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第十五章

レベル238 『モンスターカード!』で、ゲットしてみたら荒野な感じになりました。

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 オレはティニー向かってクリスタルカードを掲げる。

 クリスタルカードで見たティニーは、ティニーそのままの姿だった。
 これならば今のままでゲット出来るはずだ。
 ゲットできるとしたら、の話だが。

 クリスタルカードは透明感のあるカード。

 ゲットできるモンスターは勿論の事、普通の景色だって見える。
 それは即ち、ゲットできない奴はそのままの姿で見える訳だ。
 頼むクリスタルカード、ティニーをオレの元へ導いてくれ!

 祈るような気持ちでクリスタルカードから照らされるティニーを見つめる。

 しかし、その姿はそこにあるままで、何も変化は起こらない。
 徐々に弱くなっていくカードから差し出す光。
 駄目なのか!?

 いやっ、まだだ!

『ダブル・モンスターカード!』

 まだ手はある!
 そう、ダンディをゲットした時の様に二枚重ねだ!
 光が消えかけたクリスタルカードにノーマルのモンスターカードを重ねる。

 薄れていた光がその力を取り戻す。

 するとだ! 徐々にティニーの体が透き通っていくではないか!

「ティニー……頑張って」
「……お願い、モンスターカード」

 サヤラとアポロが両手を合わせてカードに祈りを捧げる。

「ティニー、覚悟を決めろ! さあ、来い、オレの元へ!」

 ティニーがしっかりと頷く。
 その瞬間! 姿が掻き消え、まばゆい光がカードに集りだす。
 まるで天から届くかのように上空から集る光。

 最後に、地平の果てに向かって大きなサークルとなり光が破裂する。

 後に残ったのは、一丁の銃が描かれた、一枚のカード。

『聖銃・ティニー』
 ☆11・レベル1
 スキル:モデルチェンジ(3)、リロード
 備考:アンデッド特効、人型特効

 ☆11という下級職では最高レベルのレアリティ!
 さらに、アンデッドと人型モンスターに特効がついている。
 だが、

「銃になってしまった、か」

 予想できた結果だ。
 ティニーはガンナー、そこから連想されるものは銃。
 これじゃあもう、さっきまでのティニーとは呼べない。

 まるで……形見じゃねえか。

 ティニーはゾンビ化寸前、ラピスに解放してもらう訳にもいかない。
 レベルを20にして、クリスタルカードでクラスチェンジに掛けるしかないか……
 いや、カシュアのように自我が残っているかもしれない。

 オレはそんな期待を込めてティニーを呼び出してみる。

 オレの手にしっくりくる、リボルバー型の拳銃。
 まるで西部劇で見た、荒野のガンナーが持っていたかのような古臭い銃。
 ティニーにピッタリだな。

『それどういう意味っすか!』

 頭の中にティニーの声が響く。
 その瞬間だった!
 突如、輝きだす聖銃・ティニー!

 それは光となりゆっくりと人型を取る。

 その光がはじけた瞬間、そこにはティニーがオレの手をとって立っているのだった!
 おめえ、人型になれたのか!?
 擬態も、人化もなかったのに。

 いや持てよ、このパターン、もしかして!

 オレはティニーのカードを急いで見やる。

『レディガンナー・ティニー』
 ☆4・レベル1
 スキル:必中、弾丸練成

 カードの名前と絵柄が変わっている!
 なるほど、クリスタルカードとノーマルカードを重ね合わせてゲットすれば、いつでもクラスチェンジできるようになる訳か。
 うん、これは絶対、ラピスには秘密にしとかないとな。

「ティニー、ティニーなの……良かったティニー!」

 サヤラがティニーに抱きつく。
 アポロもティニーに近寄って来る。
 だがその顔は、どこか憤慨しているかのようにも見える。

 ある一点をみすえるアポロ、おもむろにそれを鷲掴む。

「おい、これはどういう事だ!?」
「イダッ、痛いッスよアポロ!」
「お前だけは……私の仲間だと思っていたのに!」

 そう人型になったティニーさん、なぜか成長してござる。
 主に胸が。
 少女だったあどけなさは今や昔、すっかり立派なレディになって候。

 身長も少し伸び、どこか色気を帯びているようにも見える。そしてなにより、胸がデカイ。

 確かに最近、少しは出てきているなあとは思っていたんですよ。
 そうか、ティニーは大人になると爆発する系だったのか。
 服装もまたエロい。

 荒野な女ガンナーさんらしく、大きく開いた胸元に、ミニスカ、ヘソ出し、お約束のウエスタンハット。

 そんなエロい女性に食ってかかる少女が一人。

「お前だけ成長しているなんてずるいぞ!」
「いや、アポロも成長しているんじゃないっすか?」
「そういえば、ほんの少し胸が出て、ギターちゃんに指摘されていたよね?」

 ガックリと膝を付いて地面にうな垂れるアポロ。

「そ、そんな……これが私の成長した姿。なんにも変わっとらんじゃないかぁあああ!」

 どうどう、落ち着いてアポロさん。

「それよりも、大丈夫なのかね、キミ」
「なにがだ?」
「いや、リミットブレイクの後遺症……」

「イダダダダ……」

 オレは地面をのた打ち回る。
 まるで今まで溜め込んでいたかのように、かつてない激痛が全身を襲う。
 くっそお前、ほんと、ろくな事しないな!

「ええっ、ボクの所為なのぉ?」
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