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第三話①
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「アムル、もうすぐ私の誕生日パーティーがあるのは知っているわよね?」
「はい、存じております」
「その日、貴女の婚約者候補をある程度決めておくようにしなさい。大勢の貴族が参加されます。たくさんの令息がお見えになるいい機会。アムル、わかっていますわよね?」
そう来たか。確かに絶好の機会だと思うが、出来ればなにもしたくない。どうせたくさんの令息とダンスさせられるんでしょうね…。ダンスレッスンは毎日欠かさず受けているから踊れますけど、本当にめんどくさいなぁ。だから社交って嫌いなんだよ。お姫様じゃなかったらとっくに逃げたしている自信あるわ。
「はい。分かっております。王妃殿下のお手を煩わさないよう細心の注意を払います」
「よろしい。では当日綺麗なドレスと装飾品、当日までに用意しておきなさい。ラミア、お願いしますね」
母上はラミアの肩に手を置いて失敗は許さないわよ、と言わんばかりの圧力をかけるがラミア本人は馴れているのか当たり前ですと言わんばかりの笑顔で答えていた。
そしてとうとう王妃誕生パーティー当日がやってきた。朝から城中従者やメイドたちが忙しく会場設営や受け入れ準備をしていた。王族の私達は普段と変わらすの日常を送っている。王族は周りの忙しさに一々反応することをよしとしないのだ。転生して初めて時随分このことで母上様やラミア達に注意されたのを思い出した。
お昼過ぎから私も忙しくなってくる。パーティー参加に向けた準備が始まるのだ。まずは身体のケアらしい。ラミアと数名のメイドたちが私の服を脱がして風呂場へと連れだしてくれる。私はなすがままの状態で彼女らにすべてを任せることにしている。
本当は他人に私の露な裸を見られるのはめちゃくちゃ恥ずかしい。別いスタイルがいいわけではないしとか思いながら、全裸の自分を見るとめちゃくちゃスタイルいいじゃん!ってなる。前世の自分とはえらい違いだわ。胸も大きいし(Dカップ以上あるな…)、腰回りなんてシュッとしてるし、お尻なんてプリっプリでつんとしているのだ。手足は細いし、どっかのモデルさんって感じのスタイルだった(前世の自分、美貌に生まれかえって良かったね)。
話は百戸に戻すとして、元主様はメイドたちに施行してもらうことがごくごく普通だったらしく、他人にやってもらわないと機嫌がすこぶる悪く癇癪が絶えなかったのだとか。当初私は自分で出来るからと他人に肌を触れさせるのを拒んでいたのだが(だってさ、普通の女子高生だもん。恥ずかしいよ)、私の言動に周りが詐欺経ててしまったのだ。ラミアなんか、凄く驚いてしまい泣きじゃくんでしまったくらい。(本当にあの時は申し訳なかったよ、ラミア。)
そんなのを見ていたら拒むことは出来ず、数週間でこの状態になれることになってしまった。元主ってどこまで我儘王女だったんだよ…全く。
湯あみが終わると今度は全体オイルを塗ってマッサージが始まる。日本でいうところのエステマッサージに近いと思う。このマッサージを始めてやってもらった時めちゃくちゃ気持ちよくて世の大富豪婦人たちがこぞってエステエステっていうわけだわ、そう思った。
気持ちよすぎてすぐ寝てしまってしまう私。エステが終わるとラミアが私を起こしてくれる。これまた気分がいいのだ。なんか本当に王女様になったーって感じがして清々しい気分。
そのあとお化粧、御髪を整える。今日の髪型はどうしますか、と尋ねられたが私にセンスがない。なのでお任せします、と答えた。
「畏まりました。では本日はお衣装に合わせて、ハーフアップにしましょう。三つ編みでサイドをそろえて真ん中でお纏めする、そういう髪型でよろしいでしょうか」
「ええ、それでいいわ。いつもありがとう。ラミアはセンスいいわね」
「お褒め頂き有難うございます。最近の姫様は凄く御変わりになられましたね。お優しくなられたと言いますか、私共下の者にもお気遣いくださるというか。私ども従者といたしましては、凄くやりがいのあるお仕事をさせてもらえて大変うれしく思います。有難うございます。」
「私変わったかしら。でも貴女達が喜んでくれると私もうれしいわ。今までがどうかしてたのよ。我儘な私はもう卒業なの。これからもよろしくね、ラミア」
「はい。畏まりました、アムルディーナ王女殿下」
