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次の日。
私はいつも通り朝食を済ませ学校に向かっていた。
馬車から降りて門の方へ歩いているとアレックスとニコルに声を掛けられた。
「訊いたぞ、アリシアと決闘をしたそうじゃないか」
ああ、その話ね。
「大丈夫だった? 何もなかったの?」
ニコルが心配そうな顔をして私を見つめていた。
私は二人に大丈夫だということを伝えると胸をなでおろした。
そんなに心配なの? と私は思った。
「おはようございます。エリーヌ様」
「おはよう、イリエット」
「魔法対決訊きましたわ。私がいない時にアリシア様から決闘を申し込まれたとか。それでその戦いに勝ったのがエリーヌ様だということが……凄く噂になっておりましたわ」
「あら……そうなのね」
かなり噂になっていることが分かる。
イリエットも心配そうに私を見つめている。
私はイリエットにも大丈夫だと声を掛けた。
講堂に入ると私の事を見ながらコソコソ話している人たちがいた。
まぁ、無理もない。あの時も結構人が居たから。
そんなことをいちいち気にしていたらしょうがない。
私は無視して席に着いた。
私の席の前にはアレックス、ニコルが座り、私の隣にはイリエットと少し遅れてクレアが来た。
クレアも噂になっていることを私に伝えてくれた。
アリシア達も講堂に入って来て私の事を無視して前の方に座っていた。
「全くアリシアのヤツ……今日は一度話をしなければ」
「アレックスの所為じゃないだろ。むやみに刺激するとエリーヌにとばっちりが来るかもよ」
「それは……そうだな」
アレックスとニコルの話を私は黙って訊いていた。
もうあまりアリシアに関わらない方がいい。
それにあの決闘で私に申し込む人なんていないだろうし。
そして鐘が鳴り先生が講堂に入っていた。
いつもと変わらない授業を受ける。
今日は午後にはまた社交ダンスの授業もあるのだ。
あれは苦手。前の授業も旨く踊ることが出来ず恥を掻いたのを思い出して顔を赤らめてしまった。
出来れば社交界デビューだけは避けたいところだが……それは出来ないだろう。
父はこの国の宰相。何れ王族との交流もあるだろう。
あ、そう言えばこの国の王族ってどういう人なんだろう。
確か乙女ゲームでは王太子とのルートもあったような……。
そんなことを考えながら面倒くさい授業を受けていた。
魔法学は本当に必要な学問なのだろうか。
普通に使えるというわけでもなく、それに何のために魔法が存在しているのかもわからない。
そんな勉強をしていて何かに役立つとは限らない。
あ、前世の高校授業でも何で数学がいるのとか、科学の授業があるの、とか思っていたのを思い出した。
「魔法学も知識の一つとして知っておくことなのかしら……」
私は口に出して呟いた。
それを訊いたクレアがクスリと笑った。
クレアも同じことを考えているのだろうか。
お互い顔を見て笑った。
授業中の中で二人だけがクスリと笑っていたのだった。
私はいつも通り朝食を済ませ学校に向かっていた。
馬車から降りて門の方へ歩いているとアレックスとニコルに声を掛けられた。
「訊いたぞ、アリシアと決闘をしたそうじゃないか」
ああ、その話ね。
「大丈夫だった? 何もなかったの?」
ニコルが心配そうな顔をして私を見つめていた。
私は二人に大丈夫だということを伝えると胸をなでおろした。
そんなに心配なの? と私は思った。
「おはようございます。エリーヌ様」
「おはよう、イリエット」
「魔法対決訊きましたわ。私がいない時にアリシア様から決闘を申し込まれたとか。それでその戦いに勝ったのがエリーヌ様だということが……凄く噂になっておりましたわ」
「あら……そうなのね」
かなり噂になっていることが分かる。
イリエットも心配そうに私を見つめている。
私はイリエットにも大丈夫だと声を掛けた。
講堂に入ると私の事を見ながらコソコソ話している人たちがいた。
まぁ、無理もない。あの時も結構人が居たから。
そんなことをいちいち気にしていたらしょうがない。
私は無視して席に着いた。
私の席の前にはアレックス、ニコルが座り、私の隣にはイリエットと少し遅れてクレアが来た。
クレアも噂になっていることを私に伝えてくれた。
アリシア達も講堂に入って来て私の事を無視して前の方に座っていた。
「全くアリシアのヤツ……今日は一度話をしなければ」
「アレックスの所為じゃないだろ。むやみに刺激するとエリーヌにとばっちりが来るかもよ」
「それは……そうだな」
アレックスとニコルの話を私は黙って訊いていた。
もうあまりアリシアに関わらない方がいい。
それにあの決闘で私に申し込む人なんていないだろうし。
そして鐘が鳴り先生が講堂に入っていた。
いつもと変わらない授業を受ける。
今日は午後にはまた社交ダンスの授業もあるのだ。
あれは苦手。前の授業も旨く踊ることが出来ず恥を掻いたのを思い出して顔を赤らめてしまった。
出来れば社交界デビューだけは避けたいところだが……それは出来ないだろう。
父はこの国の宰相。何れ王族との交流もあるだろう。
あ、そう言えばこの国の王族ってどういう人なんだろう。
確か乙女ゲームでは王太子とのルートもあったような……。
そんなことを考えながら面倒くさい授業を受けていた。
魔法学は本当に必要な学問なのだろうか。
普通に使えるというわけでもなく、それに何のために魔法が存在しているのかもわからない。
そんな勉強をしていて何かに役立つとは限らない。
あ、前世の高校授業でも何で数学がいるのとか、科学の授業があるの、とか思っていたのを思い出した。
「魔法学も知識の一つとして知っておくことなのかしら……」
私は口に出して呟いた。
それを訊いたクレアがクスリと笑った。
クレアも同じことを考えているのだろうか。
お互い顔を見て笑った。
授業中の中で二人だけがクスリと笑っていたのだった。
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