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3日目 脂肪の鎧を剥がすには
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朝8時、ダル重な身体でこまりは目覚めた。布団の上でごろごろストレッチをする。足を伸ばすと気持ち良い。
身体が痛い…。昨日美容院に行っただけなのに、背中や足など全身が筋肉痛になっていた。変に緊張して身体に力が入りすぎたか。
そもそもいつも動いていなさすぎるのか。
昨日は睡眠薬を飲まずに寝てみたが、色々考えてしまいなかなか寝付けなかった。
人と関わった後は自分の行動を振り返り、何か問題はなかったか考えてしまう。考えて何が変わる訳でもなく、改善しようと思ったところでなかなか上手くもいかないのだが、それでも頭から剥がれない自分の記憶は長年こまりを悩ませている。
自分の行動は黒い足跡になって残り、いつまでもいつまでもこまりの後をついてくるのだ。それが34年続いている。記憶力はあまり良くないが、悲しい思い出を何度も振り返ってしまうくせが仇となり、嫌なことほど覚えているのだった。
もしも脳内に記憶フォルダがあって、選択的に消せるのであれば、かなりの量を削除したい。というか、なんなら全削除してもいい。
自分が自分であること自体がとても嫌で消したいことだ。
とはいえ、それは容易にできることではない。現実的にできることから始めること、それをこつこつ続けること、その積み重ねがきっと自分を変えるだろう。
目に見えて効果を実感しやすく、かつ有用で今日から始められること、それはこの脂肪の鎧を剥がすことだ。
さぁ始めよう。
現状は深刻だ。
落ち込んで毎日寝てばかりの生活を続けていたら、ほんの数ヵ月で8キロ増えた。全体重の約20%の増加である。
元々運動はしないので筋肉はほぼなく、食事も不規則かつバランスの偏ったものだった。目立ってどこが太ったという訳ではなく、全体にまんべんなく脂肪コーティングが施され、メリハリのないだらりんとした身体になった感じだ。
今までは一時的に体重が増えても、すぐ減らせたが、今回は減るどころか油断するとゆるやかに確実に増えていく事態となっている。
これが20代の頃との違いだろう。
今やらなければやばい。そんな危機感を感じていた。
今までダイエットは何度もしたことがある。
食事制限をすることが多かった。しかし筋肉量が減り、たるんだ今、食事制限では体重は減らせても見た目は悪くなる一方だろう。引き締まったというより、やつれた感じになるのがおちだ。下手すれば体重さえあまり減らず、ストレスは溜まり、暴飲暴食でリバウンドというリスクもある。
①運動で筋肉を作り、基礎代謝をあげつつ、脂肪を燃焼する。
②ストレッチやマッサージで凝り固まった脂肪をほぐし、姿勢を整えて、理想の身体へ近づける。
これらを継続的に行い、肉体改造をはかろう。
脂肪1キロは7200kcalである。1ヶ月で1キロ痩せるのにも1日250kcal使う必要がある。1日にいつもより余分に250kcal消費するにはどうすればいいのか検討すべきだ。
家にはフィットネスバイクがある。これはテレビをみながら、スマホをいじりながら等、自宅で手軽に活用できる。また消費カロリーが画面に表示されるため、成果がわかりやすい。
難点はずっと使っているとお尻が痛くなることと、適切に使用しないと変に筋肉がついてしまいそうなところだ。つける筋肉も考える必要がある。
フラフープも持っている、これはウエスト周りを引き締めるのに効果があるだろうか?左回しは長く続けられるが、右回しはなかなか続かないので、左右均等に回せるようになれば、歪んだ骨盤も少しは修正されるかもしれない。
プロテインがある。昨年食事が喉に通らなくて、その対応として買ったものだ。運動後はプロテインを飲んでみよう。
外に運動しに行くのもありだが、日焼け止めを全身に塗ったり、着替えたりとこまりには難所が多々ある。
普段、家にいても顔には日焼け止めは塗るが全身には塗らない。→日焼け止め代がかかる。
ジャージに着替えて運動するということはジャージをその後毎回洗う必要がある。→洗濯がかさむ。
何となくウェアを買うと続けられるような気がして、新規に購入する。→ただえさえ収納に困っている服がまた増える。
運動して帰ってくるとシャワーを浴びたくなる。→1日2回お風呂に入ると水道代、ガス代がかさむ。洗いすぎるのは肌に負担がある。
日常的に外で運動している方にとっては突っ込みどころ満載な理由ばかりだが、こまりにはデメリットが多いのだ。最低限の費用で最大限の効果をあげ、浮いた時間とお金は他にまわしたい。
だって貧乏性で飽き性ですぼらだから。そんな自分を知っているから。
楽は楽しい。楽しいは楽。楽しい人生を送りたい。
継続的実現可能な方法で理想の身体の鎧を身にまとう。その鎧はきっとこまりのメンタルに良き効果をもたらすだろう。
ぷりんとしたおしり、引き締まった脚を作るのだ。
目指したい憧れの人を作ってみよう。
白湯を飲んで、朝御飯を食べた。
まずはリサーチと思いつつ、スマホ片手にフイットネスバイクをこぎだす。
