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第九章

レベル145 新システム登場!スキル強化編!!

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 ☆11!?
 えっ、レア種って、11以上があったのか!?
 全面液晶の、スマホのようなミュージックプレイヤー。
 カメラだって付いてるぜ!

『ミュージックプレイヤー』
 ☆11・レベル1
 スキル:聴覚探知・極、鷹の目

 ライブが終わってカードを確かめて見ると、なんと☆11!

 てっきり☆10が最高レベルだと思っていたんだが、まだ上があったか。
 この先、12とか13とか出てきたりするのだろうか。
 しかしさすがは☆11! なんか凄そうなスキルもある。

「……!?」

 なにやら、それを見てカユサルが驚愕の表情をしている。

「師匠、これは、いったい何なんですか?」

 オレはこれの使い方をカユサルに説明する。

「音や映像を記録できる? そういったものは別に魔道具で普通に存在していますが……ん、……!?」

 カユサルがアイ○ッド、じゃなかった、ミュージックプレイヤーを聞いて、さらに驚きの表情を見せる。

「すごくいい音だ……しかも、映像もこんなに鮮明に映っている!」

 確かに、音を録音するだけなら魔法でなんとでもなるかもしれない。

 しかし! 音をいい状態で保存するならばどうだ!?
 これはそれ専門の機械!
 クリアな音声、クリアな画像! 先ほどのライブの状況が、それこそ目の前にあるかの様に再現されている。

 カユサルの奴が熱心にミュージックプレイヤーを操作している。
 なにやらオレに演奏しろと言ってくる。
 一曲ほど披露して見た後、プレイヤーを見てみる。

「おおっ、さっきより断然音が違うな」
「この聴覚探知・極ですが、音をそれぞれ分解して感じることが出来ます」
「ふむ」

 なにやら難しい説明をしてくれるが、さっぱり分からん。
 普通に録音するんじゃ駄目なのか?
 えっ、ダメ? 折角この機能があるのだから使いこなさないといけない?

 そんな事言われましても……そうだ! オレ達は演奏中には操作が出来ない、ここは一つ、手の空いてるカシュアに頼もう!

 などと、めんどくさくなったカユサルをカシュアに押し付ける事にする。
 しかし、この鷹の目の方はなんなんだ?
 ゲームだと、よく聞くスキルなんだが。確か、遠くを見るってパターンが多いんだっけかな。

 これに望遠鏡でもつくのかな?

 鷹の目発動! とかやってみたら、なんと! まるでドローンを飛ばしているかのように周りの風景がミュージックプレイヤーに映る。
 なるほど、これは、飛んでいる鷹の視界を、そのまま再現しているようだ。
 読んで字のごとくだな。

 まてよ……もしかしてコレを使えば、色々な所が覗き放題なんじゃ……
 クソッ! 壁の向こうは行けないか!
 ならば大回りに回って、空から侵入だ!

「何やっているんですか師匠?」

 うぉっ! びびらすなよお前!
 もうちょっとでピンクなシーンがって思った時、カユサルがカシュアを連れて戻ってくる。
 いや、そのですね、ちょっとした出来心なんですよぉ?

「その映像、録画されているんですよね? 見られたら唯では済まないと思うのですが」

 いかん! 削除! サクジョ! さくじょー!
 危ない、おおかた犯罪者になるとこだった。
 危険だなこのミュージックプレイヤー。☆11だけはある。取り扱い注意って貼っとかないとな。

「ところで、ボクはどうして連れて来られたのかな?」

 カユサルがカシュアに、ミュージックプレイヤーの使い方を説明している。

「ふむふむ、よし! 無理そうだね!」

 もっと粘れよ!

「ならば分かるまで特訓だ!」
「ええっ!?」

 なんでボクこんな役ばかりなのぉーー! って泣きそうな顔で引き摺られて行った。合唱。

 カユサル達と入れ替わりにラピスがやってくる。
 危なかった、さっきの場面、ラピスだったら問答無用でボコボコにされた上に没収されていたかもしれない。

「面白い事考えますねお坊ちゃま」
「いやあ、あの場面、思わず残しときたくなってな。うまくいって、……良かったのか、悪かったのか」
「まあ、いいんじゃないですか、色々楽しそうな使い方も出来そうですし」

 だよな! 覗きし放題って最高だよな!

「でもお坊ちゃまは使用禁止ですね」
「そんなぁああ!」

 まあ覗きは冗談だが、手軽に録音・録画出来るという事は使い道は色々ある。
 普通に、どこでも音楽が聞けるだけでもゲットした甲斐はある。
 エクサリーの声とか入れておけば、いつでも傍に居られる気がするしな!

「なんかキモイですね」
「キモイ言うなや!」
「しかし、無機物系はボーナスポイントが勿体無いですよね。このポイント、私が貰えればいいのに」

 ☆11のレアリティの所為か、初期ボーナスポイントがかなり多い。
 しかしながらギターや鉱石Mもそうだが、無機物系はパラメーターにポイントを振っても、ほぼ意味が無い。
 精々、防御力に振って壊れにくくするぐらい?

 後々、擬人化した時の為に取っておくのが一番かな。

「擬人化するとも限りませんしね」
「鉱石Mはしなかったしな」

 そして何気なくスキル欄に触れたときだった。
 スキル名が一瞬空白ゲージのようなものに変わり、最初の方に色が付いていく。

 ――――これは!?

「おいラピス! ちょっとコレを見てくれ!」
「……!? スキルに……ボーナスポイントを振れる……!?」

 なんと! このボーナスポイント、スキルにも振れる模様!
 たぶん、熟練度が上がると見た。
 と、いうことはだ、

「もしかしたら……」

 オレはエルフのレリンのカードを取りだす。
 レリンの奴は11レベル。しかしスキルは無し。そんなレリンはスキルが無い事を非常に気にしていた。
 無駄スキルと言われて家を追い出されたオレには、そんなレリンの気持ちは痛いほど分かる。

 なんとかレリンにスキルを生やしてやりたい。
 ボーナスポイントの欄をタップして、スキルの欄に触れて見る。
 するとだ! 薄っすらとグレーの文字が浮かび上がってくるのであった。
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