120 / 279
第八章
レベル120
しおりを挟む「お兄ちゃん、私の所為で怒られたの?」
オレとラピスの話が、どうやら部屋の外まで聞こえていたらしくて、心配そうな顔をしたレリンが駆け寄って来る。
「大丈夫だ。レリンが心配する事はなにもない」
その頭をなでながらそう答える。
「でも……私みたいに、なんの役にも立たないモンスターをげっとしても……」
「今は、だろ?」
「お兄ちゃん……」
オレはお前の将来に期待している!
きっとお前は素晴らしい魔法戦士になる。に違いない!
「……うん! がんばる!」
ラピスが、ハァ……とため息を付いて立ち上がる。
「まあいいでしょ。見たところ、今クラスチェンジしても碌な物がありませんね。クラスチェンジして戦力アップになりそうなのは、ハーモア、サウ、レリンの3名ぐらいです」
そんなにひどいのか?
「今ここに無いカードはどうだか知りませんが……カシュアのとかひどいですよ?」
ふむふむ、うわっニクダルマやっ! こわっ!
膨張して街とか破壊しそうだな。
ギターにお料理セットは普通に元のモンスターになるだけだし、骸骨と竜王はクリスタルカードで見ても大して変化が無い模様。
鉱石Mに至っては、見た所、なにが変わったか分からないレベル。
「ハーモアは虎になるのか?」
「虎じゃねえ! ライオンだ!」
まあメスの場合は区別つかねえし。
いたたた、冗談だって!
「それでは、今後の育成方法は、レリンを20レベルにしてエロフにする。でいいですね」
「だな」
「はいっ!」
ちょうどその時、エクサリーが店から帰ってくる。
あっ、ちょっとそこのロリドラゴン! いい顔してどこへ行く!?
「ガウガウ、クイーズガ、マタ、コドモコサエタ!」
ちょっ、おおお、おまっ、言い方! その言い方はまずいだろっ!
「また?」
笑顔でロリドラゴンを迎えようとしたエクサリーの表情が凍り付く。
「こいつ浮気してたぞ! いやらしい目つきで顔をナデナデしてた!」
ハーモアの奴までそれにのっかかる。
サウが隣でウンウンと頷いている。
しかも言った後逃げ出しやがった。
「どういう事かなクイーズ」
凍りついた笑顔で迫ってくるエクサリーさん。うぉっ、これはこれで怖い。
「いやだなあ……ボクが浮気なんてするはずないじゃないですか~」
オレはエクサリーの両頬に人差し指をそれぞれあてて笑い顔を作る。うん、怖い。
なんか悪魔がニタァって感じになった。
「何やってるのクイーズ?」
「いや、こうすれば少しは怖くなくなるかなと。逆に悪魔の微笑みになったがな」
「………………」
あっ、ヤバイ。エクサリーの目がだんだんつり上がって行く。
スマイル、スマイルっすよ?
――ニタァ
「ひぃいいい!」
なんとか事情を話して許してもらった。
「もう、ロゥリちゃんもあまりからかっちゃだめよ」
「デモコイツ、ゲットシタラビジンガ・・モゴモゴ」
おい! いらんでいいことは言わんでよろしい。
――ガブリ
「イダダダ! このクソドラゴン!」
「ガウガウ!」
「もう、こんな所で暴れちゃダメよ」
そしてその日の夜中。
「えっ、一緒に寝る?」
どうやらまだ幼かったようで、一人では寝られないご様子。
まあいいか、一緒に寝るかってなったんだが。
「ずるいぞ! ハーも一緒に寝る!」
ハーモアの奴まで潜り込んでくる始末。
ちなみに、サウの奴は前から足元に潜り込んで来ている。小さいから皆、気にはしていなかった。
「…………じゃあ私も」
いやいや、さすがにアポロさんはまずいっしょ。
なお、ロリドラゴンの奴は冬場は潜り込んでくるが、夏場は熱いので寄り付いてこない。ほんと自由な奴だ。
「お坊ちゃま、モテモテですね~」
「幼女にモテてもなあ」
で、いざ寝ようとした時、なにやらシクシクと泣き始めるレリン。
堪えていたものが溢れだした模様。
それにつられてハーモアの奴まで泣きだす始末。
サウの奴が一生懸命二人を笑わそうと変顔をしている。
オレはそんな三人を胸に抱きかかえてゴロンと横になる。
「今は泣いて良いぞ。泣けるだけ泣いて、涙を枯らしておけ。そうすれば明日はきっと笑える」
なにやらサウの奴まで泣きだし始めた。
こいつの両親はどうだか知らないが、孤児にはかわりない。
もしかしたら悪戯癖も、寂しさを紛らわせる為の手段だったのかもしれない。
「オレ達はもう家族なんだ。血よりも濃い、同じ命を共有する存在なんだ。互いが互いを支えあい、皆で一緒に生きていこう」
「お兄ちゃん……」
「ウウッ……」
と、そこへ、バンと扉を開けてロリドラゴンが飛び込んでくる。
「イダダダ! 何しやがるこのクソドラゴン!」
「ナカシタナ! テンチュウ!」
だから、天誅じゃねえ!