ゆっくりゆっくり進んでいく。画面の数値が上がっていく。
【今日やれたこと】
・無駄な浪費を避け、ちょっとだけ脂肪を燃焼する
身体が痛い…。昨日美容院に行っただけなのに、背中や足など全身が筋肉痛になっていた。変に緊張して身体に力が入りすぎたか。
そもそもいつも動いていなさすぎるのか。
昨日は睡眠薬を飲まずに寝てみたが、色々考えてしまいなかなか寝付けなかった。
人と関わった後は自分の行動を振り返り、何か問題はなかったか考えてしまう。考えて何が変わる訳でもなく、改善しようと思ったところでなかなか上手くもいかないのだが、それでも頭から剥がれない自分の記憶は長年こまりを悩ませている。
自分の行動は黒い足跡になって残り、いつまでもいつまでもこまりの後をついてくるのだ。それが34年続いている。記憶力はあまり良くないが、悲しい思い出を何度も振り返ってしまうくせが仇となり、嫌なことほど覚えているのだった。
もしも脳内に記憶フォルダがあって、選択的に消せるのであれば、かなりの量を削除したい。というか、なんなら全削除してもいい。
自分が自分であること自体がとても嫌で消したいことだ。
とはいえ、それは容易にできることではない。現実的にできることから始めること、それをこつこつ続けること、その積み重ねがきっと自分を変えるだろう。
目に見えて効果を実感しやすく、かつ有用で今日から始められること、それはこの脂肪の鎧を剥がすことだ。
さぁ始めよう。
現状は深刻だ。
落ち込んで毎日寝てばかりの生活を続けていたら、ほんの数ヵ月で8キロ増えた。全体重の約20%の増加である。
元々運動はしないので筋肉はほぼなく、食事も不規則かつバランスの偏ったものだった。目立ってどこが太ったという訳ではなく、全体にまんべんなく脂肪コーティングが施され、メリハリのないだらりんとした身体になった感じだ。
今までは一時的に体重が増えても、すぐ減らせたが、今回は減るどころか油断するとゆるやかに確実に増えていく事態となっている。
これが20代の頃との違いだろう。
今やらなければやばい。そんな危機感を感じていた。
今までダイエットは何度もしたことがある。
食事制限をすることが多かった。しかし筋肉量が減り、たるんだ今、食事制限では体重は減らせても見た目は悪くなる一方だろう。引き締まったというより、やつれた感じになるのがおちだ。下手すれば体重さえあまり減らず、ストレスは溜まり、暴飲暴食でリバウンドというリスクもある。
①運動で筋肉を作り、基礎代謝をあげつつ、脂肪を燃焼する。
②ストレッチやマッサージで凝り固まった脂肪をほぐし、姿勢を整えて、理想の身体へ近づける。
これらを継続的に行い、肉体改造をはかろう。
脂肪1キロは7200kcalである。1ヶ月で1キロ痩せるのにも1日250kcal使う必要がある。1日にいつもより余分に250kcal消費するにはどうすればいいのか検討すべきだ。
家にはフィットネスバイクがある。これはテレビをみながら、スマホをいじりながら等、自宅で手軽に活用できる。また消費カロリーが画面に表示されるため、成果がわかりやすい。
難点はずっと使っているとお尻が痛くなることと、適切に使用しないと変に筋肉がついてしまいそうなところだ。つける筋肉も考える必要がある。
フラフープも持っている、これはウエスト周りを引き締めるのに効果があるだろうか?左回しは長く続けられるが、右回しはなかなか続かないので、左右均等に回せるようになれば、歪んだ骨盤も少しは修正されるかもしれない。
プロテインがある。昨年食事が喉に通らなくて、その対応として買ったものだ。運動後はプロテインを飲んでみよう。
外に運動しに行くのもありだが、日焼け止めを全身に塗ったり、着替えたりとこまりには難所が多々ある。
普段、家にいても顔には日焼け止めは塗るが全身には塗らない。→日焼け止め代がかかる。
ジャージに着替えて運動するということはジャージをその後毎回洗う必要がある。→洗濯がかさむ。
何となくウェアを買うと続けられるような気がして、新規に購入する。→ただえさえ収納に困っている服がまた増える。
運動して帰ってくるとシャワーを浴びたくなる。→1日2回お風呂に入ると水道代、ガス代がかさむ。洗いすぎるのは肌に負担がある。
日常的に外で運動している方にとっては突っ込みどころ満載な理由ばかりだが、こまりにはデメリットが多いのだ。最低限の費用で最大限の効果をあげ、浮いた時間とお金は他にまわしたい。
だって貧乏性で飽き性ですぼらだから。そんな自分を知っているから。
楽は楽しい。楽しいは楽。楽しい人生を送りたい。
継続的実現可能な方法で理想の身体の鎧を身にまとう。その鎧はきっとこまりのメンタルに良き効果をもたらすだろう。
ぷりんとしたおしり、引き締まった脚を作るのだ。
目指したい憧れの人を作ってみよう。
白湯を飲んで、朝御飯を食べた。
まずはリサーチと思いつつ、スマホ片手にフイットネスバイクをこぎだす。
ゆっくりゆっくり進んでいく。画面の数値が上がっていく。
【今日やれたこと】
・無駄な浪費を避け、ちょっとだけ脂肪を燃焼する
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