59 / 279
第四章
レベル59 ドラスレ軽量化!
しおりを挟む
「出でよ! ドラゴンスレイヤー! と、もいっちょ、ドラゴンスレイヤー! どんどんいくぜ、ドラゴンスレイヤー!」
こないだブラックドラゴンが暴れた洞窟、非常に硬いが、トロくさいモンスターばかりだった。
と、いうことはだ。いいドラスレの的でござる。
こないだの骸骨王戦でも経験値が入って8レベル。残り2レベルを稼ぐべく、モンスター退治をしているところだった。
「しかし、目ぼしいモンスターは見つかりませんね」
それと、合計レベルが80に達しカードも一枚増えた。
良さそうなのがいればゲットしようかとも思っている。
ちなみに、ダチョウの奴にモンスターカードを掲げたが反応しなかった。
殴ってヒットポイント減らすのも気が引けたので、とりあえず後回しにした。
暫くは遠出をする予定もないしな。
「骸骨王がハズレだったからな。もっとよく考えてゲットしたほうがいいかも知れない」
「アレはアレで当たりだった気もしますがね」
まあ、骸骨王のおかげで攻めてきた隣国を撃退出来たのは確かか。
ちょっとやりすぎた気もしない事もないが。
とりあえず、何はともあれ今はドラスレだ。
スキルを持たないドラスレ。
同じく、スキルを持っていなかったメタルスライムが、10レベルでスキルを会得したという事は、ドラスレも10レベルでスキルが生える可能性大!
ぜひとも重量軽減、おねシャス!
格闘家のお姉さんは、とにかくスラミィたんとお話がしたい、と、願っていてああなったので、オレもひたすら、減らせよ体重! の思いでドラスレを落としている。
早々に9レベルになったので、今か今かとカードのレベルを確認していたところ、ついに来ました! 10レベル!
裏をひっくり返すと、うっすらと文字が浮かび上がってきている。
おおっ! キタ! キタキタキタァアア!
そこにはスキル・重量軽減の文字が!
ヨッシャアァアア!
『出でよ! ドラゴンスレイヤー!』アンド『重量軽減発動!』
――ドスンッ!
「うぉぉおおおお、腕がぁ! 肩がぁああ! いでででで!」
えっ、なんで? どうして? 確かに重量軽減発動させたよな?
いや待てよ……総重量が仮に100トンだとしよう。
重量軽減でどれくらい減るかしらないが、90%軽減したとして10トン。うん、普通に無理だな。
たとえ、99.9%ダウンだとしても100キロ、なんとか希望が持てるレベル。
このスキル、使えねえぇええジャン!
な、なんてこった……
オレは地面をジーザスと言って殴りつける。
「お坊ちゃま、なんかおまけがあるようですよ」
「ん?」
ラピスがカードの裏面を見せてくる。そこには――――擬態、の文字が。どうやら二つ同時にスキルが生えた模様。
えっ、擬態? メタルスライムと同じ奴? えっ、こいつも人間化するの?
ふと見ると、ドラスレが光ってござる。
徐々に形を変えていき、そこには――――小さな、まっぱの女の子が立っていた。
おおっ! ここにきて定番のロリドラゴンですか!
ちょっと、ドラスレの大きさが足りなかったのか背の高さはオレの半分ぐらい。
ちっちゃくてチャーミングな美少女である。
と、その少女の目がオレを捕らえたかと思うと、徐に駆け寄って来る。
そうだぞ、オレが君のご主人様だ。さあおいで、この腕の中へ。
ん? その拳なに?
『止まれ!』
オレの目の前には少女の拳が! ヒィッ!
えっ、もしかして今、殴られそうに?
このドラスレ、ボーナスポイントは全部、攻撃力に振ってんだよね。なにせ他の部分に振っても全然意味ないから。
そしてそんな攻撃力で殴られでもしたら……オレの頭がはじけちゃうよ!
「コロス、オマエダケハ、ゼッタイニ!」
歯をむき出しにして、威嚇しながらオレの事を睨んでくる。
えっ、ラピスたん、これどういう事?
「随分恨まれて居ますねぇ……」
「えっ、なんで?」
やっぱアレかな? ドラゴンはプライドが高いから、カードにされて使役されるってのが我慢出来ないとか。
「それについては、まあ、ない事もありませんが……問題は剣にした後の話ですかねえ」
ふむふむ。
このドラスレを見世物の様に扱って腕自慢大会を開催した。
そして岩に差したまま外に野ざらし。
鍛冶屋さん達と一緒に、溶けた鉄にぶっこんだり、金槌でぶっ叩いたり……
おや? 恨まれるような事しかしてないな。
「コロシテヤルゥウウウ!」
「どっどっど、どうしたらいい。助けてラピえも~ん!」
「誰がラピえも~んですか。これはまずいですね、リアルに殺意が溢れています」
まあまあ、落ち着きたまえ。
万が一オレが死ぬと、君も死んじゃうんだよ。
オレ達は一心同体! 過去の事は水に流して、未来志向でいこうではないか!
