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6章 魔王の息子と最後の無双
171 アサシンに狙われたら朝死んでたりして
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「そう易々と依頼人を話せると思うのか?」
覆面は言った。
「やっぱりダメですか。
まあ、そうですよね。
契約とか信用問題とか。」
殺されても話さないというのがお約束かな。
「違うな。
依頼人が誰か分からないんだ。
ギルド経由で受けた仕事の前金が渡されて、仕事が終わったら残りをもらうんだ。
個別の事情など知ったことじゃない。」
「ギルド?」
「アサシンギルドだ。
知らないのか?」
「そんなギルドがあるんですか。
物騒ですね。
一つ忠告しておくと、そんなギルドからは足を洗った方が良いですよ。
あなた方は弱すぎます。」
「っく、弱すぎか・・・。
今まで一度もしくじった事なんて無かったのに。
これでもギルドでは上位のパーティーなんだがな。」
これで上位とは。
そのアサシンギルドは大丈夫だろうか?
「まあ、依頼主は分からないなら仕方がありません。
魔力を少し回復してもらったので襲ってきた件は不問と言うことで。」
「魔力を回復?」
「さっきの光魔法はあなたですよね。
この前、強力な魔法を使った関係で僕の残り魔力がじり貧だったんですよ。
あの光魔法を吸収したおかげで最終的に5%ぐらい回復しました。
ごちそうさまです。
あと、弱いと言いましたが、気配の消し方は見事でしたよ。」
「・・・馬鹿な。
魔力吸収・・・だから魔法が全く効かなかったのか。
剣も達人クラスじゃ、敵う道理も無い。」
「剣は僕の仲間に比べれば、まだまだ下ですよ。
それに魔法剣も使ってないし、切り札のこの賢者の杖も未使用です。」
「・・・一体何者なんだ?」
言われて答えに詰まる。
なんと答えるべきだろう?
通りがかりの魔術師、魔法剣士、先代魔王の息子、先代勇者の息子、勇者の仲間、遺跡街の責任者・・・。
よくよく考えてみると、色々な肩書きが名乗れるかも知れない。
称号切り替えでステータスが変わったりしそうだ。
「自分でも一体何者なのか答えにくいですね。
一番分かりやすいのは先代魔王の息子かな。」
覆面が突然覆面で無くなった。
覆面を脱いだのだ。
「私を供に付けてください。
何でもします。
お願いです。」
金髪の美少女だった。
覆面を付けて話し方を変えていたようだ。
「お断りします。」
この展開はマズい。
「あなたに比べれば弱いかも知れませんが、これでも魔領では騎士達と張れる実力はあります。
捨て駒でも構いません。
どうか、私をお供に付けてください。」
頭を下げて頼み込む金髪美少女。
マズい、変なフラグが立つ。
ギスケのような状況はゴメンだ。
「ダメ。」
それだけ言い残して、僕は一目散に逃げ出した。
弱いとか言ってしまったけれど、考えてみると結構実力はあったのかも知れない。
僕を罠にかけて動きを封じ、的確に攻撃してきた。
駄目押しに光のシャワーによる、周囲を吹き飛ばす範囲攻撃。
しかしジキルならそもそも全部躱すだろうし、パメラなら罠を逆用して攻めるだろう。
カシムは問答無用で全部破壊して突撃だ。
僕はふと首をかしげた。
何かおかしい。
仲間達が強いとは思っていたけれど、強さのレベルがおかしくないだろうか?
この前も魔領の精鋭騎士達を瞬殺してしまった。
あれを見て仲間が強いとは思ったけれど、同時に相手が弱いとも思った。
もしかして僕達の強さが異常なのか?
今回の相手も強かったのでは?
あれ?
いつから本当に無双していた?
無双できるといいなとか、あれ実は無理を承知で冗談で言ってたんだよ。
本当に無双していたことに今気がついた。
覆面は言った。
「やっぱりダメですか。
まあ、そうですよね。
契約とか信用問題とか。」
殺されても話さないというのがお約束かな。
「違うな。
依頼人が誰か分からないんだ。
ギルド経由で受けた仕事の前金が渡されて、仕事が終わったら残りをもらうんだ。
個別の事情など知ったことじゃない。」
「ギルド?」
「アサシンギルドだ。
知らないのか?」
「そんなギルドがあるんですか。
物騒ですね。
一つ忠告しておくと、そんなギルドからは足を洗った方が良いですよ。
あなた方は弱すぎます。」
「っく、弱すぎか・・・。
今まで一度もしくじった事なんて無かったのに。
これでもギルドでは上位のパーティーなんだがな。」
これで上位とは。
そのアサシンギルドは大丈夫だろうか?
「まあ、依頼主は分からないなら仕方がありません。
魔力を少し回復してもらったので襲ってきた件は不問と言うことで。」
「魔力を回復?」
「さっきの光魔法はあなたですよね。
この前、強力な魔法を使った関係で僕の残り魔力がじり貧だったんですよ。
あの光魔法を吸収したおかげで最終的に5%ぐらい回復しました。
ごちそうさまです。
あと、弱いと言いましたが、気配の消し方は見事でしたよ。」
「・・・馬鹿な。
魔力吸収・・・だから魔法が全く効かなかったのか。
剣も達人クラスじゃ、敵う道理も無い。」
「剣は僕の仲間に比べれば、まだまだ下ですよ。
それに魔法剣も使ってないし、切り札のこの賢者の杖も未使用です。」
「・・・一体何者なんだ?」
言われて答えに詰まる。
なんと答えるべきだろう?
通りがかりの魔術師、魔法剣士、先代魔王の息子、先代勇者の息子、勇者の仲間、遺跡街の責任者・・・。
よくよく考えてみると、色々な肩書きが名乗れるかも知れない。
称号切り替えでステータスが変わったりしそうだ。
「自分でも一体何者なのか答えにくいですね。
一番分かりやすいのは先代魔王の息子かな。」
覆面が突然覆面で無くなった。
覆面を脱いだのだ。
「私を供に付けてください。
何でもします。
お願いです。」
金髪の美少女だった。
覆面を付けて話し方を変えていたようだ。
「お断りします。」
この展開はマズい。
「あなたに比べれば弱いかも知れませんが、これでも魔領では騎士達と張れる実力はあります。
捨て駒でも構いません。
どうか、私をお供に付けてください。」
頭を下げて頼み込む金髪美少女。
マズい、変なフラグが立つ。
ギスケのような状況はゴメンだ。
「ダメ。」
それだけ言い残して、僕は一目散に逃げ出した。
弱いとか言ってしまったけれど、考えてみると結構実力はあったのかも知れない。
僕を罠にかけて動きを封じ、的確に攻撃してきた。
駄目押しに光のシャワーによる、周囲を吹き飛ばす範囲攻撃。
しかしジキルならそもそも全部躱すだろうし、パメラなら罠を逆用して攻めるだろう。
カシムは問答無用で全部破壊して突撃だ。
僕はふと首をかしげた。
何かおかしい。
仲間達が強いとは思っていたけれど、強さのレベルがおかしくないだろうか?
この前も魔領の精鋭騎士達を瞬殺してしまった。
あれを見て仲間が強いとは思ったけれど、同時に相手が弱いとも思った。
もしかして僕達の強さが異常なのか?
今回の相手も強かったのでは?
あれ?
いつから本当に無双していた?
無双できるといいなとか、あれ実は無理を承知で冗談で言ってたんだよ。
本当に無双していたことに今気がついた。
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