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第十章
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「ねえ様、早く! 早く行かないと始まってしまいますっ!」
「ローゼマリア様、そんなに引っ張っているとエフィール様の腕が抜けてしまいますぞ」
「あらバルデス、私はそんなにか弱い体ではありませんよ」
あれは、北の国から楽師隊がやってくると聞いて町に降りた時のことじゃった。
ん、今とじゃべり方が違う?
そりゃ、わらわだって王様になったら、ちょっとぐらいは王様らしく振舞うわっ。
王様らしい態度は良く知らんが、喋り方はこうでええんじゃろ?
あの頃は、ねえ様とバルデスもとっても仲が良く、笑顔の絶えない日々であった。
ねえ様は今も変わらず優しいが、バルデスだって当時は優しい好青年であったのだ。
今と違って本当に仲が良くてのぉ、そのうち、バルデスが兄となる日も近いと思っておったぐらいじゃ。
「そんなに楽師隊が見たいならば、お城に呼び付ければ良いのではないですかな」
「城に呼び付けてたった一人で聞いても楽しくなんてありませんっ。皆でガヤガヤ集って見るのが楽しいんじゃありませんか!」
「ふふっ、マリアは相変わらずね」
北と南では年に二度程、大きな交易の場を迎える。
そしてそこでは様々な催し物が行われていた。
わらわは、そんな催し物を見て回るのが大好きじゃった。
しかしその年、北からはトンでもない物が運ばれて来ていたのじゃった。
そう、疫病と言う地獄の始まりを。
そんな病原菌が城下にバラまかれているとは露知らず、わらわはねえ様を連れてあちこちを見て回る。
幸い、わらわとバルデスはその疫病からは逃れることが出来たのじゃが……
「バルデスよ、余は後妻を取るつもりは無い、これがどういう事か分かるか?」
「ハッ!」
「マリアでは到底力不足、我の後任はエフィールしかおらん! どれだけ金がかかろうが、どれだけ犠牲を出そうが構わん、エフィールを何が何でも救い出せ!」
ねえ様がその病にかかってしまったのじゃ。
最近では貴族がスキル持ちを独占しおるようじゃが、当時は例え王族であろうともスキルを持っておるものは稀であった。
生まれてきた子がスキル持ちで、それが偶々王族である可能性など、星の数より少ないと言われた時代。
そんな時代に生まれてきた王家直系の子供、それも極持ちのスキル。
それがどれほど貴重なことか。
「ねえ様…………」
「駄目よマリア、私に近づいちゃ。早くお部屋に帰りなさい」
ベッドの上で弱々しく横たわるねえ様。
わらわの所為で病にかかったと言うのに一切責めようとはしない。
そんな、ただ衰弱していくねえ様を見るのはとても辛かった。
「ねえバルデス、私が死んだら、母様と同じように火葬してはくれませんか? 冷たい棺の中より、自由にあの空を飛んで見たい……」
そんな貴重なねえ様は、ずっとお城に閉じ込められている。
唯一の例外が、わらわが我がままを言った時だけ。
そしてそんな我がままを言った所為で、この様な事になってしまった。
「エフィール様、弱音を吐くのはまだ早過ぎます、このバルデス、必ず、必ずやエフィール様を救って見せます」
そしてそれ以来、バルデスは変わってしまった。
通路ですれ違っても挨拶一つ交わすことなく。
優しそうだった顔つきが豹変して、落ち窪んだ瞳、げっそりとこけた頬、まるで地獄から来た亡者のごとき様に変わってきた。
噂では市井の者を攫い、人体実験まで行っていると聞いた。
各地から高名な医者を呼び寄せ、従わない者には容赦をしなかった。
万が一ねえ様が助からない場合は、全員死罪とまで言っていた。
同時に怪しい魔術にまで手を出し、行方不明者が続出したという。
だがその甲斐も空しく、ねえ様は息を引き取ってしまう。
「バルデス……余の言いたい事が分かるか?」
「お待ちください、まだ希望は残っております」
「ほう……この期に及んで命乞いでもするつもりか?」
「人、であれば死は免れぬことでございます。しかし、アンデットであれば?」
