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終章 世界の終わりと創世の伝説
209 今までニートだったんだって?僕もだよニートゥー
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僕は紹介状を手に研究職員の試験を受ける手続きを行った。
ブレイトンさんは医療機器を売っている店を回るらしい。
ペネッティは商いの匂いがすると言ってどこかに行ってしまった。
まあ、この街は文化技術レベルが異常な状態になっているので、しばらくは飽きることは無いだろう。
そして僕は手続きを済ませ、試験を受けさせてもらえることになった。
本来であれば順番待ちがあるので、数日か待たされることになる。
僕にとって時間は貴重なので、この数日が有り難い。
ふと試験会場で懐かしい気配がした。
僕はそちらへ振り返る。
誰もいない。
リプリアがいたような気がしたんだけど、気のせいだったようだ。
試験はまずペーパーテストだ。
僕を含めて二十名ほどが試験を受けている。
試験内容は・・・数学や物理の基礎だった。
この世界の学力水準だと研究職の人間でも難しいかも知れない。
でも、ぶっちゃけ高校入試に毛が生えた程度。
異界の辞典を使う必要も無く簡単に解けた。
僕は早々に答案を試験官に渡した。
途中退出はOKなのだ。
そしてしばらく別室で休憩していると、次の面接試験に呼ばれた。
面接官はエンドールだった。
彼は僕がオキスだった頃、街の運営を任せた人物だ。
間違いなくこの街の最高幹部のはずなんだけど、暇なんだろうか?
エンドールは書類を見ながら話を始めた。
「アグレト君だね。
さっきの試験は採点させてもらったよ。
満点だった。
しかもごく短時間で終わらせたようだね。」
「はい、比較的簡単な問題だったので。
ここで研究をするならあのぐらいは基礎の基礎ですよね。」
「・・・そうだね。
ヘイゲルさんの紹介状は読ませてもらったよ。
盗賊に投げたのはどんな物だったのかな?」
僕は投げた薬品の正体を正直に答えた。
さらに僕がこの街の学者に教えていない技術なども織り交ぜながら、自分は役に立つ人物だとアピールした。
「君と話していると、ついオキス様を思い出してしまうな。
偉大な人物だ。
未だに亡くなったというのが信じられない。
いや、信じてはいない。
本当は生きていて、なにか理由があって死を装ってるんじゃ無いかと思っている。」
おしい、半分正解。
でもオキスは死んでしまったので半分不正解だ。
「オキス様のことは伝聞になりますが良く耳にしています。
魔領でのことも聞きました。
そんな偉大な人物と似ていると言われるのは光栄です。」
似ているというか、ぶっちゃけ同一人物だよ。
「ぜひここで働いてもらいたい。
君の活躍には期待しているよ。」
エンドールは手を差し出してきた。
僕はその手を取り握手する。
就職内定が出た瞬間だった。
就職活動無双だった。
ブレイトンさんは医療機器を売っている店を回るらしい。
ペネッティは商いの匂いがすると言ってどこかに行ってしまった。
まあ、この街は文化技術レベルが異常な状態になっているので、しばらくは飽きることは無いだろう。
そして僕は手続きを済ませ、試験を受けさせてもらえることになった。
本来であれば順番待ちがあるので、数日か待たされることになる。
僕にとって時間は貴重なので、この数日が有り難い。
ふと試験会場で懐かしい気配がした。
僕はそちらへ振り返る。
誰もいない。
リプリアがいたような気がしたんだけど、気のせいだったようだ。
試験はまずペーパーテストだ。
僕を含めて二十名ほどが試験を受けている。
試験内容は・・・数学や物理の基礎だった。
この世界の学力水準だと研究職の人間でも難しいかも知れない。
でも、ぶっちゃけ高校入試に毛が生えた程度。
異界の辞典を使う必要も無く簡単に解けた。
僕は早々に答案を試験官に渡した。
途中退出はOKなのだ。
そしてしばらく別室で休憩していると、次の面接試験に呼ばれた。
面接官はエンドールだった。
彼は僕がオキスだった頃、街の運営を任せた人物だ。
間違いなくこの街の最高幹部のはずなんだけど、暇なんだろうか?
エンドールは書類を見ながら話を始めた。
「アグレト君だね。
さっきの試験は採点させてもらったよ。
満点だった。
しかもごく短時間で終わらせたようだね。」
「はい、比較的簡単な問題だったので。
ここで研究をするならあのぐらいは基礎の基礎ですよね。」
「・・・そうだね。
ヘイゲルさんの紹介状は読ませてもらったよ。
盗賊に投げたのはどんな物だったのかな?」
僕は投げた薬品の正体を正直に答えた。
さらに僕がこの街の学者に教えていない技術なども織り交ぜながら、自分は役に立つ人物だとアピールした。
「君と話していると、ついオキス様を思い出してしまうな。
偉大な人物だ。
未だに亡くなったというのが信じられない。
いや、信じてはいない。
本当は生きていて、なにか理由があって死を装ってるんじゃ無いかと思っている。」
おしい、半分正解。
でもオキスは死んでしまったので半分不正解だ。
「オキス様のことは伝聞になりますが良く耳にしています。
魔領でのことも聞きました。
そんな偉大な人物と似ていると言われるのは光栄です。」
似ているというか、ぶっちゃけ同一人物だよ。
「ぜひここで働いてもらいたい。
君の活躍には期待しているよ。」
エンドールは手を差し出してきた。
僕はその手を取り握手する。
就職内定が出た瞬間だった。
就職活動無双だった。
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