9 / 51
ご飯を食べてもらいたい 4月29日
しおりを挟む
杏梨の家でそうたがご飯を食べている。
金田のために用意したご飯が無駄になったので、お願いして食べに来てもらったのだ。
最近、そうたは痩せた。顔色もあまり良くない。杏梨は食事をちゃんととれているか心配になっていた。
杏梨:ご飯作りすぎちゃった。そうたの好きなれんこんのきんぴらもあるよ
そうた:へぇ~いいな。
杏梨: 食べたければ、明日、私んちに集合!
そうた: えー
杏梨: 来てねー
いちご大福人の金田が帰った後に、メッセージを送ったのだ。
金田さんのばーかっ!
杏梨は心の中で悪態をついて眠りについた。
そして、今、目の前にそうたがいる。
美味しい美味しいっと言いながら、もりもりとご飯を食べている。
あ~なんか餌付けしてるみたいで可愛い。
ついつい口元がほころんでしまう。
「最近コンビニ飯ばっかで、こういうの食べたかったんだよ~、味噌汁が心にしみる~」
そうたが泣き真似をする。
「そう?よかった。
あの…そうた、言いたくなかったらいいんだけど…彼女さんは?」
メッセージを送った後に、今日が祝日だと気づいた。大学生なら休みだろう。もしも、邪魔をしてしまったなら申し訳ない。
毎回のことながら、ついつい自分勝手にそうたを頼ってしまう自分が杏梨は情けなかった。
こんなに弱くなかったはずなのに、ごめんねそうた
そうたは食べるのをやめ、
「あー彼女…は別れたいって言われて、嫌いって言われたんだ。
だから~もう彼女はいないから気にしなくていいよっ」
悲しそうに言った。
「俺料理しないから、こういうご飯本当に身も心も癒されるわ~杏梨ちゃんさいこーっ」
わざと声を明るくして、言ってくれる。
そうたは優しい。杏梨の心がじわ~と温かくなった。
「ふふっそうたが美味しいって食べてくれるの嬉しい。」
「金田さんは食べたことないよ~」
自嘲気味に言ってしまう。
「んっなんで?」
「外食ばっかでお家デートしたことない。昨日初めて家に来たけど、いちご大福人で滞在時間10分だったの」
なぜか頭の上にいちご大福をのせた金田の姿が思い浮かんだ。絶対に現実ではあり得ない光景だ。
「はっ?どういうこと?」
杏梨は昨日の出来事をそうたに伝えた。
慰めてくれると思ったが、返ってきたのは反対の反応だった。
「ふっ杏梨、めっちゃ好かれてるじゃん。どんな冷酷彼氏だよって思ってたけど、心配してた俺がむしろかわいそうだわ~」
笑いながら言うそうたに杏梨は意味がわからなかった。
「えっ?でもすぐ帰ったよ」
「金田さんは仕事で朝早かったのと、もしかして杏梨も仕事だと思ったんじゃないか?」
「いちご大福1個だったよ」
「自分がもらったのを食べずに大事に杏梨に持ってきたからだろ?」
「可愛くしたのに、何もしてこなかったよ?脚は寒いとか言われるし」
「一回触ったらずっと触りたくなるだろ?脚は風邪引かないか心配したんじゃないか?」
そうたははぁーっとため息をついた。
「ねぇ、杏梨ってこんなおばかな子だっけ?面白いんだけど」
けらけらと笑いだす。
「いちご大福とかもろ杏梨が好きそうなものじゃん?甘いものすきって教えた?」
「教えてないよ?」
「一緒に食べたことは?」
「一緒に食事いくといつもデザートがでてくるかな」
なぜかいつもいつの間にか注文されている。
「それだわ~杏梨は普段はしっかりしてるのに、甘いの食べるときものすごく顔がゆるんで幸せそうで可愛いんだよな~」
「食べてるときじっと見られてるだろ?」
確かに…視線を感じることはある。
「あっちだって、他に男作るって言われて、どきどきしてたんじゃないか?」
「杏梨も歩みよらないと他の男と遊んでると思われちゃうぞ?
あー今俺といるけど、ごめんな」
そうなんだろうか?
そうなんだろうか?
女友達には恋愛話はしない。自慢だと思われて悪口を言われたことがあるからだ。
金田の話を具体的にしたのはそうたが初めてだ。
私少しは好かれてるんだろうか?
「せっかくGW始まるし、一緒にいたいって言ってみたら?
もし、冷たくされて傷ついたら、俺が責任とって癒すから…どんといけっ!」
善は急げだ~と言うそうたの横で
杏梨はスマホを握りしめた。
杏梨:
金田さん、お仕事中にすみません。
忙しいのに昨日は来てくださってありがとうごさいました。とても嬉しかったです!
GWお時間あるときありますか?
私は金田さんと一緒にいたいです。人混みとか嫌だったら、良かったらまた私の家に来ませんか?
杏梨はどきどきしながら、送信ボタンを押した。
金田のために用意したご飯が無駄になったので、お願いして食べに来てもらったのだ。
最近、そうたは痩せた。顔色もあまり良くない。杏梨は食事をちゃんととれているか心配になっていた。
杏梨:ご飯作りすぎちゃった。そうたの好きなれんこんのきんぴらもあるよ
そうた:へぇ~いいな。
杏梨: 食べたければ、明日、私んちに集合!
