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40日目 夢
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きいている曲の影響か、こまりは最近、毎晩切ない夢を見る。
昔、好きだった男の子。バスで隣の席に座って、イヤホンを半分こしたときはかなりどきどきした。
ただ、それ以上に音量大きくされ過ぎて、すぐ「おいっ」って突っ込んだ。
13年後に再開した。たまたまその人の母国に行く予定があったから、SNSでメッセージを送ってみた。
まぁ、会えないよね?
そんなことはなかった、普通に会えた。
13年ぶりの彼は14歳の頃とほぼ変わっていなくて、明るくて、待ち合わせ場所に行ったらすぐ気づいて思い切り抱き締めてくれた。
びっくりして、避ける暇がなくて、彼のシャツに口紅がついちゃったけど、全然構わないと笑っていた。
写真は苦手だけど、一緒に写真を撮った。満面の笑顔の彼は写真で見ても眩しい。
13年も会っていなかった人に会うのは初めてと言っていた。そんなのはこまりもだった。
16歳のこまりに生きる原動力をくれた年下の彼の存在は、長いこと会わずともずっとこまりの目標だった。
昔、彼を驚かせるために覚えた彼の母国語の歌は、意味はわからないけど、まだ歌える。
夢の内容は全然思い出せないのに、彼が笑っていたことと、傍にいるとドキドキしたことは思い出せる。朝起きると切ない気持ちになった。
見たらまた会いたくなってしまうから、彼との写真はしまってある。
やっぱり寝る前にあの曲を耳元で流すのは止めるか。
こまりはそう思うのだった。
【今日できたこと】
初心を思い出す
昔、好きだった男の子。バスで隣の席に座って、イヤホンを半分こしたときはかなりどきどきした。
ただ、それ以上に音量大きくされ過ぎて、すぐ「おいっ」って突っ込んだ。
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まぁ、会えないよね?
そんなことはなかった、普通に会えた。
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びっくりして、避ける暇がなくて、彼のシャツに口紅がついちゃったけど、全然構わないと笑っていた。
写真は苦手だけど、一緒に写真を撮った。満面の笑顔の彼は写真で見ても眩しい。
13年も会っていなかった人に会うのは初めてと言っていた。そんなのはこまりもだった。
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昔、彼を驚かせるために覚えた彼の母国語の歌は、意味はわからないけど、まだ歌える。
夢の内容は全然思い出せないのに、彼が笑っていたことと、傍にいるとドキドキしたことは思い出せる。朝起きると切ない気持ちになった。
見たらまた会いたくなってしまうから、彼との写真はしまってある。
やっぱり寝る前にあの曲を耳元で流すのは止めるか。
こまりはそう思うのだった。
【今日できたこと】
初心を思い出す
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