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第九章
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「ちょっとアクア、私にも残しといてくださいよ」
ボロボロと破片となって降り注ぐ鎧騎士。
「えっ、ボスはもらっていいかって? う~ん、じゃあ雑魚の鎧騎士は差し上げます。ボスは私がもらいます。えっ、横暴だって? 仕方ないでしょ、アレ爆発させる威力だと洞窟が崩れかねませんから」
うん、大丈夫そうだな。
言うほど強力な敵でもなさそうだ。
じゃあオレも、経験値を稼がせてもらおうかな。
「それならボクは下がっていてもいいかな?」
「ああ、アポロ達の護衛を頼む」
「任せてくれたまえ!」
カシュアと交代に前衛に出る。
なんだ、ほんとに大した事無いじゃないか?
あのお姉さん脅かしやがって。
ラピスが後方の巨大鎧騎士に踊りかかる。
正直勝負になっていない。
動きも遅いし、魔法も使ってこない。
防御力は高いんだろうが、ラピスの持っているドラスレに掛かれば、防御力は正直関係ない。
なんでも斬れるし。
ラピスの素早さにドラスレの攻撃力が合わされれば、防御力が高いだけの敵は相手にならない。
ちなみにオレの武器は鉱石Mだ。
普段は指輪にして指にはめている。
攻撃するときは剣に、防御するときは盾に変形させて使っている。
最初の頃は変形速度が遅くて、とっさに使えないものだったが、スキルの熟練度が上がったのか、最近ではそこそこの速度で切り替えることが出来るようになった。
まあ、まだまだスラミィの速度には到底及ばないがな。
というかアイツ、もう目で追えない速度で変形しているから、追いつける気はしなくなってきた。
「クイーズさん、なんかあの武器、使うようになってからカッコ良く見えるよね」
「そうッスね。カタナ、でしたっけ」
「…………元々クイーズはかっこいい」
どうせ自由に形を変えられるならと、見た目を日本刀にしている。
これが結構切れ味がいいんですよぉ。
擬態で変形させた場合、やはりというかなんというか、イメージに大きく左右される。
ロボットを作り出しても、中身まで詳細に考えないと動かない。
コクピットすら開かない。ただのプラモデルでござる。
だが、日本刀ならどうだ。
作り方に関しては、本である程度知っている。
作成過程は大変だが、変形で作り出すなら構造さえ理解できていれば問題ない。
問題は、素材が単一物って所か。
日本刀の『折れず、曲がらず、良く切れる』の原因ともなる、粘度の違う二つの素材を重ね合わすことは出来ない。
そして日本刀は実は実戦向きではなかったりもする。
刃こぼれがしやすく、刃物同士で切りあうのはもっての他だ。
だが、我等が鉱石M、刃こぼれしても瞬時に直せる。擬態、超便利。
即ち、砥石要らず! 切れ味は常に白ゲージ、マックスという訳だ。
そしてパラメーターは防御力にガン振り、即ち、折れず、曲がらず、非常に強固である。
うん、切れ味の部分が刃物加工なので、攻撃力に振ってもダメージが上がらなかったのは内緒だ。
しかし使いづらさは否めない。
刀はちゃんと引いて斬らないとダメージにならない。
西洋刀のようにぶっ叩く使い方は出来ない。
じゃあなんで、こんな武器使っているのかだって? そりゃおめえ……かっこいいからだろ?
ほら、女性ウケもいいし。ちょっとくらいオレだってキャーキャー言われたい!
「お坊ちゃまは行動が不純ですよね」
「むしろ、不純な動機がないのに戦闘する奴の方が怖いと思うんだが」
などと軽口を叩きながらモンスターを一掃していく。
すでにボスモンスターはラピスが討伐済みだ。
残りはほぼ雑魚のみとなっている。
ん、さっきまで文句言ってた前衛の方、剣を構えたまま硬直しているぞ?
「きっ、君たちは、ほんとにAランクなのかね!?」
えっ、そういや最近更新いってないな。
今ならSとれそうな気もする。
今度ピクサスレーンに戻った時にギルドに寄って見るか。
「ぴっ、ピクサスレーン、だって!?」
「どうりで……」
えっ、ここいらのSランクはピクサスレーンじゃBランクにも及ばない?
なんだランク詐欺か。
「そりゃ国によって基準が違うのは当然だろ? ピクサスレーンでは、生きているだけでBランククラスだと聞いた事がある」
いやさすがに普通の人は戦闘していませんよ?
まあ、草原に一歩出れば、さっきの小さい方の鎧騎士並はざらに出るけどね。
ん? どうしたアクア。
えっ、ちょっと試したい事がある?
爆発はダメだぞ? 違う? ふむ……ああ、いいぞ。
「ラピス、ちょっと下がっていてくれないか?」
「了解しました」
アクアの正面に水の膜ができる。
それがブワッと霧のようになってモンスターを覆いつくす。
するとだ、霧の中からすごい悲鳴が!
「ストップ! ストップ! お前、何やったの!?」
えっ、高熱の水蒸気を吹き付けた?
水蒸気爆発のダメージで、一番被害が多かったのが、高熱の水蒸気をかぶった火傷だったので、その部分だけ作り出せないかと考え付いたらしい。
そうすれば爆発の被害を出さずに敵を沈黙させられると。
うわぁ……ひでえ、焼け爛れてうごめいている無数の肉槐が……
前面一斉攻撃で逃げる場所も無く、かつ地形には影響を与えない。
だが、これはどうなんだ? いくらなんでも人非道すぎやしないか? えっ、火炎で焼くのも大して変わらないって?
