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7 幼馴染と再会しました。
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「お前はこの学園に相応しくない。さっさとされっ!」
「待ってください。今までの事は本当に申し訳なく思っております。これからはそのような事をしないようにいたしますので」
「そんなことを信用するとでも思っているのか?」
「そうですわ。貴女にはここを立ち去って貰います。これは学園長も了承されている案件なのです」
「そ、そんな……」
私の目の前に4人の男女が私の事を睨みつけている。
もう私にはここに居る資格がないのか。
そんなことを思いながら生徒会の女生徒に脇を掴まされ生徒会室を追い出されてしまった。
いきなり大ピンチ。
確かに私がやって来たことは許されることでは無い。
けれど私がやったことでは無い。これからどうすればいいのか……。
生徒会室を追い出され途方に暮れていた私に一人の男子生徒が声を掛けてきた。
「どうしたんだい? こんなところで」
知らない顔をしたイケメン男子。
どう答えていいのか分からない私を見て彼がクスクスと笑った。
「クラーラ。何かあったのか?」
私の名前を知っている!?
私は驚いて彼を見つめる。
彼はくしゃりと笑いながら私の傍に来て続けて話し出した。
「また何かやったのか? 今度は何をしたの?」
「わ、私は……何か問題を起こすような人だったのですか?」
「え……? 何を言っているんだ。君は貴族令嬢としていつも堂々として気迫があって、周囲から恐れられていたじゃないか。そんな君が一体どうしたんだい、そんな弱々しくなってしまって」
そうなんだ……以前の私はオドオドしていつも周囲の目を気にしながら生きていた。
それが転生したとたんこれだもん。
流石に凹むわよ……。
そう彼に全てを打ち明けたかった。
しかしそれをしたら虚言癖があると思われるんじゃないかと思って何も言わず黙っていた。
すると彼が私の肩に手を置いて話し出す。
「クラーラ。私が助けてあげようか?」
「出来るの? そんな事が」
「ああ。出来るさ。私を誰だと思っているんだい?」
「貴方……誰?」
おいおい、と彼が足元を崩してしまった。
その姿を見て面白くなり笑ってしまった。
そんな私を見て彼も笑った。
誰だか知らないけれどこの状況を打破してくれるなら助けて欲しい。
……それだけは確かな事だ。
「私はこの国の王太子の弟ヨルン・アストラだよ」
え……?
だ、…王太…子……の弟……?
驚きを隠せず思わず口元に手を当ててしまった。
「何を驚いているんだい。私と君は幼馴染じゃないか。どうしたのか話してごらん?」
笑顔で彼がそう言った。
「待ってください。今までの事は本当に申し訳なく思っております。これからはそのような事をしないようにいたしますので」
「そんなことを信用するとでも思っているのか?」
「そうですわ。貴女にはここを立ち去って貰います。これは学園長も了承されている案件なのです」
「そ、そんな……」
私の目の前に4人の男女が私の事を睨みつけている。
もう私にはここに居る資格がないのか。
そんなことを思いながら生徒会の女生徒に脇を掴まされ生徒会室を追い出されてしまった。
いきなり大ピンチ。
確かに私がやって来たことは許されることでは無い。
けれど私がやったことでは無い。これからどうすればいいのか……。
生徒会室を追い出され途方に暮れていた私に一人の男子生徒が声を掛けてきた。
「どうしたんだい? こんなところで」
知らない顔をしたイケメン男子。
どう答えていいのか分からない私を見て彼がクスクスと笑った。
「クラーラ。何かあったのか?」
私の名前を知っている!?
私は驚いて彼を見つめる。
彼はくしゃりと笑いながら私の傍に来て続けて話し出した。
「また何かやったのか? 今度は何をしたの?」
「わ、私は……何か問題を起こすような人だったのですか?」
「え……? 何を言っているんだ。君は貴族令嬢としていつも堂々として気迫があって、周囲から恐れられていたじゃないか。そんな君が一体どうしたんだい、そんな弱々しくなってしまって」
そうなんだ……以前の私はオドオドしていつも周囲の目を気にしながら生きていた。
それが転生したとたんこれだもん。
流石に凹むわよ……。
そう彼に全てを打ち明けたかった。
しかしそれをしたら虚言癖があると思われるんじゃないかと思って何も言わず黙っていた。
すると彼が私の肩に手を置いて話し出す。
「クラーラ。私が助けてあげようか?」
「出来るの? そんな事が」
「ああ。出来るさ。私を誰だと思っているんだい?」
「貴方……誰?」
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誰だか知らないけれどこの状況を打破してくれるなら助けて欲しい。
……それだけは確かな事だ。
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え……?
だ、…王太…子……の弟……?
驚きを隠せず思わず口元に手を当ててしまった。
「何を驚いているんだい。私と君は幼馴染じゃないか。どうしたのか話してごらん?」
笑顔で彼がそう言った。
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