そうた: えー
杏梨: 来てねー
いちご大福人の金田が帰った後に、メッセージを送ったのだ。
金田さんのばーかっ!
杏梨は心の中で悪態をついて眠りについた。
そして、今、目の前にそうたがいる。
美味しい美味しいっと言いながら、もりもりとご飯を食べている。
あ~なんか餌付けしてるみたいで可愛い。
ついつい口元がほころんでしまう。
「最近コンビニ飯ばっかで、こういうの食べたかったんだよ~、味噌汁が心にしみる~」
そうたが泣き真似をする。
「そう?よかった。
あの…そうた、言いたくなかったらいいんだけど…彼女さんは?」
メッセージを送った後に、今日が祝日だと気づいた。大学生なら休みだろう。もしも、邪魔をしてしまったなら申し訳ない。
毎回のことながら、ついつい自分勝手にそうたを頼ってしまう自分が杏梨は情けなかった。
こんなに弱くなかったはずなのに、ごめんねそうた
そうたは食べるのをやめ、
「あー彼女…は別れたいって言われて、嫌いって言われたんだ。
だから~もう彼女はいないから気にしなくていいよっ」
悲しそうに言った。
「俺料理しないから、こういうご飯本当に身も心も癒されるわ~杏梨ちゃんさいこーっ」
わざと声を明るくして、言ってくれる。
そうたは優しい。杏梨の心がじわ~と温かくなった。
「ふふっそうたが美味しいって食べてくれるの嬉しい。」
「金田さんは食べたことないよ~」
自嘲気味に言ってしまう。
「んっなんで?」
「外食ばっかでお家デートしたことない。昨日初めて家に来たけど、いちご大福人で滞在時間10分だったの」
なぜか頭の上にいちご大福をのせた金田の姿が思い浮かんだ。絶対に現実ではあり得ない光景だ。
「はっ?どういうこと?」
杏梨は昨日の出来事をそうたに伝えた。
慰めてくれると思ったが、返ってきたのは反対の反応だった。
「ふっ杏梨、めっちゃ好かれてるじゃん。どんな冷酷彼氏だよって思ってたけど、心配してた俺がむしろかわいそうだわ~」
笑いながら言うそうたに杏梨は意味がわからなかった。
「えっ?でもすぐ帰ったよ」
「金田さんは仕事で朝早かったのと、もしかして杏梨も仕事だと思ったんじゃないか?」
「いちご大福1個だったよ」
「自分がもらったのを食べずに大事に杏梨に持ってきたからだろ?」
「可愛くしたのに、何もしてこなかったよ?脚は寒いとか言われるし」
「一回触ったらずっと触りたくなるだろ?脚は風邪引かないか心配したんじゃないか?」
そうたははぁーっとため息をついた。
「ねぇ、杏梨ってこんなおばかな子だっけ?面白いんだけど」
けらけらと笑いだす。
「いちご大福とかもろ杏梨が好きそうなものじゃん?甘いものすきって教えた?」
「教えてないよ?」
「一緒に食べたことは?」
「一緒に食事いくといつもデザートがでてくるかな」
なぜかいつもいつの間にか注文されている。
「それだわ~杏梨は普段はしっかりしてるのに、甘いの食べるときものすごく顔がゆるんで幸せそうで可愛いんだよな~」
「食べてるときじっと見られてるだろ?」
確かに…視線を感じることはある。
「あっちだって、他に男作るって言われて、どきどきしてたんじゃないか?」
「杏梨も歩みよらないと他の男と遊んでると思われちゃうぞ?
あー今俺といるけど、ごめんな」
そうなんだろうか?
そうなんだろうか?
女友達には恋愛話はしない。自慢だと思われて悪口を言われたことがあるからだ。
金田の話を具体的にしたのはそうたが初めてだ。
私少しは好かれてるんだろうか?
「せっかくGW始まるし、一緒にいたいって言ってみたら?
もし、冷たくされて傷ついたら、俺が責任とって癒すから…どんといけっ!」
善は急げだ~と言うそうたの横で
杏梨はスマホを握りしめた。
杏梨:
金田さん、お仕事中にすみません。
忙しいのに昨日は来てくださってありがとうごさいました。とても嬉しかったです!
GWお時間あるときありますか?
私は金田さんと一緒にいたいです。人混みとか嫌だったら、良かったらまた私の家に来ませんか?
杏梨はどきどきしながら、送信ボタンを押した。
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
お知らせ有り※※束縛上司!~溺愛体質の上司の深すぎる愛情~
ひなの琴莉
恋愛
イケメンで完璧な上司は自分にだけなぜかとても過保護でしつこい。そんな店長に秘密を握られた。秘密をすることに交換条件として色々求められてしまう。 溺愛体質のヒーロー☓地味子。ドタバタラブコメディ。
2021/3/10
しおりを挟んでくださっている皆様へ。
こちらの作品はすごく昔に書いたのをリメイクして連載していたものです。
しかし、古い作品なので……時代背景と言うか……いろいろ突っ込みどころ満載で、修正しながら書いていたのですが、やはり難しかったです(汗)
楽しい作品に仕上げるのが厳しいと判断し、連載を中止させていただくことにしました。
申しわけありません。
新作を書いて更新していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
お詫びに過去に書いた原文のママ載せておきます。
修正していないのと、若かりし頃の作品のため、
甘めに見てくださいm(__)m
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる