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1章 幼き魂と賢者の杖
7 道無き道の未知との遭遇
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「痛えよ。畜生。」
「我慢してください。もうすぐ終わります。」
「水を・・・。」
いろいろな音やうめき声、話し声が聞こえる。
僕は目を覚ました。
周りを見ると、たくさんの人が地べたに寝かされている。
隣にいる男は、止血に使われたであろう布を腹に巻かれて横たわっている。
視界にまた炎が見えたので身構えてしまった。
篝火(かがりび)が灯されているだけで、火事が起きているわけではなさそうだ。
状況を判断すると、どうやら救助されたと考えるべきか。
「大変だったわね。どこか痛いところは無い?」
人間の・・・女性。
栗色の髪のショートカット、年齢は15前後かな。
修道服らしいものを着ている。
ついに人間とのファーストコンタクト。
最初に出会った人間は死体で話ができなかったのでカウントしていない。
ここで未知との遭遇だ。
「言葉は分かる?」
観察しすぎた。
何も答えないでいると、心配そうに訪ねてきた。
「大丈夫。ここはどこ?」
「エイデ砦の中よ。宿場町の方は・・・もう駄目みたいね。」
地理が全く把握できていないので、状況がいまいちつかめない。
「お名前はなんて言うの?」
正直に答えるべきか考えたが、どっちみち真名では無いので名乗ることにした。
「オキス」
「そう、オキス君ね。これ飲める?」
水の入った木の器を僕の口まで持ってきた。
飲む、そして一息ついた。
「まだ寝ていた方が良いわ。何かあったら言ってね。」
くすんだ茶髪のショートカットは他の人の面倒を見に行ったようだ。
名前を聞いていないが、この状況を考えるとそれどころでは無いのだろう。
数にしてざっと50人ぐらいだろうか、ここに寝かされている。
火傷を水で冷やしたり、傷を布で止血したりしている。
この世界には回復魔法というのが存在するはずなのに、使っている気配は無い。
僕?もちろん使えるよ。
打ち身の緩和ぐらいなら。
体がうまく動かないので、仰向けになる。
天井は無い。
よく見ると星が見える。
色々と命の危険があった一日だったが、何とか明日を迎えられそうだ。
いつか回復魔法で復活無双できるといいな。
「我慢してください。もうすぐ終わります。」
「水を・・・。」
いろいろな音やうめき声、話し声が聞こえる。
僕は目を覚ました。
周りを見ると、たくさんの人が地べたに寝かされている。
隣にいる男は、止血に使われたであろう布を腹に巻かれて横たわっている。
視界にまた炎が見えたので身構えてしまった。
篝火(かがりび)が灯されているだけで、火事が起きているわけではなさそうだ。
状況を判断すると、どうやら救助されたと考えるべきか。
「大変だったわね。どこか痛いところは無い?」
人間の・・・女性。
栗色の髪のショートカット、年齢は15前後かな。
修道服らしいものを着ている。
ついに人間とのファーストコンタクト。
最初に出会った人間は死体で話ができなかったのでカウントしていない。
ここで未知との遭遇だ。
「言葉は分かる?」
観察しすぎた。
何も答えないでいると、心配そうに訪ねてきた。
「大丈夫。ここはどこ?」
「エイデ砦の中よ。宿場町の方は・・・もう駄目みたいね。」
地理が全く把握できていないので、状況がいまいちつかめない。
「お名前はなんて言うの?」
正直に答えるべきか考えたが、どっちみち真名では無いので名乗ることにした。
「オキス」
「そう、オキス君ね。これ飲める?」
水の入った木の器を僕の口まで持ってきた。
飲む、そして一息ついた。
「まだ寝ていた方が良いわ。何かあったら言ってね。」
くすんだ茶髪のショートカットは他の人の面倒を見に行ったようだ。
名前を聞いていないが、この状況を考えるとそれどころでは無いのだろう。
数にしてざっと50人ぐらいだろうか、ここに寝かされている。
火傷を水で冷やしたり、傷を布で止血したりしている。
この世界には回復魔法というのが存在するはずなのに、使っている気配は無い。
僕?もちろん使えるよ。
打ち身の緩和ぐらいなら。
体がうまく動かないので、仰向けになる。
天井は無い。
よく見ると星が見える。
色々と命の危険があった一日だったが、何とか明日を迎えられそうだ。
いつか回復魔法で復活無双できるといいな。
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