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第四章
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「まずは、お坊ちゃまを王位につけ、要職を少しずつ削り、最終的には抵抗勢力を一掃ですか」
「ほほう、我輩の考えていた事が分かるのかね」
骸骨王が、我輩の知識・経験を持ってすれば、数年もいらぬ話だったのにな。と手に持った酒杯を高々と掲げる。
「スキル『カード統率』どうやらこれには、カード内のモンスター達の考えている事が分かるようですね」
「……まあそれも、主によって力尽くで達成されてしまったがな」
ラピスが手に持ったステッキをカツンとならす。
「今回はお坊ちゃまにとって害のない事でしたから放置しましたが、あまり勝手な事は辞めて頂きたいものですね」
「最初は持ち上げておいて、仕事の内容を聞きだし次代に移す。片付けは、使えなくなってからでも遅くはない。おかげで我輩の仕事が山ほど出来てしもうた」
「ご不満があるのなら解放してさしあげましょうか?」
ラピスが骸骨王のカードを手に掲げる。
「お坊ちゃまには言っていませんが、どうやら私には、カードからモンスターを切り離す権限があるようです」
「……なるほどなるほど、主が神であるとするならば、そなたは我々の王であるということか」
さてどうでしょうかね、と言いながらカードを机の上に置く。
「我輩の考えが知れておるのなら態々口に出す事もないであろうが……こう見えて、主には深く感謝しておる。決して翻意はない」
「なら、お坊ちゃまを試すような事もしないでください」
「我輩が二度も出し抜かれたのだ、どのような人物か、少しは知ろうとしてもバチはあたらんだろう」
ラピスの射すくめるような視線に肩をすくめる骸骨王。
ラピスは一つ大きなため息を吐くとカードをしまう。
「ほどほどにしてくださいね」
「了解した」
などというやり取りがあった事とは露知らず、オレは本日もエクサリーさんの愛妻料理を平らげる。
いや~、相変わらずうまいッスよね~。
料理はうまい! 気立てもいい! 性格は文句なし!
ほんと、あの顔さえなければモテモテ間違いなし!
ウォッ! 般若が来た!
「ブッ!」
「ブハッ!」
「なに! いったいどこへ襲撃しに行くの!?」
「どこにも襲撃しない」
朝食の準備が終わって一旦部屋に戻り、帰ってきたエクサリーさん。顔が歌舞伎のように……
「お化粧を頑張って見た」
「「「………………」」」
おい、お前ちゃんと感想言ってやれよ。って、つついてくるおやっさん。
いやおめえ、ホントの事言っていいの?
ダメに決まってんだろ。って、いったいどうしろと?
ちょっと直視に耐えないんですが。あれ絶対、子供が見たらトラウマになるレベル。
と、ポタポタとスプーンからスープを零しながら絶句していたアポロが立ち上がる。
そしてエクサリーの手を引いてどこかに連れて行った。
暫くして戻ってきたエクサリーに、これまた全員が絶句する。
「あちっ、アチチチ!」
おやっさん、そこ口じゃない、ほっぺッスよ?
オレは震える指で、思わずエクサリーさんを指し示してしまう。
「だっ、誰。いやエクサリーなのは分かる。分かるんだけど……これはもう、エクサリー改とでも言おうか……」
そこには、キリッと佇む、そう、誰が見ても――――絶世の美人としか見えない人物が立っていた。
隣に居るアポロが、ない胸を張っている。
怖い部分は鳴りを潜め、美人な部分だけを強調した、なんかそんな感じがする。
えっ、女性って化粧でこんなに変わるものなの!?
えっ、ヤバいよ。こんな姿で店番に出た日には不埒な男共が殺到する事請け合い。
先ほども言ったが、エクサリーさんは、料理良し! 気立て良し! 性格良し! の三拍子。それにこの顔が加われば……
ダメダメダメ! 絶対まずい! なんて事してくれたのアポロさん! ありがとうございます! じゃなかった、ヤバイんスよ!
「ど、どうかな……」
「ダメだ!」
「ええっ!?」
「そんな綺麗な顔で外を歩いたら、絶対に取られてしまう! エクサリーはオレのもんだ!」
なんだか錯乱して、とんでもない事を口走っています。
き、綺麗だなんて……て、両手を頬に当ててイヤイヤしている。ズキューンってキタっす!
アポロ! オレは今日から、お前を美の女神として称えようではないか!