そして時は過ぎ、王妃誕生パーティー兼私の婚約者候補選定の義が開催されるのであった。
「はい、存じております」
「その日、貴女の婚約者候補をある程度決めておくようにしなさい。大勢の貴族が参加されます。たくさんの令息がお見えになるいい機会。アムル、わかっていますわよね?」
そう来たか。確かに絶好の機会だと思うが、出来ればなにもしたくない。どうせたくさんの令息とダンスさせられるんでしょうね…。ダンスレッスンは毎日欠かさず受けているから踊れますけど、本当にめんどくさいなぁ。だから社交って嫌いなんだよ。お姫様じゃなかったらとっくに逃げたしている自信あるわ。
「はい。分かっております。王妃殿下のお手を煩わさないよう細心の注意を払います」
「よろしい。では当日綺麗なドレスと装飾品、当日までに用意しておきなさい。ラミア、お願いしますね」
母上はラミアの肩に手を置いて失敗は許さないわよ、と言わんばかりの圧力をかけるがラミア本人は馴れているのか当たり前ですと言わんばかりの笑顔で答えていた。
そしてとうとう王妃誕生パーティー当日がやってきた。朝から城中従者やメイドたちが忙しく会場設営や受け入れ準備をしていた。王族の私達は普段と変わらすの日常を送っている。王族は周りの忙しさに一々反応することをよしとしないのだ。転生して初めて時随分このことで母上様やラミア達に注意されたのを思い出した。
お昼過ぎから私も忙しくなってくる。パーティー参加に向けた準備が始まるのだ。まずは身体のケアらしい。ラミアと数名のメイドたちが私の服を脱がして風呂場へと連れだしてくれる。私はなすがままの状態で彼女らにすべてを任せることにしている。
本当は他人に私の露な裸を見られるのはめちゃくちゃ恥ずかしい。別いスタイルがいいわけではないしとか思いながら、全裸の自分を見るとめちゃくちゃスタイルいいじゃん!ってなる。前世の自分とはえらい違いだわ。胸も大きいし(Dカップ以上あるな…)、腰回りなんてシュッとしてるし、お尻なんてプリっプリでつんとしているのだ。手足は細いし、どっかのモデルさんって感じのスタイルだった(前世の自分、美貌に生まれかえって良かったね)。
話は百戸に戻すとして、元主様はメイドたちに施行してもらうことがごくごく普通だったらしく、他人にやってもらわないと機嫌がすこぶる悪く癇癪が絶えなかったのだとか。当初私は自分で出来るからと他人に肌を触れさせるのを拒んでいたのだが(だってさ、普通の女子高生だもん。恥ずかしいよ)、私の言動に周りが詐欺経ててしまったのだ。ラミアなんか、凄く驚いてしまい泣きじゃくんでしまったくらい。(本当にあの時は申し訳なかったよ、ラミア。)
そんなのを見ていたら拒むことは出来ず、数週間でこの状態になれることになってしまった。元主ってどこまで我儘王女だったんだよ…全く。
湯あみが終わると今度は全体オイルを塗ってマッサージが始まる。日本でいうところのエステマッサージに近いと思う。このマッサージを始めてやってもらった時めちゃくちゃ気持ちよくて世の大富豪婦人たちがこぞってエステエステっていうわけだわ、そう思った。
気持ちよすぎてすぐ寝てしまってしまう私。エステが終わるとラミアが私を起こしてくれる。これまた気分がいいのだ。なんか本当に王女様になったーって感じがして清々しい気分。
そのあとお化粧、御髪を整える。今日の髪型はどうしますか、と尋ねられたが私にセンスがない。なのでお任せします、と答えた。
「畏まりました。では本日はお衣装に合わせて、ハーフアップにしましょう。三つ編みでサイドをそろえて真ん中でお纏めする、そういう髪型でよろしいでしょうか」
「ええ、それでいいわ。いつもありがとう。ラミアはセンスいいわね」
「お褒め頂き有難うございます。最近の姫様は凄く御変わりになられましたね。お優しくなられたと言いますか、私共下の者にもお気遣いくださるというか。私ども従者といたしましては、凄くやりがいのあるお仕事をさせてもらえて大変うれしく思います。有難うございます。」
「私変わったかしら。でも貴女達が喜んでくれると私もうれしいわ。今までがどうかしてたのよ。我儘な私はもう卒業なの。これからもよろしくね、ラミア」
「はい。畏まりました、アムルディーナ王女殿下」
そして時は過ぎ、王妃誕生パーティー兼私の婚約者候補選定の義が開催されるのであった。
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