そうなんだけど、そうなんだけども。
うん、気持ち悪いんで、やっぱこれは禁止ね。
ボロボロと破片となって降り注ぐ鎧騎士。
「えっ、ボスはもらっていいかって? う~ん、じゃあ雑魚の鎧騎士は差し上げます。ボスは私がもらいます。えっ、横暴だって? 仕方ないでしょ、アレ爆発させる威力だと洞窟が崩れかねませんから」
うん、大丈夫そうだな。
言うほど強力な敵でもなさそうだ。
じゃあオレも、経験値を稼がせてもらおうかな。
「それならボクは下がっていてもいいかな?」
「ああ、アポロ達の護衛を頼む」
「任せてくれたまえ!」
カシュアと交代に前衛に出る。
なんだ、ほんとに大した事無いじゃないか?
あのお姉さん脅かしやがって。
ラピスが後方の巨大鎧騎士に踊りかかる。
正直勝負になっていない。
動きも遅いし、魔法も使ってこない。
防御力は高いんだろうが、ラピスの持っているドラスレに掛かれば、防御力は正直関係ない。
なんでも斬れるし。
ラピスの素早さにドラスレの攻撃力が合わされれば、防御力が高いだけの敵は相手にならない。
ちなみにオレの武器は鉱石Mだ。
普段は指輪にして指にはめている。
攻撃するときは剣に、防御するときは盾に変形させて使っている。
最初の頃は変形速度が遅くて、とっさに使えないものだったが、スキルの熟練度が上がったのか、最近ではそこそこの速度で切り替えることが出来るようになった。
まあ、まだまだスラミィの速度には到底及ばないがな。
というかアイツ、もう目で追えない速度で変形しているから、追いつける気はしなくなってきた。
「クイーズさん、なんかあの武器、使うようになってからカッコ良く見えるよね」
「そうッスね。カタナ、でしたっけ」
「…………元々クイーズはかっこいい」
どうせ自由に形を変えられるならと、見た目を日本刀にしている。
これが結構切れ味がいいんですよぉ。
擬態で変形させた場合、やはりというかなんというか、イメージに大きく左右される。
ロボットを作り出しても、中身まで詳細に考えないと動かない。
コクピットすら開かない。ただのプラモデルでござる。
だが、日本刀ならどうだ。
作り方に関しては、本である程度知っている。
作成過程は大変だが、変形で作り出すなら構造さえ理解できていれば問題ない。
問題は、素材が単一物って所か。
日本刀の『折れず、曲がらず、良く切れる』の原因ともなる、粘度の違う二つの素材を重ね合わすことは出来ない。
そして日本刀は実は実戦向きではなかったりもする。
刃こぼれがしやすく、刃物同士で切りあうのはもっての他だ。
だが、我等が鉱石M、刃こぼれしても瞬時に直せる。擬態、超便利。
即ち、砥石要らず! 切れ味は常に白ゲージ、マックスという訳だ。
そしてパラメーターは防御力にガン振り、即ち、折れず、曲がらず、非常に強固である。
うん、切れ味の部分が刃物加工なので、攻撃力に振ってもダメージが上がらなかったのは内緒だ。
しかし使いづらさは否めない。
刀はちゃんと引いて斬らないとダメージにならない。
西洋刀のようにぶっ叩く使い方は出来ない。
じゃあなんで、こんな武器使っているのかだって? そりゃおめえ……かっこいいからだろ?
ほら、女性ウケもいいし。ちょっとくらいオレだってキャーキャー言われたい!
「お坊ちゃまは行動が不純ですよね」
「むしろ、不純な動機がないのに戦闘する奴の方が怖いと思うんだが」
などと軽口を叩きながらモンスターを一掃していく。
すでにボスモンスターはラピスが討伐済みだ。
残りはほぼ雑魚のみとなっている。
ん、さっきまで文句言ってた前衛の方、剣を構えたまま硬直しているぞ?
「きっ、君たちは、ほんとにAランクなのかね!?」
えっ、そういや最近更新いってないな。
今ならSとれそうな気もする。
今度ピクサスレーンに戻った時にギルドに寄って見るか。
「ぴっ、ピクサスレーン、だって!?」
「どうりで……」
えっ、ここいらのSランクはピクサスレーンじゃBランクにも及ばない?
なんだランク詐欺か。
「そりゃ国によって基準が違うのは当然だろ? ピクサスレーンでは、生きているだけでBランククラスだと聞いた事がある」
いやさすがに普通の人は戦闘していませんよ?
まあ、草原に一歩出れば、さっきの小さい方の鎧騎士並はざらに出るけどね。
ん? どうしたアクア。
えっ、ちょっと試したい事がある?
爆発はダメだぞ? 違う? ふむ……ああ、いいぞ。
「ラピス、ちょっと下がっていてくれないか?」
「了解しました」
アクアの正面に水の膜ができる。
それがブワッと霧のようになってモンスターを覆いつくす。
するとだ、霧の中からすごい悲鳴が!
「ストップ! ストップ! お前、何やったの!?」
えっ、高熱の水蒸気を吹き付けた?
水蒸気爆発のダメージで、一番被害が多かったのが、高熱の水蒸気をかぶった火傷だったので、その部分だけ作り出せないかと考え付いたらしい。
そうすれば爆発の被害を出さずに敵を沈黙させられると。
うわぁ……ひでえ、焼け爛れてうごめいている無数の肉槐が……
前面一斉攻撃で逃げる場所も無く、かつ地形には影響を与えない。
だが、これはどうなんだ? いくらなんでも人非道すぎやしないか? えっ、火炎で焼くのも大して変わらないって?
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