「ちょっとアポロ、良かったの? 敵に塩を送るような事して」
「そうッスよ、せっかく、こないだのホッペにチュウでポイント稼いだのに」
なんかアポロがハッとした表情を見せる。
そしてオロオロとオレとエクサリーを見比べて……最終的には何か悟ったような顔をする。
「…………クイーズが喜んだ。私は満足」
「アポロ……」
「ウゥッ、切ないッス」
「ほほう、我輩の考えていた事が分かるのかね」
骸骨王が、我輩の知識・経験を持ってすれば、数年もいらぬ話だったのにな。と手に持った酒杯を高々と掲げる。
「スキル『カード統率』どうやらこれには、カード内のモンスター達の考えている事が分かるようですね」
「……まあそれも、主によって力尽くで達成されてしまったがな」
ラピスが手に持ったステッキをカツンとならす。
「今回はお坊ちゃまにとって害のない事でしたから放置しましたが、あまり勝手な事は辞めて頂きたいものですね」
「最初は持ち上げておいて、仕事の内容を聞きだし次代に移す。片付けは、使えなくなってからでも遅くはない。おかげで我輩の仕事が山ほど出来てしもうた」
「ご不満があるのなら解放してさしあげましょうか?」
ラピスが骸骨王のカードを手に掲げる。
「お坊ちゃまには言っていませんが、どうやら私には、カードからモンスターを切り離す権限があるようです」
「……なるほどなるほど、主が神であるとするならば、そなたは我々の王であるということか」
さてどうでしょうかね、と言いながらカードを机の上に置く。
「我輩の考えが知れておるのなら態々口に出す事もないであろうが……こう見えて、主には深く感謝しておる。決して翻意はない」
「なら、お坊ちゃまを試すような事もしないでください」
「我輩が二度も出し抜かれたのだ、どのような人物か、少しは知ろうとしてもバチはあたらんだろう」
ラピスの射すくめるような視線に肩をすくめる骸骨王。
ラピスは一つ大きなため息を吐くとカードをしまう。
「ほどほどにしてくださいね」
「了解した」
などというやり取りがあった事とは露知らず、オレは本日もエクサリーさんの愛妻料理を平らげる。
いや~、相変わらずうまいッスよね~。
料理はうまい! 気立てもいい! 性格は文句なし!
ほんと、あの顔さえなければモテモテ間違いなし!
ウォッ! 般若が来た!
「ブッ!」
「ブハッ!」
「なに! いったいどこへ襲撃しに行くの!?」
「どこにも襲撃しない」
朝食の準備が終わって一旦部屋に戻り、帰ってきたエクサリーさん。顔が歌舞伎のように……
「お化粧を頑張って見た」
「「「………………」」」
おい、お前ちゃんと感想言ってやれよ。って、つついてくるおやっさん。
いやおめえ、ホントの事言っていいの?
ダメに決まってんだろ。って、いったいどうしろと?
ちょっと直視に耐えないんですが。あれ絶対、子供が見たらトラウマになるレベル。
と、ポタポタとスプーンからスープを零しながら絶句していたアポロが立ち上がる。
そしてエクサリーの手を引いてどこかに連れて行った。
暫くして戻ってきたエクサリーに、これまた全員が絶句する。
「あちっ、アチチチ!」
おやっさん、そこ口じゃない、ほっぺッスよ?
オレは震える指で、思わずエクサリーさんを指し示してしまう。
「だっ、誰。いやエクサリーなのは分かる。分かるんだけど……これはもう、エクサリー改とでも言おうか……」
そこには、キリッと佇む、そう、誰が見ても――――絶世の美人としか見えない人物が立っていた。
隣に居るアポロが、ない胸を張っている。
怖い部分は鳴りを潜め、美人な部分だけを強調した、なんかそんな感じがする。
えっ、女性って化粧でこんなに変わるものなの!?
えっ、ヤバいよ。こんな姿で店番に出た日には不埒な男共が殺到する事請け合い。
先ほども言ったが、エクサリーさんは、料理良し! 気立て良し! 性格良し! の三拍子。それにこの顔が加われば……
ダメダメダメ! 絶対まずい! なんて事してくれたのアポロさん! ありがとうございます! じゃなかった、ヤバイんスよ!
「ど、どうかな……」
「ダメだ!」
「ええっ!?」
「そんな綺麗な顔で外を歩いたら、絶対に取られてしまう! エクサリーはオレのもんだ!」
なんだか錯乱して、とんでもない事を口走っています。
き、綺麗だなんて……て、両手を頬に当ててイヤイヤしている。ズキューンってキタっす!
アポロ! オレは今日から、お前を美の女神として称えようではないか!
「ちょっとアポロ、良かったの? 敵に塩を送るような事して」
「そうッスよ、せっかく、こないだのホッペにチュウでポイント稼いだのに」
なんかアポロがハッとした表情を見せる。
そしてオロオロとオレとエクサリーを見比べて……最終的には何か悟ったような顔をする。
「…………クイーズが喜んだ。私は満足」
「アポロ……」
「ウゥッ、切ないッス」
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