格闘を繰り広げるオレとロリドラゴンを見て、いつの間にか三人の顔に笑顔が溢れているのだった。
オレとラピスの話が、どうやら部屋の外まで聞こえていたらしくて、心配そうな顔をしたレリンが駆け寄って来る。
「大丈夫だ。レリンが心配する事はなにもない」
その頭をなでながらそう答える。
「でも……私みたいに、なんの役にも立たないモンスターをげっとしても……」
「今は、だろ?」
「お兄ちゃん……」
オレはお前の将来に期待している!
きっとお前は素晴らしい魔法戦士になる。に違いない!
「……うん! がんばる!」
ラピスが、ハァ……とため息を付いて立ち上がる。
「まあいいでしょ。見たところ、今クラスチェンジしても碌な物がありませんね。クラスチェンジして戦力アップになりそうなのは、ハーモア、サウ、レリンの3名ぐらいです」
そんなにひどいのか?
「今ここに無いカードはどうだか知りませんが……カシュアのとかひどいですよ?」
ふむふむ、うわっニクダルマやっ! こわっ!
膨張して街とか破壊しそうだな。
ギターにお料理セットは普通に元のモンスターになるだけだし、骸骨と竜王はクリスタルカードで見ても大して変化が無い模様。
鉱石Mに至っては、見た所、なにが変わったか分からないレベル。
「ハーモアは虎になるのか?」
「虎じゃねえ! ライオンだ!」
まあメスの場合は区別つかねえし。
いたたた、冗談だって!
「それでは、今後の育成方法は、レリンを20レベルにしてエロフにする。でいいですね」
「だな」
「はいっ!」
ちょうどその時、エクサリーが店から帰ってくる。
あっ、ちょっとそこのロリドラゴン! いい顔してどこへ行く!?
「ガウガウ、クイーズガ、マタ、コドモコサエタ!」
ちょっ、おおお、おまっ、言い方! その言い方はまずいだろっ!
「また?」
笑顔でロリドラゴンを迎えようとしたエクサリーの表情が凍り付く。
「こいつ浮気してたぞ! いやらしい目つきで顔をナデナデしてた!」
ハーモアの奴までそれにのっかかる。
サウが隣でウンウンと頷いている。
しかも言った後逃げ出しやがった。
「どういう事かなクイーズ」
凍りついた笑顔で迫ってくるエクサリーさん。うぉっ、これはこれで怖い。
「いやだなあ……ボクが浮気なんてするはずないじゃないですか~」
オレはエクサリーの両頬に人差し指をそれぞれあてて笑い顔を作る。うん、怖い。
なんか悪魔がニタァって感じになった。
「何やってるのクイーズ?」
「いや、こうすれば少しは怖くなくなるかなと。逆に悪魔の微笑みになったがな」
「………………」
あっ、ヤバイ。エクサリーの目がだんだんつり上がって行く。
スマイル、スマイルっすよ?
