かけた。
「アムルディーナ姉様、今日の黄色で基調されたドレスとても素敵です。髪型も凄く綺麗ですね」
「ありがとう、全てラミア達メイドのお陰よ。それにディルも凄くかっこいいわ。誰かの令嬢にアピールするつもりなのかしら?」
「そ、そんな人はいません!姉さまに見てもらいたかったのです。私は姉さまが大好きなのです。他の令嬢たちには比べようがないほど大好きなのですよ」
「まぁ。ディル、もうそろそろ姉離れしないとだめよ。全く、私は婚約者候補を探さないといけないんだから」
ディルのシスコンが結構重度化していたのに驚いた。私が前世の記憶を取り戻した後からディルは私にぞっこんなのだ。少し優しくし過ぎたのかもしれない。だって前世では私一人っ子だったか弟たちが可愛くて仕方がなかったんだもの。そう自分に都合のいい言い訳をしながら国王夫妻の登場を待っていた。
会場が少しうす暗くなると、参加していた貴族達が一斉に静まり返った。
そして突然大きなファンファーレが鳴り響き城の兵士が大きな声を出した。
「ブリュンヒルド聖王国、アレーシス・フォン・ブリュンヒルト国王、サラーラ・フォン・ブリュンヒルド王妃、おな~り~!!」
国王夫妻が登場すると盛大な拍手の渦が巻き起こった。会場全体が震えているかのような雰囲気だった。夫妻が所定の位置に座るとウェンディル宰相が開会の宣言をした。
宣言後音楽隊の演奏が始まった。貴族たちは順番に王妃誕生の祝辞をするために列に並んでいた。私は兄弟姉妹と一緒に座って祝辞をするそれらの様子を見学していた。
貴族社会って本当に建前がすごいんだな。前世の現代っ子の私には全く関係のない世界だと覆っていたのにな。そういえばゲームシナリオでこの場面あった気がする。売る覚えで詳細が分からないのがもどかしい。
この世界は私が現世でプレイしていた乙女ゲーム『プリンセス☆オブ☆ザ☆リベンジ』の世界観そのままなのだ。私はこのゲームを数回周回プレイして攻略対象者の好感度を稼いでいたのだが、こっちに転生してからゲームの記憶が売る覚えなのだ。だけど、このシナリオに悪役王女は存在していなかったはず。たしか、婚約者選びがめんどくさいし、自分には心に決まっている殿方いると主張して参加してなかったはず。
でも今私はこのパーティーに悪役王女アムルディーナとして参加している。ゲームとこの世界は若干の誤差が発生しているのだろうか・確かこの後の展開は、攻略対象者が主人公の平民を囲んでアピールタイムだった気がする。それぞれ好感度を上げるイベンドだった。
「アムルディーナ姉様、今日の黄色で基調されたドレスとても素敵です。髪型も凄く綺麗ですね」
「ありがとう、全てラミア達メイドのお陰よ。それにディルも凄くかっこいいわ。誰かの令嬢にアピールするつもりなのかしら?」
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「まぁ。ディル、もうそろそろ姉離れしないとだめよ。全く、私は婚約者候補を探さないといけないんだから」
ディルのシスコンが結構重度化していたのに驚いた。私が前世の記憶を取り戻した後からディルは私にぞっこんなのだ。少し優しくし過ぎたのかもしれない。だって前世では私一人っ子だったか弟たちが可愛くて仕方がなかったんだもの。そう自分に都合のいい言い訳をしながら国王夫妻の登場を待っていた。
会場が少しうす暗くなると、参加していた貴族達が一斉に静まり返った。
そして突然大きなファンファーレが鳴り響き城の兵士が大きな声を出した。
「ブリュンヒルド聖王国、アレーシス・フォン・ブリュンヒルト国王、サラーラ・フォン・ブリュンヒルド王妃、おな~り~!!」
国王夫妻が登場すると盛大な拍手の渦が巻き起こった。会場全体が震えているかのような雰囲気だった。夫妻が所定の位置に座るとウェンディル宰相が開会の宣言をした。
宣言後音楽隊の演奏が始まった。貴族たちは順番に王妃誕生の祝辞をするために列に並んでいた。私は兄弟姉妹と一緒に座って祝辞をするそれらの様子を見学していた。
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でも今私はこのパーティーに悪役王女アムルディーナとして参加している。ゲームとこの世界は若干の誤差が発生しているのだろうか・確かこの後の展開は、攻略対象者が主人公の平民を囲んでアピールタイムだった気がする。それぞれ好感度を上げるイベンドだった。
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