そう言ったバルデスの手には、小さなボロボロのマントを纏った人形が握られているのであった。
バルデスが王に進言する。
アンデットモンスターの中でも、最上位に位置するリッチと言うモンスターを手に入れた。
これを使えば――――エフィール様をリッチとして蘇らせる事が出来るという。
「正気かバルデス? アンデットとして蘇っても、それはもうエフィールであって、エフィールでは無い存在であろう」
「それはどうでしょうか? エフィール様の記憶を持ち、エフィール様の自我を持った存在を、別物だと言えましょうか?」
アンデットと成った者は自我を失い、人を襲う怪物になる。
だが、自我を残したままアンデットとなれるとすればどうであろうか。
意識と記憶をそのまま保ちつつ、肉体のみをアンデットとする。
「お前にそれが可能だとでもいうのか?」
「私の、このバルデスのスキルを持ってすれば」
バルデスのスキルは『ドールマスター』。特定の条件を満たした者を人形にしてしまうスキル。
そしてその人形にした者の力を使うことが出来る。
右手にアンデットの王と言われるリッチを、左手に合成のスキルを持った人物を。
そう、人形にしたリッチとねえ様を、合成のスキルによって一つにしようとしたのであった。
そしてその試みは『不幸』な事に成功してしまう。
ねえ様はアンデットとして、どんな病気も、どんな怪我にも耐えられる、そんな存在として蘇るのであった。
「体の方はどうなのだエフィール?」
「はい、いえ、特に不調なところはないようです」
「おお、おおお……」
とう様は、バルデスは、わらわは、皆泣きながらねえ様にしがみ付いた。
これが終わりの始まりだとは知らずに。
「バルデス、お前のした施術、生きた人間にも使えるのか?」
「可能でございます。すでに何体か成功事例もございます」
「ほほう……ほんとに自我は失われんのだろうな?」
「合成するアンデットの種類にもよります。一般兵士にリッチなど合成したら、逆にリッチに取り込まれることになりましょう」
なるほど、なるほど。ならば、余にふさわしいアンデットを見つけてくるのだ。
そうバルデスに命令するとう様であった。
「ローゼマリア様、そんなに引っ張っているとエフィール様の腕が抜けてしまいますぞ」
「あらバルデス、私はそんなにか弱い体ではありませんよ」
あれは、北の国から楽師隊がやってくると聞いて町に降りた時のことじゃった。
ん、今とじゃべり方が違う?
そりゃ、わらわだって王様になったら、ちょっとぐらいは王様らしく振舞うわっ。
王様らしい態度は良く知らんが、喋り方はこうでええんじゃろ?
あの頃は、ねえ様とバルデスもとっても仲が良く、笑顔の絶えない日々であった。
ねえ様は今も変わらず優しいが、バルデスだって当時は優しい好青年であったのだ。
今と違って本当に仲が良くてのぉ、そのうち、バルデスが兄となる日も近いと思っておったぐらいじゃ。
「そんなに楽師隊が見たいならば、お城に呼び付ければ良いのではないですかな」
「城に呼び付けてたった一人で聞いても楽しくなんてありませんっ。皆でガヤガヤ集って見るのが楽しいんじゃありませんか!」
「ふふっ、マリアは相変わらずね」
北と南では年に二度程、大きな交易の場を迎える。
そしてそこでは様々な催し物が行われていた。
わらわは、そんな催し物を見て回るのが大好きじゃった。
しかしその年、北からはトンでもない物が運ばれて来ていたのじゃった。
そう、疫病と言う地獄の始まりを。
そんな病原菌が城下にバラまかれているとは露知らず、わらわはねえ様を連れてあちこちを見て回る。
幸い、わらわとバルデスはその疫病からは逃れることが出来たのじゃが……
「バルデスよ、余は後妻を取るつもりは無い、これがどういう事か分かるか?」
「ハッ!」
「マリアでは到底力不足、我の後任はエフィールしかおらん! どれだけ金がかかろうが、どれだけ犠牲を出そうが構わん、エフィールを何が何でも救い出せ!」
ねえ様がその病にかかってしまったのじゃ。
最近では貴族がスキル持ちを独占しおるようじゃが、当時は例え王族であろうともスキルを持っておるものは稀であった。