――ニタァ
「ひぃいいい!」
なんとか事情を話して許してもらった。
「もう、ロゥリちゃんもあまりからかっちゃだめよ」
「デモコイツ、ゲットシタラビジンガ・・モゴモゴ」
おい! いらんでいいことは言わんでよろしい。
――ガブリ
「イダダダ! このクソドラゴン!」
「ガウガウ!」
「もう、こんな所で暴れちゃダメよ」
そしてその日の夜中。
「えっ、一緒に寝る?」
どうやらまだ幼かったようで、一人では寝られないご様子。
まあいいか、一緒に寝るかってなったんだが。
「ずるいぞ! ハーも一緒に寝る!」
ハーモアの奴まで潜り込んでくる始末。
ちなみに、サウの奴は前から足元に潜り込んで来ている。小さいから皆、気にはしていなかった。
「…………じゃあ私も」
いやいや、さすがにアポロさんはまずいっしょ。
なお、ロリドラゴンの奴は冬場は潜り込んでくるが、夏場は熱いので寄り付いてこない。ほんと自由な奴だ。
「お坊ちゃま、モテモテですね~」
「幼女にモテてもなあ」
で、いざ寝ようとした時、なにやらシクシクと泣き始めるレリン。
堪えていたものが溢れだした模様。
それにつられてハーモアの奴まで泣きだす始末。
サウの奴が一生懸命二人を笑わそうと変顔をしている。
オレはそんな三人を胸に抱きかかえてゴロンと横になる。
「今は泣いて良いぞ。泣けるだけ泣いて、涙を枯らしておけ。そうすれば明日はきっと笑える」
なにやらサウの奴まで泣きだし始めた。
こいつの両親はどうだか知らないが、孤児にはかわりない。
もしかしたら悪戯癖も、寂しさを紛らわせる為の手段だったのかもしれない。
「オレ達はもう家族なんだ。血よりも濃い、同じ命を共有する存在なんだ。互いが互いを支えあい、皆で一緒に生きていこう」
「お兄ちゃん……」
「ウウッ……」
と、そこへ、バンと扉を開けてロリドラゴンが飛び込んでくる。
「イダダダ! 何しやがるこのクソドラゴン!」
「ナカシタナ! テンチュウ!」
だから、天誅じゃねえ!
格闘を繰り広げるオレとロリドラゴンを見て、いつの間にか三人の顔に笑顔が溢れているのだった。
0
お気に入りに追加
388
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
聖女級の治癒力でも、魔族だとバレるのはよくないようです ~その聖女、魔族で魔王の嫁につき~
稲山裕
ファンタジー
これは、不幸な死に方をした人々を救うために、女神が用意していた世界。
転生者は皆、何かしら幸せを感じられるように、何らかの力を持って転生する。
人間の国ではその力を重宝されて地位や名声を得ているし、脳筋でも勇者と称えられる。
今回そこに落ちたのは、女子高生サラ。
人ではなく魔族として転生したせいで、他の転生者とは違って魔王の元に……というか、魔王の妻になってしまった。
女神の手違いか、それとも意図通りか。
手荒な歓迎を受けるも、持ち前の性格のお陰でそれなりに楽しく過ごしていたが……。
授かったはずの治癒魔法は、魔族には全く不要な力だった。
それから数カ月――。
魔王城の生活に慣れてきた頃、せっかくだから治癒魔法を学びたいと言ったばかりに、人間の国に放り出されることになる
。
《この作品は『小説になろう』、『カクヨム』、『アルファポリス』、『テラーノベル』でも投稿しています》
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
神様のミスで女に転生したようです
結城はる
ファンタジー
34歳独身の秋本修弥はごく普通の中小企業に勤めるサラリーマンであった。
いつも通り起床し朝食を食べ、会社へ通勤中だったがマンションの上から人が落下してきて下敷きとなってしまった……。
目が覚めると、目の前には絶世の美女が立っていた。
美女の話を聞くと、どうやら目の前にいる美女は神様であり私は死んでしまったということらしい
死んだことにより私の魂は地球とは別の世界に迷い込んだみたいなので、こっちの世界に転生させてくれるそうだ。
気がついたら、洞窟の中にいて転生されたことを確認する。
ん……、なんか違和感がある。股を触ってみるとあるべきものがない。
え……。
神様、私女になってるんですけどーーーー!!!
小説家になろうでも掲載しています。
URLはこちら→「https://ncode.syosetu.com/n7001ht/」
聖人様は自重せずに人生を楽しみます!
紫南
ファンタジー
前世で多くの国々の王さえも頼りにし、慕われていた教皇だったキリアルートは、神として迎えられる前に、人としての最後の人生を与えられて転生した。
人生を楽しむためにも、少しでも楽に、その力を発揮するためにもと生まれる場所を神が選んだはずだったのだが、早々に送られたのは問題の絶えない辺境の地だった。これは神にも予想できなかったようだ。
そこで前世からの性か、周りが直面する問題を解決していく。
助けてくれるのは、情報通で特異技能を持つ霊達や従魔達だ。キリアルートの役に立とうと時に暴走する彼らに振り回されながらも楽しんだり、当たり前のように前世からの能力を使うキリアルートに、お供達が『ちょっと待て』と言いながら、世界を見聞する。
裏方として人々を支える生き方をしてきた聖人様は、今生では人々の先頭に立って駆け抜けて行く!
『好きに生きろと言われたからには目一杯今生を楽しみます!』
ちょっと腹黒なところもある元聖人様が、お供達と好き勝手にやって、周りを驚かせながらも世界を席巻していきます!
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる