リモート・ウォーリア

ラノべえ

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3 救世主あらわる②

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「おお来たか、わたしが長官の三船平七郎だ」

 訓練センターに到着した強兵はフソウのFをモチーフにした装飾が施された制服で決めた長身の男に声をかけられた。

「ふたりともちょっと来てくれ」

 田村は、操縦訓練中の水樹とヒビキに声をかけてコックピットの中から呼び出していた。

「氷上強兵です、今日からお世話になります」

 強兵が、集まった人々に挨拶をすると、体にピッタリとした制服を着たなかなかのプロポーションの美女が口を開いた。

「操縦員の三船水樹です」

(三船? 三船と言う苗字が多いのか……)

「同じく、七海ヒビキです」
「戦闘技術研究班長の田村だ、よろしく!」

 ひと通り挨拶が終わると、田村は不思議そうな顔で強兵をじろじろ眺めた。

(この新成人がマミィに選ばれた救世主なのか――)

「どうだね、操縦の自信は?」 

 三船長官は、まだあどけなさが残る強兵に、にこやかに話しかけた。

「はい、イコールコンディションなら負ける気がしません!」

 なんと、強兵は自信有り気に答えた。それを聞いた水樹とヒビキは、

「まぁ!」
「フフフ、それは、頼もしい話だね」

と、あきれたり、知らないと言うのは怖いものなしだなと言う顔で苦笑しながら言った。

「よし! それでいい、地上を奪還するにはそれくらいの気概がないとな!」

 三船長官は、他の者が呆気にとられている中で、強兵の両肩をガシッとつかんで鼓舞するように大声で言うと、水樹の方を向いて、

「それでは、さっそく実力を見せてもらおうかな、水樹ちょっと相手をしてやってくれ!」

と頼んだ。水樹が驚いて、

「えっ?」

と困惑していると、ヒビキが、

「いきなり対戦ですか?、無茶ですよ長官、今日初めてなのに、家庭用のシュミレーターなんてここと比べたらゲームみたいなものなんですからね」

と制止しようとした。田村も、メガネを押さえて困ったような表情をしている。

「いや、彼なら大丈夫だ、少し慣れてもらえば」

と尚も三船長官が言うと強兵が、

「はい、自分も早く本物のリモート・ウォーリアを操縦してみたいです!」

と無邪気に言った。すると、

「おほほほほ……、いいでしょうゲームで強くても、ここではちょっと違うということを教えて差し上げますわ」

 水樹は、少しふざけたように笑いながら承諾した。それを聞いてヒビキも、

「オイオイ、本気出さなくていいからな!」

と、冗談っぽくはやし立てた。

「初心者相手に本気出すわけないでしょう!」

 水樹は、ヒビキに向かってちょっと大きな声を上げた。

(この人たちは、もしかして強いのか? )

 個別居住領域のゲーム大会では、神楽萌絵奈を除けば敵なしの強さの強兵は、本物のリモート・ウォーリアの性能とともに、水樹とヒビキの操縦技術に非常に興味を持った。
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