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6章 魔王の息子と最後の無双

157 ゴーレムが再びレッツゴー

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 出兵の準備で帝国首都トレンテが慌ただしくなる。
 ただ、あまり不安な雰囲気は無いようだ。
 ギスケが常勝していた故の安心感だろう。

 僕は悪徳商人ペネッティとブレイトンさんに関するところで、必要な人に指示は出しておいた。
 完全に人任せになってしまうが仕方が無い。

 遺跡街レイネスからの追加の武器に関する指示も出した。
 念のためリプリアにエンプティモ周辺からフェイベル王国にかけての情報収集も指示する。 
 クルセイダーズは何をやらかすか全く読めない。

 そして師匠とも連絡を取る。
 ブリデイン王国でも色々と問題が起こっていたようだ。
 まず、神魔砲が吹っ飛んだ神聖区の再建のため、教会が物資の搬入を行うと言ってきたらしい。
 もちろん師匠は許可を出したのだが、不自然な積み荷があったようだ。
 それを師匠が直属の騎士を伴い直接調べに行ったら、なんと積み荷がゴーレムだった。
 僕が以前に戦った魔法が効かない奴だ。

 師匠は魔法を一発ぶっ放して、魔法が効かないことを確認すると、騎士達に攻撃させた。
 精鋭だけあって多少のダメージは与えられるもの、さすがに堅すぎて有効打にならず。
 そして師匠は地面に穴を開ける。
 魔法による直接攻撃が効かないので、足下を崩したのだ。
 ハマるゴーレム。
 そして上から瓦礫を落として完封した。
 あとは騎士達がちくちくダメージを与えてぶっ壊したらしい。
 まあゴーレムがいかに強いとは言っても、単騎だったらそうなるよね。

 その後、師匠は教会関係者を拘束。
 すると発生するテロ事件。
 神の残滓を使うテロリスト。
 実行犯の経歴を確認すると、パン屋だったり大工だったり、なんで神の残滓が使えるのか分からない人達ばっかりだという。
 共通するのは教会に熱心に通っていたことぐらいだ。
 そして大規模な摘発が行われることになった。
 さらにブリデイン王国とフェイベル王国の国境が閉鎖され、緊張が高まる事態に。

 あっちはあっちで色々とマズいことになっているようだ。
 現時点でリーフの所在がさっぱり分からなくなってしまったし、教会やクルセイダーズの情報がさっぱり入ってこない。
 考えてみるとエンプティモには教会の中では特別な意味を持つ大聖堂がある。
 色々起きている事件に絡んでいる関係者がいる可能性も捨てきれない。

 魔族の四天王グレドキープと十万の仲間達と戦っている間に、その他の情勢がひっくり返ってそうで怖い。
 ケルガナーダ公国だけはチート魔神のギスケが参戦するから問題は無いだろうけど。
 とにかくできる限り早く終わらせないと。

 追加発注した武器に関しては、帝国の協力で最優先で運んでもらえることになっている。
 敵がグラビデン砦に到着するまでに約四日。
 ここからグラビデン砦まで距離があるので、援軍の騎兵が到着するタイミングが開戦後になってしまう。
 歩兵の到着はさらにその後だ。
 さっき頼んだ追加の武器は、さらに遅れて到着する。

 まとめると、開戦時点では敵十万、味方三万八千。
 味方は少し遅れて五千、さらに遅れて歩兵が三万追加される。
 うちの武器が届くのも歩兵と同じぐらいのタイミングだ。
 追加発注の武器はもっと遅れるので、戦闘が長期化したときに役に立つかどうかだ。
 
 防衛戦と言うことを考えると数が劣っていてもそこまで不利とは言えない。
 問題は初っぱなで押し切られる可能性だ。
 帝国には魔領との間に多重に砦を設けているので、一回敗戦した程度でいきなり巻き返し不可能にはならない。
 作戦を立案している宮廷魔術師のエルシアも、万が一負けた場合の対策を考えているはずだ。

 さすがに十万規模の敵と戦うと思うと、つい負けた後のことばかり考えてしまう。
 そろそろ思考を切り替えて勝つイメージを持たないと。
 とにかく出来ることはしておこう。




 


 ちょっとビビりが入って無双イメージが持てない。
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