――ガチンッ!
「ヒィイイ!」
握手を求めようとしたオレの手を噛み千切ろうとする。
オレは泣きそうな目でラピスを見つめる。
「ハァ……お坊ちゃまは暫く、その子には近づかないほうがいいですね」
こないだブラックドラゴンが暴れた洞窟、非常に硬いが、トロくさいモンスターばかりだった。
と、いうことはだ。いいドラスレの的でござる。
こないだの骸骨王戦でも経験値が入って8レベル。残り2レベルを稼ぐべく、モンスター退治をしているところだった。
「しかし、目ぼしいモンスターは見つかりませんね」
それと、合計レベルが80に達しカードも一枚増えた。
良さそうなのがいればゲットしようかとも思っている。
ちなみに、ダチョウの奴にモンスターカードを掲げたが反応しなかった。
殴ってヒットポイント減らすのも気が引けたので、とりあえず後回しにした。
暫くは遠出をする予定もないしな。
「骸骨王がハズレだったからな。もっとよく考えてゲットしたほうがいいかも知れない」
「アレはアレで当たりだった気もしますがね」
まあ、骸骨王のおかげで攻めてきた隣国を撃退出来たのは確かか。
ちょっとやりすぎた気もしない事もないが。
とりあえず、何はともあれ今はドラスレだ。
スキルを持たないドラスレ。
同じく、スキルを持っていなかったメタルスライムが、10レベルでスキルを会得したという事は、ドラスレも10レベルでスキルが生える可能性大!
ぜひとも重量軽減、おねシャス!
格闘家のお姉さんは、とにかくスラミィたんとお話がしたい、と、願っていてああなったので、オレもひたすら、減らせよ体重! の思いでドラスレを落としている。
早々に9レベルになったので、今か今かとカードのレベルを確認していたところ、ついに来ました! 10レベル!
裏をひっくり返すと、うっすらと文字が浮かび上がってきている。
おおっ! キタ! キタキタキタァアア!
そこにはスキル・重量軽減の文字が!
ヨッシャアァアア!
『出でよ! ドラゴンスレイヤー!』アンド『重量軽減発動!』
――ドスンッ!
「うぉぉおおおお、腕がぁ! 肩がぁああ! いでででで!」
えっ、なんで? どうして? 確かに重量軽減発動させたよな?
いや待てよ……総重量が仮に100トンだとしよう。
重量軽減でどれくらい減るかしらないが、90%軽減したとして10トン。うん、普通に無理だな。
たとえ、99.9%ダウンだとしても100キロ、なんとか希望が持てるレベル。
このスキル、使えねえぇええジャン!
な、なんてこった……
オレは地面をジーザスと言って殴りつける。
「お坊ちゃま、なんかおまけがあるようですよ」
「ん?」
ラピスがカードの裏面を見せてくる。そこには――――擬態、の文字が。どうやら二つ同時にスキルが生えた模様。
えっ、擬態? メタルスライムと同じ奴? えっ、こいつも人間化するの?
ふと見ると、ドラスレが光ってござる。
徐々に形を変えていき、そこには――――小さな、まっぱの女の子が立っていた。
おおっ! ここにきて定番のロリドラゴンですか!
ちょっと、ドラスレの大きさが足りなかったのか背の高さはオレの半分ぐらい。
ちっちゃくてチャーミングな美少女である。
と、その少女の目がオレを捕らえたかと思うと、徐に駆け寄って来る。
そうだぞ、オレが君のご主人様だ。さあおいで、この腕の中へ。
ん? その拳なに?
『止まれ!』
オレの目の前には少女の拳が! ヒィッ!
えっ、もしかして今、殴られそうに?
このドラスレ、ボーナスポイントは全部、攻撃力に振ってんだよね。なにせ他の部分に振っても全然意味ないから。
そしてそんな攻撃力で殴られでもしたら……オレの頭がはじけちゃうよ!
「コロス、オマエダケハ、ゼッタイニ!」
歯をむき出しにして、威嚇しながらオレの事を睨んでくる。
えっ、ラピスたん、これどういう事?
