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7章 次への引き継ぎと暗躍の者達
199 血栓ができそうな決戦
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帝国軍との会議は無事終了し、決戦の日取りも決まった。
会議に出席しなかったので、私がギスケと会うことは無かった。
作戦の内容は単純だ。
魔領軍と帝国軍が連携して戦うのは事実上不可能なので、タイミングを合わせてエンプティモ周辺のクルセイダーズを挟撃するだけだ。
通信機もあるのでタイミングは問題ない。
そして会議で議題に上った内容に、神鳥の件があった。
ついに一匹確認されたのだ。
正直、魔法が完全無効化される相手とは戦いたくない。
魔法を間接的に使用しての物理攻撃すら無効にしてしまうトンデモ能力らしい。
そんな無茶苦茶な鳥の相手は本当に御免被りたい。
神鳥は帝国軍が銃器をもって処理に当たることになっている。
彼の残した武器なら何とかなるだろう。
神を狩るために、アストレイアが彼を召喚して作らせたのだから。
そして決戦が始まる。
エンプティモ周辺に広がる農業地帯と森、それほど高くは無い丘。
大部隊が展開しても問題ない程度の広さがある。
多少の雲はあるけれど、晴天と言って良い天気だ。
敵兵力は推定三十万。
今回投入される帝国軍は三十五万、魔領軍十万。
魔領軍は念のため予備兵力は残してある状態だ。
帝国軍も周辺に予備兵力がある。
今回の戦いは三十万対四十五万、数では圧倒的にこちらが優勢だ。
そして魔神ギスケの魔法陣と私の永劫の回帰、そして彼の残した神狩りの武器。
ルディンは未だ何か考え込んでいるけれど、これだけ揃えれば勝てるはずだ。
タイミングを合わせ戦闘が始まる。
クルセイダーズも帝国軍と魔領軍に対抗するため、大きく部隊を二つに分けている。
そしてこちらに割かれた戦力は推定八万。
数では上回った。
まずこちらの魔術師部隊が相手の足場を崩すため、爆発力の高い広域魔法を撃ち込んでいく。
陣形が崩れたところにゴブリンが弓を撃ち込んでいく。
そこへ騎士を先頭にしつつ、さらにオークの部隊が突撃していく。
遅れてオーガ部隊が続く。
コボルトを主力とした部隊は機動力を生かし側面へ回り込んでいく。
いきなりこちらの思惑通り、優勢の状況でスタートした。
私は永劫の回帰の使用に備えて、適度にセーブポイントを設けていく。
さらに精密攻撃による魔法支援を行う。
さすがに敵の神の残滓の力は強力で、それなりの損耗はしているものの、こちらが圧している状況に変化は無い。
勝った。
私はそう思った。
『アリス姉ちゃん、いったん兵を下げて。
予定より前に出すぎているよ。』
状況はこちらの圧倒的優勢だ。
このまま押し切れば間違いなく勝つだろう。
私はその必要は無いと、そのまま進軍させた。
それが間違いだった。
突然地面が揺れる。
そして地中から飛び出してきたのはゴーレムだった。
ゴーレムが出現したのは私の回りだけでは無い。
至る所で現れ、そして魔領軍を凄まじい力で粉砕していく。
唐突に出現したゴーレムによって混乱する味方達。
私の回りに出現したゴーレムは、精鋭の騎士達によって何とか討伐されていく。
しかしかなりの被害が出る。
私も地面を狙った間接攻撃で足止めに協力するものの、状況は最悪だった。
私は永劫の回帰を発動させる。
ゴーレム出現前に時間を戻した。
巻き戻し無双中。
会議に出席しなかったので、私がギスケと会うことは無かった。
作戦の内容は単純だ。
魔領軍と帝国軍が連携して戦うのは事実上不可能なので、タイミングを合わせてエンプティモ周辺のクルセイダーズを挟撃するだけだ。
通信機もあるのでタイミングは問題ない。
そして会議で議題に上った内容に、神鳥の件があった。
ついに一匹確認されたのだ。
正直、魔法が完全無効化される相手とは戦いたくない。
魔法を間接的に使用しての物理攻撃すら無効にしてしまうトンデモ能力らしい。
そんな無茶苦茶な鳥の相手は本当に御免被りたい。
神鳥は帝国軍が銃器をもって処理に当たることになっている。
彼の残した武器なら何とかなるだろう。
神を狩るために、アストレイアが彼を召喚して作らせたのだから。
そして決戦が始まる。
エンプティモ周辺に広がる農業地帯と森、それほど高くは無い丘。
大部隊が展開しても問題ない程度の広さがある。
多少の雲はあるけれど、晴天と言って良い天気だ。
敵兵力は推定三十万。
今回投入される帝国軍は三十五万、魔領軍十万。
魔領軍は念のため予備兵力は残してある状態だ。
帝国軍も周辺に予備兵力がある。
今回の戦いは三十万対四十五万、数では圧倒的にこちらが優勢だ。
そして魔神ギスケの魔法陣と私の永劫の回帰、そして彼の残した神狩りの武器。
ルディンは未だ何か考え込んでいるけれど、これだけ揃えれば勝てるはずだ。
タイミングを合わせ戦闘が始まる。
クルセイダーズも帝国軍と魔領軍に対抗するため、大きく部隊を二つに分けている。
そしてこちらに割かれた戦力は推定八万。
数では上回った。
まずこちらの魔術師部隊が相手の足場を崩すため、爆発力の高い広域魔法を撃ち込んでいく。
陣形が崩れたところにゴブリンが弓を撃ち込んでいく。
そこへ騎士を先頭にしつつ、さらにオークの部隊が突撃していく。
遅れてオーガ部隊が続く。
コボルトを主力とした部隊は機動力を生かし側面へ回り込んでいく。
いきなりこちらの思惑通り、優勢の状況でスタートした。
私は永劫の回帰の使用に備えて、適度にセーブポイントを設けていく。
さらに精密攻撃による魔法支援を行う。
さすがに敵の神の残滓の力は強力で、それなりの損耗はしているものの、こちらが圧している状況に変化は無い。
勝った。
私はそう思った。
『アリス姉ちゃん、いったん兵を下げて。
予定より前に出すぎているよ。』
状況はこちらの圧倒的優勢だ。
このまま押し切れば間違いなく勝つだろう。
私はその必要は無いと、そのまま進軍させた。
それが間違いだった。
突然地面が揺れる。
そして地中から飛び出してきたのはゴーレムだった。
ゴーレムが出現したのは私の回りだけでは無い。
至る所で現れ、そして魔領軍を凄まじい力で粉砕していく。
唐突に出現したゴーレムによって混乱する味方達。
私の回りに出現したゴーレムは、精鋭の騎士達によって何とか討伐されていく。
しかしかなりの被害が出る。
私も地面を狙った間接攻撃で足止めに協力するものの、状況は最悪だった。
私は永劫の回帰を発動させる。
ゴーレム出現前に時間を戻した。
巻き戻し無双中。
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