1 / 5
序
しおりを挟む*
「はい、ご心配なく……
では、失礼します。」
青木さんには、あまり詳しいことは話さず、とにかく今夜は美幸さんをうちに泊めるということだけを伝えた。
当の美幸さんはかなり本格的に熟睡されてて、電話をかけてる間もソファの上で眠りこけたまま。
私は、その間に客間に布団を敷き、美幸さんの肩を叩いた。
「美幸さん、あっちに行きましょう。」
「う…うん…」
よろよろされながらもなんとか歩いて下さって、布団に寝かせるとそのまままた静かになった。
*
(それにしても、美幸さんの落ちこみようは酷かったなぁ…)
美幸さんは起きられる様子がなかったので、お風呂にお誘いするのはやめておいた。
明日の朝にでも入っていただけば良い。
お風呂の中で、さっきの会話を思い出しながら、どうしたものかと私は考えた。
やっぱり、KEN-Gさんにはお話しといた方が良いだろう。
KEN-Gさんなら、シュウさんと直接話すことも出来るだろうし、それとなく聞いてもらえるんじゃないかしら?
それにしても、純平さんがあんな露骨なことをおっしゃるなんて、ちょっと信じられない。
美幸さんと純平さんは、傍目にも気が合ってるように見えたのに……
あ…そういえば、私も純平さんの名刺はもらってたんだ。
連絡して訊いてみたいけど…でも、私が突然電話なんてかけたら驚かれるわね。
それに、言いにくいことだし……
お風呂から上がって、リビングで寛いでいると、携帯の着信音が鳴った。
それは、美幸さんのバッグの中から……
もしかしたら、青木さん…!?
申し訳なかったけど、バッグを開けて美幸さんのスマホを取り出した。
そこに表示されてたのは、「純平くん」の文字。
「は、はいっ!」
私は反射的に受話ボタンを押してしまった。
「……あれ?これって……」
「は、はい、みゆ…ひかりさんのスマホです。」
「え……?あの…あなたは?」
「美咲です。」
「あぁ、美咲さん。あれっ?ひかりちゃんは?」
私は手短に今の状況を話した。
「そうだったんですか。それでさっきも出てくれなかったんですね。
じゃあ、また掛け直します。」
「ま、待って下さい!」
「え…?」
「純平さんにお訊ねしたいことがあるんです!」
「はい、ご心配なく……
では、失礼します。」
青木さんには、あまり詳しいことは話さず、とにかく今夜は美幸さんをうちに泊めるということだけを伝えた。
当の美幸さんはかなり本格的に熟睡されてて、電話をかけてる間もソファの上で眠りこけたまま。
私は、その間に客間に布団を敷き、美幸さんの肩を叩いた。
「美幸さん、あっちに行きましょう。」
「う…うん…」
よろよろされながらもなんとか歩いて下さって、布団に寝かせるとそのまままた静かになった。
*
(それにしても、美幸さんの落ちこみようは酷かったなぁ…)
美幸さんは起きられる様子がなかったので、お風呂にお誘いするのはやめておいた。
明日の朝にでも入っていただけば良い。
お風呂の中で、さっきの会話を思い出しながら、どうしたものかと私は考えた。
やっぱり、KEN-Gさんにはお話しといた方が良いだろう。
KEN-Gさんなら、シュウさんと直接話すことも出来るだろうし、それとなく聞いてもらえるんじゃないかしら?
それにしても、純平さんがあんな露骨なことをおっしゃるなんて、ちょっと信じられない。
美幸さんと純平さんは、傍目にも気が合ってるように見えたのに……
あ…そういえば、私も純平さんの名刺はもらってたんだ。
連絡して訊いてみたいけど…でも、私が突然電話なんてかけたら驚かれるわね。
それに、言いにくいことだし……
お風呂から上がって、リビングで寛いでいると、携帯の着信音が鳴った。
それは、美幸さんのバッグの中から……
もしかしたら、青木さん…!?
申し訳なかったけど、バッグを開けて美幸さんのスマホを取り出した。
そこに表示されてたのは、「純平くん」の文字。
「は、はいっ!」
私は反射的に受話ボタンを押してしまった。
「……あれ?これって……」
「は、はい、みゆ…ひかりさんのスマホです。」
「え……?あの…あなたは?」
「美咲です。」
「あぁ、美咲さん。あれっ?ひかりちゃんは?」
私は手短に今の状況を話した。
「そうだったんですか。それでさっきも出てくれなかったんですね。
じゃあ、また掛け直します。」
「ま、待って下さい!」
「え…?」
「純平さんにお訊ねしたいことがあるんです!」
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説

鬼の桃姫
井田いづ
歴史・時代
これはむかしむかしの物語。鬼の頭領である桃姫は日々"狩り"をしながら平和に島を治めていた。ある日のこと、鬼退治を掲げた人間が島に攻め入って来たとの知らせが入る。桃姫の夢と城が崩れ始めた────。
+++++++++++++++++
当作品は『桃太郎』『吉備津彦命の温羅退治』をベースに創作しています。

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。
江戸の櫛
春想亭 桜木春緒
歴史・時代
奥村仁一郎は、殺された父の仇を討つこととなった。目指す仇は幼なじみの高野孝輔。孝輔の妻は、密かに想いを寄せていた静代だった。(舞台は架空の土地)短編。完結済。第8回歴史・時代小説大賞奨励賞。
拾われ子だって、姫なのです!
田古みゆう
歴史・時代
南蛮人、南蛮人って。わたくしはれっきとした倭人よ!
お江戸の町で与力をしている井上正道と、部下の高山小十郎は、二人の赤子をそれぞれ引き取り、千代と太郎と名付け育てることに。
月日は流れ、二人の赤子はすくすくと成長した。見目麗しい姿と珍しい青眼を持つため、周囲からは奇異の眼で見られる。こそこそと噂をされるたび、千代は自分は一体何者なのだろうかと、自身の出自について悩んでいた。唯一同じ青眼を持つ太郎と悩みを分かち合おうにも、何かを知っていそうな太郎はあまり多くを語らない。それがまた千代を悶々とさせていた。
そんな千代を周囲の者は遠巻きに見ながらも、その麗しさに心奪われる者は多く、やがて年頃の千代にも縁談話が持ち上がる。
しかし、当の千代はそんなことには興味がなく。寄ってくる男を、口八丁手八丁で退けてばかり。
果たして勝気な姫様の心を射止める者が、このお江戸にいるのかっ!?
痛快求婚譚、これよりはじまりはじまり〜♪
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

【新訳】帝国の海~大日本帝国海軍よ、世界に平和をもたらせ!第一部
山本 双六
歴史・時代
たくさんの人が亡くなった太平洋戦争。では、もし日本が勝てば原爆が落とされず、何万人の人が助かったかもしれないそう思い執筆しました。(一部史実と異なることがあるためご了承ください)初投稿ということで俊也さんの『re:太平洋戦争・大東亜の旭日となれ』を参考にさせて頂きました。
これからどうかよろしくお願い致します!
ちなみに、作品の表紙は、AIで生成しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる