悪役我儘王女から前世の記憶を取り戻しマジメ王女(JK王女)になった途端周りの男共が急に溺愛してきちゃったんだけど!?

杏仁豆腐

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第一話①

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 穏やかな日の光がカーテンの好きから漏れ出て私の顔を照らす。ゆっくりと目を明けるとピンク色で統一された天蓋付きベッドに寝ころんでいた。
どうしてここで寝ているのか分からず、暫くぼっとしているとドアからノック音が部屋中に響き渡った。

「姫様、おはようございます。お着替えをお持ちいたしました」

 ん?姫様?誰が?
 そう思いながら返事をしてベッドから起き上がった。ドアが開くとそこに立っていたのは旧世代の西洋にいたであろうメイド服を着た若い情勢が黄色いドレスを手に持って立っていた。
彼女は一礼すると部屋に入って私の傍に来た。そして笑顔で話しかけた。

「おはようござます、姫様。今日はとてもいいお天気ですね。さ、お顔と御髪を整えたらこちらのドレスにお着替えしましょう」

 そういうと私をドレッサーの椅子に誘導すると少し暖かい濡れタオルで顔を拭いた。私はまだ今の状況が理解できずなすが儘の状態だった。

 ここはどこ?私は確か学校に行く準備をしていて制服に着替えていた気がするんだけど。ああ、思い出してきた。そのあと遅刻しそうだったんだ。お母さんからご飯は?と聞かれて、いらないと言って家を飛び出したっけ。そのあと…どうしったっけ・。

 部分的なことしかまだ思い出せない。メイドさん(名前知らんからメイドさんと呼んでいる)が渡井の顔を拭き終わった。私は目の前の大きな鏡に映しだれた顔を見て驚いて叫んでしまった。

「だ、誰!?これ」

 あ、しまった。私は口元に手を塞いで後ろに立っているメイドさんを見つめた。私の声に驚いていたメイドさんはクスクスと口元に手を添えて笑い出した。ここ、笑うとことじゃないんですけどね。そう思いながら頬を膨らませた私。それを見たメイドさんは一礼して話し出した。

「申し訳ありません。すごく驚かれていたみたいでしたのでつい…。それにしてもどうされましたか?何かお気になることでもございましたでしょうか」

 メイドさんの質問に私は答えた。

「だ、だって。この顔、私じゃないみたいで驚いてしまったの。それにしてもここは何処?貴女、名前は?」

 私の質問の内容に不思議そうな顔しながらメイドさんは答えた。

「お忘れですか?昨夜急にお倒れられたのです。すぐお医者様に見てもらいましたが特に問題はないとおっしゃられたのですが。やはりお記憶が…。分かりました。お答えいたします。」

 そういうとメイドさんは近くにあった椅子を私の正面に置くと深々と座った。

「では。まずここは『ブリュンヒルド聖王国』でございます。そして姫様はこの国の第一王女『アムルディーナ・』様でございます。そしてわたくしは王女様専属メイドの『ラミア・バーバル子爵令嬢でございます。改めまして宜しくお願い致します。』

 そういうと再び一礼した。なるほど、ここは以前いた世界とは違うってことなんだ。恐らく異世界転生したんだな。

 私は目の前にいるラミアに少し考えたいから席を外してもらうようお願いした。するとラミアはお顔と御髪だけで整えたいと訴えてきたので了承した。

 ラミアの作業が一段落すると一礼して部屋から出て行った。私はベッドに腰掛けこれまでの経緯を振り返った。

 まず、私には前世記憶とこの体の元の持ち主の記憶が存在していることが分かった。前世の記憶では、私は高校2年生女子高生。朝遅刻しそうだった私は家を飛び出し近くの交差点でランドセルを背負った小学生の男の子が飛び出してしまい、直進してくる10トントラックとぶつかりそうなのが目に入った。
何も考えず体が勝手に男の子を助けるため飛び出した。男の子を思いっきり押し出すがトラックは私に向かって突進。そのまま激突して記憶が途切れた。目が覚めるとこの場所で寝ていたのだ。

 そして元持ち主だったこの体の記憶を探ってみた。第一王女として誕生し、我儘放題にふるまっていたようだ。気に入らない従者や家臣、周りの人間に対して横暴な振る舞いとしていて、首だと言いまくっていた。
専属のラミアにもきつく当たっていたらしいが、ラミアは笑顔でこの我儘娘の振る舞いを笑顔で許していたようだ。すごく優しくて従者として優秀な人なんだなと思った。

 この国の事も思い出してきた。この国は国王は男だが、実権は王妃が握っている。ここは所謂女尊男碑らしい。男には権力が無く、女が仕切っているのだ。だから名前も『ブリュンヒルデ』なのだろう。女に生まれていてよかった
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