365日のこまり。

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52日目 迷い(タコヤキ・マン4話製作)

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 昨日のグリーンカレーは美味しかった。ナスを買ってあったら、もっと美味しかったと思うと悔やまれるが仕方ない。ゆで卵とカルピスが辛さを和らげてくれて、少々食べ過ぎたくらいだ。

 今日は気分がのっているので、久々に物語を作ってみようと思い、こまりはフィットネスバイクに乗りながらスマホを打ち始めた。

 活動限界が3分のヒーロー、タコヤキ・マン第4話。

 いざ書こうとすると、正直ちょっとネタが思い浮かばなかった。元々は言いたいことは笑いで伝えたくて書き始めたのに、よく考えると彼は結構かわいそうだ。
 彼は毎日3分程で命尽きるのに、自分の意思には関わらず店主に毎日作成されてしまう。しかも、作られても、タコが入っていなかったり、焦げていたりと、不完全なことも多い。
 しかし、彼はそんな境遇にめげたりめげなかったりして、それでも誰かを助けようとする。限界が毎回近いので助けられないことの方が多い。何というか、助けられない描写を書くのが嫌で指が進まなかった。

 何とか第4話を書き終わり、こまりはため息をついた。
 今回は店主がタコヤキ・マンを作るのを忘れていて、しかも他に用事があったがゆえに彼は『レンチン』のたこ焼きを使用して、作成された。主人公はこれをマイナスに捉えているが、こまりとしては冷凍食品の可能性に彼に気づいて欲しかった。手軽にいつでも簡単調理でほぼ遜色なく美味しいものができる。助手のジョニーの言葉をよく聞いて欲しかった。でもまぁ自分の存在を手軽に作られたら、やはりいい気分にはならないだろう。

 彼は迷い人を助けようとしながらも、自分自身も迷うが、他の人の助けも借りて結局は自分の中に決意を固める。

 また迷いが生じることもあるだろう。何故なら彼のタコヤキ人生に終わりは無くて、かつ制限と障害に満ちた時を過ごすからだ。

 タコヤキ・マン、勢いでこんな君を作ってしまって、大変申し訳ない。

 こまりは唇を噛んで、いずれ自分が納得できるタコヤキ・マンの幸せになれる道を書くことができることを願った。

 でもまぁ、タコヤキ・マンの願いは自分の幸せではなくて『世界の平和を守るヒーローであること』だから、彼はもう幸せなのかもしれない。



【今日できたこと】
 ・迷いを書くこと
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