「随分恨まれて居ますねぇ……」
「えっ、なんで?」
やっぱアレかな? ドラゴンはプライドが高いから、カードにされて使役されるってのが我慢出来ないとか。
「それについては、まあ、ない事もありませんが……問題は剣にした後の話ですかねえ」
ふむふむ。
このドラスレを見世物の様に扱って腕自慢大会を開催した。
そして岩に差したまま外に野ざらし。
鍛冶屋さん達と一緒に、溶けた鉄にぶっこんだり、金槌でぶっ叩いたり……
おや? 恨まれるような事しかしてないな。
「コロシテヤルゥウウウ!」
「どっどっど、どうしたらいい。助けてラピえも~ん!」
「誰がラピえも~んですか。これはまずいですね、リアルに殺意が溢れています」
まあまあ、落ち着きたまえ。
万が一オレが死ぬと、君も死んじゃうんだよ。
オレ達は一心同体! 過去の事は水に流して、未来志向でいこうではないか!
――ガチンッ!
「ヒィイイ!」
握手を求めようとしたオレの手を噛み千切ろうとする。
オレは泣きそうな目でラピスを見つめる。
「ハァ……お坊ちゃまは暫く、その子には近づかないほうがいいですね」
0
お気に入りに追加
388
あなたにおすすめの小説
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
【完結】伝説の悪役令嬢らしいので本編には出ないことにしました~執着も溺愛も婚約破棄も全部お断りします!~
イトカワジンカイ
恋愛
「目には目をおおおお!歯には歯をおおおお!」
どごおおおぉっ!!
5歳の時、イリア・トリステンは虐められていた少年をかばい、いじめっ子をぶっ飛ばした結果、少年からとある書物を渡され(以下、悪役令嬢テンプレなので略)
ということで、自分は伝説の悪役令嬢であり、攻略対象の王太子と婚約すると断罪→死刑となることを知ったイリアは、「なら本編にでなやきゃいいじゃん!」的思考で、王家と関わらないことを決意する。
…だが何故か突然王家から婚約の決定通知がきてしまい、イリアは侯爵家からとんずらして辺境の魔術師ディボに押しかけて弟子になることにした。
それから12年…チートの魔力を持つイリアはその魔法と、トリステン家に伝わる気功を駆使して診療所を開き、平穏に暮らしていた。そこに王家からの使いが来て「不治の病に倒れた王太子の病気を治せ」との命令が下る。
泣く泣く王都へ戻ることになったイリアと旅に出たのは、幼馴染で兄弟子のカインと、王の使いで来たアイザック、女騎士のミレーヌ、そして以前イリアを助けてくれた騎士のリオ…
旅の途中では色々なトラブルに見舞われるがイリアはそれを拳で解決していく。一方で何故かリオから熱烈な求愛を受けて困惑するイリアだったが、果たしてリオの思惑とは?
更には何故か第一王子から執着され、なぜか溺愛され、さらには婚約破棄まで!?
ジェットコースター人生のイリアは持ち前のチート魔力と前世での知識を用いてこの苦境から立ち直り、自分を断罪した人間に逆襲できるのか?
困難を力でねじ伏せるパワフル悪役令嬢の物語!
※地学の知識を織り交ぜますが若干正確ではなかったりもしますが多めに見てください…
※ゆるゆる設定ですがファンタジーということでご了承ください…
※小説家になろう様でも掲載しております
※イラストは湶リク様に描いていただきました
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
【完結】クビだと言われ、実家に帰らないといけないの?と思っていたけれどどうにかなりそうです。
まりぃべる
ファンタジー
「お前はクビだ!今すぐ出て行け!!」
そう、第二王子に言われました。
そんな…せっかく王宮の侍女の仕事にありつけたのに…!
でも王宮の庭園で、出会った人に連れてこられた先で、どうにかなりそうです!?
☆★☆★
全33話です。出来上がってますので、随時更新していきます。
読んでいただけると嬉しいです。
婚約破棄は結構ですけど
久保 倫
ファンタジー
「ロザリンド・メイア、お前との婚約を破棄する!」
私、ロザリンド・メイアは、クルス王太子に婚約破棄を宣告されました。
「商人の娘など、元々余の妃に相応しくないのだ!」
あーそうですね。
私だって王太子と婚約なんてしたくありませんわ。
本当は、お父様のように商売がしたいのです。
ですから婚約破棄は望むところですが、何故に婚約破棄できるのでしょう。
王太子から婚約破棄すれば、銀貨3万枚の支払いが発生します。
そんなお金、無いはずなのに。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる