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第十二章
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「それでは、首脳会談を始めたいと思います」
「ちょっと待たれよ、なにやら『敵』が混ざり込んでいるようだが?」
ダンディのその言葉を聞いて、ビクッと身をすくめるフロワース嬢。
「あまり苛めるものではありませんよ。彼女は何時だって、私達の『味方』ではありませんか」
「ふむ……そういえばそうであるな」
「あの、どういうことで……」
気づいてなかったのですか? と、前置きをして続けるラピス。
「貴女のおかげでお坊ちゃまは成長でき、貴女のおかげでお坊ちゃまへの注意を逸らす事が出来ました」
モブディとの第一戦、フロワースはモブディを成長させる為にあのような工作を行った。
しかし、成長したのはモブディだけではない、お坊ちゃまはそれ以上に成長を遂げる事が出来た。
一時はロゥリすら相手にならないほど。
闘技大会での情報開示は、カシュア等、別の存在に注意を振り分けることに成功した。
当時、少々活躍し過ぎたお坊ちゃまは南の諸国に良く思われていなかった。
アレがなければ、Sランカーのアサシンはカシュアではなく、お坊ちゃまに向かったかもしれない。
「……全部、あなた手のひらの上だったと、いう事でしょうか」
「まあ、結果論。かもしれませんがね。とはいえ、何時までも敵対されていては困るのですよね」
あなた方の上層部、そろそろ入れ替わる時期だと思いませんか? と、フロワースに耳打ちするラピス。
それを聞いて、ゴクリと唾を飲み込むフロワース。
ソッと上目遣いでラピスを見やる。
「なんでしたら、協力は惜しみませんよ?」
ラピスはそんなフロワースにニッコリとした笑顔でそう答える。
「どうです、少しは光明が視えてきたのではないですか? どうすれば貴女の望む結果に辿り着くか、ご自身のスキルに聞いてみなさい」
「わ、私に、ラピス様の傀儡になれと、いうのですか?」
「別に多くは望みませんよ、お坊ちゃまの性格を多少は知る貴女なら分かるでしょう? 敵対しない限り、干渉はいたしません」
そんなフロワースさん、突如、ラピスの足元に跪き頭を垂れる。
「このままでは我が国エンテッカルは滅ぶ未来しか想像できません! ぜひ、貴方様のお力をお貸しください!」
「良い判断です。ならばこれからは同志、という事でよろしいですね」
「同志などと……如何様にもお使いください! 私が国を動かせるようになった折には、貴方様を全面的にバックアップさせて頂きます!」
あら、それは嬉しいですね。などと言って二人、黒い笑みを浮かべあう。
お前また、そんな腹黒を引きこんで……
やばいな、うちの陣営どんどん悪役っぽくなっていく。
ロウルートかカオスルートかという選択があったなら、圧倒的にカオスルートへ向かっている気がする。
カオスルートの結末って、あんまいいモノがないんだよなあ……いったいどこの選択肢を間違えたのだろうか?
「まあ、エンテッカルの件は後々話をするとして、まずはその、アンダーハイト王国、でしたっけ? そちらの要望はどうなっているのですか?」
仲裁というなら、それなりのお土産も用意しているはずだろう。
何も無いのに聖皇国への仲裁を頼む理由が無い。
フロワースさんがラピスのその言葉に答える。
「三段階に分けて提案を持ってきています」
一つ、聖皇国並びにピクサスレーン、ヘルクヘンセンにおける全スパイ活動の即時停止。賠償金500億を支払う。
普通だな。
話にならん。
その500億で、砦辺りの土地を買わしてくれたらアリですね。
上記、オレ、ニース、ラピスの順。ラピスおめえ、その砦、恒久化させる気か?
二つ、一の条件に加えて、望むだけの王子、王女の無期限の留学。
人質か……
我が子を政治の道具に使うという事なのですね。
自らさえ良ければ良いという事なのか!
上からダンディ、エフィール、バルデス。三人とも二の条件を聞いて顔をしかめている。
三つ、一と二の条件に加え、恒久奴隷化済みのスパイを各国5名。合計15名の提供。
「いるか?」
「正直、欲しいと思いますね。そこの技術を知るいい機会にもなりますし」
「実際、それだけで大国に対抗してきている、聖皇国をあそこまで追い詰めたのだって事実。実力の程は疑いないだろう」
どうするニース?
ピクサスレーンとヘルクヘンセンはまあ、損害がないから三までもらえれば十分だろう。
しかし、聖皇国はそうはいくめえ。
「そうだな、その条件に加え、全スパイの情報開示、及び主導権を……うむ、王族全ての奴隷化か」
◇◆◇◆◇◆◇◆
結局、ニースと聖皇国の皇帝が話し合った結果、
・聖皇国並びにピクサスレーン、ヘルクヘンセンにおける全スパイ活動の即時停止。
・賠償金は各国50億でいい。その代わり、砦周辺を三カ国の共同所有とする。
・王子、王女の留学はなし。その代わり、現在の国王ならび王位継承権を持つ全て者の奴隷化。
・上記奴隷化に関しては、極秘事項とする。
この条件を守るなら、アンダーハイトに対するこれ以上の侵攻は行わない。
その上、極秘で軍事同盟を結び、アンダーハイトが他の国に攻められた場合は、聖皇国ならびに、ピクサスレーン、ヘルクヘンセンの三国が救済に入る。
なんていう結果になったそうだ。
これを優しいと見るか、厳しいと見るかは判断が別れるところだ。
庶民にとっては優しかろうが、王族全ての奴隷化はかなり厳しい部類に入るだろう。
王様が、自分より国の事を優先できるいい王様ならいいんだが、あんな条件を出してくるぐらいだ、そこらへんはかなり怪しい。
「奴隷化の部分、無理じゃないか?」
「それをこれから話し合うのですよ」
「誰が?」
「お坊ちゃまが」
えっ?
「ちょっと待たれよ、なにやら『敵』が混ざり込んでいるようだが?」
ダンディのその言葉を聞いて、ビクッと身をすくめるフロワース嬢。
「あまり苛めるものではありませんよ。彼女は何時だって、私達の『味方』ではありませんか」
「ふむ……そういえばそうであるな」
「あの、どういうことで……」
気づいてなかったのですか? と、前置きをして続けるラピス。
「貴女のおかげでお坊ちゃまは成長でき、貴女のおかげでお坊ちゃまへの注意を逸らす事が出来ました」
モブディとの第一戦、フロワースはモブディを成長させる為にあのような工作を行った。
しかし、成長したのはモブディだけではない、お坊ちゃまはそれ以上に成長を遂げる事が出来た。
一時はロゥリすら相手にならないほど。
闘技大会での情報開示は、カシュア等、別の存在に注意を振り分けることに成功した。
当時、少々活躍し過ぎたお坊ちゃまは南の諸国に良く思われていなかった。
アレがなければ、Sランカーのアサシンはカシュアではなく、お坊ちゃまに向かったかもしれない。
「……全部、あなた手のひらの上だったと、いう事でしょうか」
「まあ、結果論。かもしれませんがね。とはいえ、何時までも敵対されていては困るのですよね」
あなた方の上層部、そろそろ入れ替わる時期だと思いませんか? と、フロワースに耳打ちするラピス。
それを聞いて、ゴクリと唾を飲み込むフロワース。
ソッと上目遣いでラピスを見やる。
「なんでしたら、協力は惜しみませんよ?」
ラピスはそんなフロワースにニッコリとした笑顔でそう答える。
「どうです、少しは光明が視えてきたのではないですか? どうすれば貴女の望む結果に辿り着くか、ご自身のスキルに聞いてみなさい」
「わ、私に、ラピス様の傀儡になれと、いうのですか?」
「別に多くは望みませんよ、お坊ちゃまの性格を多少は知る貴女なら分かるでしょう? 敵対しない限り、干渉はいたしません」
そんなフロワースさん、突如、ラピスの足元に跪き頭を垂れる。
「このままでは我が国エンテッカルは滅ぶ未来しか想像できません! ぜひ、貴方様のお力をお貸しください!」
「良い判断です。ならばこれからは同志、という事でよろしいですね」
「同志などと……如何様にもお使いください! 私が国を動かせるようになった折には、貴方様を全面的にバックアップさせて頂きます!」
あら、それは嬉しいですね。などと言って二人、黒い笑みを浮かべあう。
お前また、そんな腹黒を引きこんで……
やばいな、うちの陣営どんどん悪役っぽくなっていく。
ロウルートかカオスルートかという選択があったなら、圧倒的にカオスルートへ向かっている気がする。
カオスルートの結末って、あんまいいモノがないんだよなあ……いったいどこの選択肢を間違えたのだろうか?
「まあ、エンテッカルの件は後々話をするとして、まずはその、アンダーハイト王国、でしたっけ? そちらの要望はどうなっているのですか?」
仲裁というなら、それなりのお土産も用意しているはずだろう。
何も無いのに聖皇国への仲裁を頼む理由が無い。
フロワースさんがラピスのその言葉に答える。
「三段階に分けて提案を持ってきています」
一つ、聖皇国並びにピクサスレーン、ヘルクヘンセンにおける全スパイ活動の即時停止。賠償金500億を支払う。
普通だな。
話にならん。
その500億で、砦辺りの土地を買わしてくれたらアリですね。
上記、オレ、ニース、ラピスの順。ラピスおめえ、その砦、恒久化させる気か?
二つ、一の条件に加えて、望むだけの王子、王女の無期限の留学。
人質か……
我が子を政治の道具に使うという事なのですね。
自らさえ良ければ良いという事なのか!
上からダンディ、エフィール、バルデス。三人とも二の条件を聞いて顔をしかめている。
三つ、一と二の条件に加え、恒久奴隷化済みのスパイを各国5名。合計15名の提供。
「いるか?」
「正直、欲しいと思いますね。そこの技術を知るいい機会にもなりますし」
「実際、それだけで大国に対抗してきている、聖皇国をあそこまで追い詰めたのだって事実。実力の程は疑いないだろう」
どうするニース?
ピクサスレーンとヘルクヘンセンはまあ、損害がないから三までもらえれば十分だろう。
しかし、聖皇国はそうはいくめえ。
「そうだな、その条件に加え、全スパイの情報開示、及び主導権を……うむ、王族全ての奴隷化か」
◇◆◇◆◇◆◇◆
結局、ニースと聖皇国の皇帝が話し合った結果、
・聖皇国並びにピクサスレーン、ヘルクヘンセンにおける全スパイ活動の即時停止。
・賠償金は各国50億でいい。その代わり、砦周辺を三カ国の共同所有とする。
・王子、王女の留学はなし。その代わり、現在の国王ならび王位継承権を持つ全て者の奴隷化。
・上記奴隷化に関しては、極秘事項とする。
この条件を守るなら、アンダーハイトに対するこれ以上の侵攻は行わない。
その上、極秘で軍事同盟を結び、アンダーハイトが他の国に攻められた場合は、聖皇国ならびに、ピクサスレーン、ヘルクヘンセンの三国が救済に入る。
なんていう結果になったそうだ。
これを優しいと見るか、厳しいと見るかは判断が別れるところだ。
庶民にとっては優しかろうが、王族全ての奴隷化はかなり厳しい部類に入るだろう。
王様が、自分より国の事を優先できるいい王様ならいいんだが、あんな条件を出してくるぐらいだ、そこらへんはかなり怪しい。
「奴隷化の部分、無理じゃないか?」
「それをこれから話し合うのですよ」
「誰が?」
「お坊ちゃまが」
えっ?
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