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5章 希望の家と集う仲間
119 変態が編隊を組んでやってきた
しおりを挟む ブリゲアンには色々と聞きたいことがあったのだけれど、それは後回しにした。
僕は魔族の幹部達に会うために、魔物の軍勢の中に赴いた。
立場的には呼びつけても良いのかも知れないのだけれど、指揮を離れた魔物達が何かやらかすと困るので僕が行くことにしたのだ。
他のメンバーは付いてこようとしたけれど、お留守番してもらった。
「ここに来たと言うことは、僕に協力してくれるということなのかな?」
先代魔王の息子を名乗る不埒ものを殺しに来たとかだったら非常に困る。
魔族の幹部達は見ただけで分かるほどに強者のオーラを出していた。
ブリゲアンは実力を見せないふざけた感じなのだが、今回会った四人は直接的に凄い力を感じる。
それぞれマルゲル、マレナーラ、クアトロ、ペスカトールと名乗った。
「我々はアストレイア様より、時期が来るまで待てと命(めい)を受けておりました。
そして魔族は力を持つ方を主と仰ぐもの。」
四人の中で最も体が大きく、頭に大きな角を一本生やしたクアトロがそう言った。
「つまり力を示せと言うことだね。」
僕は答える。
「御意。」
僕は今、ゴブリンやオークなどの魔物の軍勢に囲まれている状態だ。
はてさて、どうやって力を示すか。
ここはチートテクノロジーでは無く、魔王種としての力を示すべきだろう。
僕は賢者の杖で強化した魔術回路を編む。
さらにルディンの補助で増幅回路を追加する。
「精神魔法、虚無。」
僕は四人全員に最大出力で久々の精神魔法をかけた。
「・・・。」
みんな無反応だ。
効いてない?
失敗したかと思ったその時、四人全員が突然ひれ伏した。
「うぉぉぉ、突き抜けましたぞ。
心にアストレイア様を感じ申した。
仕置きを受けたあの時と同じ感覚!」
うちの母は、罰として精神魔法を食らわせていたのか。
酷い事をする。
僕も人のことは言えないけれど。
「心を握りつぶされ消えそうになるこの感覚、素晴らしい、素晴らしいですぞ。」
喜んでる・・・。
四人とも凄い嬉しそうだ。
こいつ等、変態だ。
僕はブリゲアンの方をチラッと見る。
目を逸らした。
変態を連れて来たな。
変態なのは置いておくとして、さすが魔族の幹部クラスになると、僕の全力の精神魔法が効いているんだかいないんだか分からない状態だ。
たぶんその辺の魔物なら即死級のはずなんだけどなあ。
「オキス様、先に申し上げておくことがございます。」
黒い鎧装備でフル武装しているペスカトールが話し始めた。
精神魔法のダメージが残っている気配がみじんも無い。
「聞こう。」
僕が答える。
「既に予想が付いていらっしゃるでしょうが、アストレイア様を弑逆(しいぎゃく)奉ったのはグレバーン様でございます。
力の支配は魔族の掟、それに異はございません。
しかしより適正な資質を持つお方を仰ぐとなれば話は別。
オキス様がお望みとあらば、我々は魔王に反旗を翻しましょう。」
やっぱり叔父さんが犯人確定か。
理由は本人から聞いた方が良いのかな。
「僕のこれからの計画だと魔族全体を束ねないといけないから、協力はしてもらうよ。」
神と戦う前にゴタゴタは片付けたい。
「魔王の玉座をお望みとあらば、必ず。」
魔王になると言ったつもりは無かったんだけど、そういうことになるのか。
まあ、やるしか無いんだろうな。
問題は避難させた住民にどう説明するか。
頭の痛いところだ。
変態無双だった。
僕は魔族の幹部達に会うために、魔物の軍勢の中に赴いた。
立場的には呼びつけても良いのかも知れないのだけれど、指揮を離れた魔物達が何かやらかすと困るので僕が行くことにしたのだ。
他のメンバーは付いてこようとしたけれど、お留守番してもらった。
「ここに来たと言うことは、僕に協力してくれるということなのかな?」
先代魔王の息子を名乗る不埒ものを殺しに来たとかだったら非常に困る。
魔族の幹部達は見ただけで分かるほどに強者のオーラを出していた。
ブリゲアンは実力を見せないふざけた感じなのだが、今回会った四人は直接的に凄い力を感じる。
それぞれマルゲル、マレナーラ、クアトロ、ペスカトールと名乗った。
「我々はアストレイア様より、時期が来るまで待てと命(めい)を受けておりました。
そして魔族は力を持つ方を主と仰ぐもの。」
四人の中で最も体が大きく、頭に大きな角を一本生やしたクアトロがそう言った。
「つまり力を示せと言うことだね。」
僕は答える。
「御意。」
僕は今、ゴブリンやオークなどの魔物の軍勢に囲まれている状態だ。
はてさて、どうやって力を示すか。
ここはチートテクノロジーでは無く、魔王種としての力を示すべきだろう。
僕は賢者の杖で強化した魔術回路を編む。
さらにルディンの補助で増幅回路を追加する。
「精神魔法、虚無。」
僕は四人全員に最大出力で久々の精神魔法をかけた。
「・・・。」
みんな無反応だ。
効いてない?
失敗したかと思ったその時、四人全員が突然ひれ伏した。
「うぉぉぉ、突き抜けましたぞ。
心にアストレイア様を感じ申した。
仕置きを受けたあの時と同じ感覚!」
うちの母は、罰として精神魔法を食らわせていたのか。
酷い事をする。
僕も人のことは言えないけれど。
「心を握りつぶされ消えそうになるこの感覚、素晴らしい、素晴らしいですぞ。」
喜んでる・・・。
四人とも凄い嬉しそうだ。
こいつ等、変態だ。
僕はブリゲアンの方をチラッと見る。
目を逸らした。
変態を連れて来たな。
変態なのは置いておくとして、さすが魔族の幹部クラスになると、僕の全力の精神魔法が効いているんだかいないんだか分からない状態だ。
たぶんその辺の魔物なら即死級のはずなんだけどなあ。
「オキス様、先に申し上げておくことがございます。」
黒い鎧装備でフル武装しているペスカトールが話し始めた。
精神魔法のダメージが残っている気配がみじんも無い。
「聞こう。」
僕が答える。
「既に予想が付いていらっしゃるでしょうが、アストレイア様を弑逆(しいぎゃく)奉ったのはグレバーン様でございます。
力の支配は魔族の掟、それに異はございません。
しかしより適正な資質を持つお方を仰ぐとなれば話は別。
オキス様がお望みとあらば、我々は魔王に反旗を翻しましょう。」
やっぱり叔父さんが犯人確定か。
理由は本人から聞いた方が良いのかな。
「僕のこれからの計画だと魔族全体を束ねないといけないから、協力はしてもらうよ。」
神と戦う前にゴタゴタは片付けたい。
「魔王の玉座をお望みとあらば、必ず。」
魔王になると言ったつもりは無かったんだけど、そういうことになるのか。
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変態無双だった。
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