生まれてきた子がスキル持ちで、それが偶々王族である可能性など、星の数より少ないと言われた時代。
そんな時代に生まれてきた王家直系の子供、それも極持ちのスキル。
それがどれほど貴重なことか。
「ねえ様…………」
「駄目よマリア、私に近づいちゃ。早くお部屋に帰りなさい」
ベッドの上で弱々しく横たわるねえ様。
わらわの所為で病にかかったと言うのに一切責めようとはしない。
そんな、ただ衰弱していくねえ様を見るのはとても辛かった。
「ねえバルデス、私が死んだら、母様と同じように火葬してはくれませんか? 冷たい棺の中より、自由にあの空を飛んで見たい……」
そんな貴重なねえ様は、ずっとお城に閉じ込められている。
唯一の例外が、わらわが我がままを言った時だけ。
そしてそんな我がままを言った所為で、この様な事になってしまった。
「エフィール様、弱音を吐くのはまだ早過ぎます、このバルデス、必ず、必ずやエフィール様を救って見せます」
そしてそれ以来、バルデスは変わってしまった。
通路ですれ違っても挨拶一つ交わすことなく。
優しそうだった顔つきが豹変して、落ち窪んだ瞳、げっそりとこけた頬、まるで地獄から来た亡者のごとき様に変わってきた。
噂では市井の者を攫い、人体実験まで行っていると聞いた。
各地から高名な医者を呼び寄せ、従わない者には容赦をしなかった。
万が一ねえ様が助からない場合は、全員死罪とまで言っていた。
同時に怪しい魔術にまで手を出し、行方不明者が続出したという。
だがその甲斐も空しく、ねえ様は息を引き取ってしまう。
「バルデス……余の言いたい事が分かるか?」
「お待ちください、まだ希望は残っております」
「ほう……この期に及んで命乞いでもするつもりか?」
「人、であれば死は免れぬことでございます。しかし、アンデットであれば?」
そう言ったバルデスの手には、小さなボロボロのマントを纏った人形が握られているのであった。
バルデスが王に進言する。
アンデットモンスターの中でも、最上位に位置するリッチと言うモンスターを手に入れた。
これを使えば――――エフィール様をリッチとして蘇らせる事が出来るという。
「正気かバルデス? アンデットとして蘇っても、それはもうエフィールであって、エフィールでは無い存在であろう」
「それはどうでしょうか? エフィール様の記憶を持ち、エフィール様の自我を持った存在を、別物だと言えましょうか?」
アンデットと成った者は自我を失い、人を襲う怪物になる。
だが、自我を残したままアンデットとなれるとすればどうであろうか。
意識と記憶をそのまま保ちつつ、肉体のみをアンデットとする。
「お前にそれが可能だとでもいうのか?」
「私の、このバルデスのスキルを持ってすれば」
バルデスのスキルは『ドールマスター』。特定の条件を満たした者を人形にしてしまうスキル。
そしてその人形にした者の力を使うことが出来る。
右手にアンデットの王と言われるリッチを、左手に合成のスキルを持った人物を。
そう、人形にしたリッチとねえ様を、合成のスキルによって一つにしようとしたのであった。
そしてその試みは『不幸』な事に成功してしまう。
ねえ様はアンデットとして、どんな病気も、どんな怪我にも耐えられる、そんな存在として蘇るのであった。
「体の方はどうなのだエフィール?」
「はい、いえ、特に不調なところはないようです」
「おお、おおお……」
とう様は、バルデスは、わらわは、皆泣きながらねえ様にしがみ付いた。
これが終わりの始まりだとは知らずに。
「バルデス、お前のした施術、生きた人間にも使えるのか?」
「可能でございます。すでに何体か成功事例もございます」
「ほほう……ほんとに自我は失われんのだろうな?」
「合成するアンデットの種類にもよります。一般兵士にリッチなど合成したら、逆にリッチに取り込まれることになりましょう」
なるほど、なるほど。ならば、余にふさわしいアンデットを見つけてくるのだ。
そうバルデスに命令するとう様であった。
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