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第三章
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「……もう腕があがらにゃい」
「暫くカードに戻って回復したほうがいいですね」
「そうさせてもらうよ」
『戻れ! プリンセスナイト!』
オレはカシュアをカードに戻す。
おうおう、もう22レベルとか。あっという間だな。
ヤバいぞラピス、あと5レベルしか差が無くなってきたぞ。
「今回はカシュア無双でしたらね。しかし、こんな死者の都はココ以外にありませんから、この先は負けませんよ」
なんだかんだでラピスもここで5レベルを稼いで28レベルとなっている。
さて、あとはあそこに篭城する骸骨共だが……
「罠だらけなんだろうなあ……」
「でしょうねえ……」
ちょっと見て来てくれないかって言うと、無茶言わんでくださいよって返してくる。
「お前でも無理そうか?」
「偵察だけなら出来ないこともないでしょうが、その間、誰がお坊ちゃまを守るのですか?」
「カシュアがいるじゃないか?」
「アレはいざという時に役に立たないでしょ」
随分信用が無いなカシュア。
「でもリーダー、ここらのアンデッドなら私達でも問題がないと思いますが?」
「…………クイーズは私が守る」
「その分断をアイツが見過ごすとは思えないんですよね……」
ん? ふと見ると城門が開き始めている。
そこから骸骨戦士達がゾロゾロと現れている。
だが、武器を携帯していない。どういう事だ?
『出でよ! プリンセスナイト!』
とりあえずカシュアを召喚しなおす。
その骸骨共はオレ達の目の前まで来るとピタリと動きを止める。
「…………カシュア、還してやれ」
「えっ?」
カシュアが剣を振るう、その風に当てられて次々と粉々になり光の粒子となって消えていく。
骸骨の表情なんて分からないはずなのにな。
なぜだか、その表情は安らぎに満ちて、感謝に溢れているような気がする。
そして次に、一体ずつ、武器を持った骸骨が現れる。
「…………カシュア、相手を頼む」
「……分かったよ」
カシュアとその骸骨が剣を交える。
22レベルになったカシュアに、その骸骨の剣はとてもじゃないが通じない。
それでも、どこか満足そうな表情で空に還って行く。
なぜだかカシュアは涙を流しながら骸骨達と戦う。
オレも、ラピスも、アポロ達も、誰もが流れる涙を拭おうとせずそれを見つめる。
そして最後に……王冠を被った骸骨がオレ達の目の前に現れる。
その骸骨はカシュアの方には行かずに、ラピスの目の前で立ち止まる。
そして一本の剣を突きだす。
それは、最初にここに来た時、王子様が持っていた王国の宝剣であった。
「あなたは私と戦う事を望むのですか? それでは、空に還る事は出来ませんよ」
コクリと頷く、王様骸骨。
そしてオレの手元を指差す。
そこには無地の白カードが握られていた。
「分かりました、戦ってあなたを、私達の物とさせて頂きます」
ラピスが剣を抜く。
勝てるのか?
「これがあれば、互角、と言えないまでも、いい勝負になると思います」
トントンとスキップをするラピス。そして突如加速する。
王様骸骨とラピスの間で激しい音が響き渡る。
それが戦いの始まりの音であった。
「凄い、リーダーがまったく相手になっていないなんて」
「27レベルじゃまだ厳しいか……」
持ち前の素早さでなんとか攻撃をかわしてはいるが、有効的な一撃を与えれていない。
だが、以前ならスピードで負けていたラピスだったが、今ならスピードだけ、なら互角と言えない事も無い。
しかし、王様骸骨に押され大きく後退してしまうラピス。
するとその王様骸骨、オレとアポロ達に向かって手を突きだし、クイックイッと挑発を行う。
なるほど、ラピスだけじゃなくオレ達も一緒に相手をしようってか。
「クイーズ君、これは罠だよ! たぶんあの王様はまだ諦めていない!」
だろうな。
態々あの宝剣を持って来たのも、カシュア以外を戦わせようという魂胆だったのかもしれない。
「だとしたら解せないですね……なぜ全部の部下が居なくなってから出て来たのでしょう?」
「そうッスね。これじゃあ勝っても、文字通り裸の王様ッスよ。ガイコツなだけに」
おめえ、うまいこと言うな!
ただアイツは、前回も全ての部下が居なくなっても平然としていた。
元々そういう奴なのかもしれない。
まあいいだろう、その魂胆、乗ってやろうじゃないか。
「カシュア、お前の剣を貸してくれ」
「クイーズ君!」
「ダメです、お坊ちゃま!」
オレは問答無用でカシュアから剣を預かりうける。
剣を持った瞬間、キラキラエフェクトが消えた。
どうやら一般人が持つと聖剣の効果を失う模様。
「行くぞ! 王様骸骨!」
オレは王様骸骨に向かって駆け出す。
ラピスも同時、王様骸骨に急襲を掛ける。
奴がラピスに気を取られている瞬間にオレはそいつに剣を突きさ・
『出でよ! ドラゴンスレイヤー!』
すと同時、頭上にドラスレを召喚!
ドスンと王様骸骨を貫く。
ふっ、バカな奴め! オレがこんな使えない剣で戦うと思ったか!?
二度もひっかかるとはな、あんたもたいがい間抜けだな!
「ラピス!」
「了解しました!」
ドラスレに串刺しにされて動きのとれない王様骸骨に斬りかかるラピス。
ドラスレだけじゃダメージにならないのは前回で学習済みだからな!
砕けた骸骨の骨が、ラピスの剣によっていくつもの光の欠片となって消えていく。
そろそろ行けるか?
『モンスターカード!』
…………ダメかっ!?
ラピスが必死に攻撃を加えているが、王様骸骨が透き通り始める気配が無い。
どんだけタフなんだこの骸骨。カルシウム取りすぎだろ!
いよいよモンスタカードから放たれていた光が薄くなっていく。
今回はゲット失敗か!?
通常失敗した場合、二度目のゲットは出来ないってのが定番なんだが……これはどうだろうな……
ゲームとは違うが、ゲームと似通ったシステムがふんだんに盛り込まれているし……まずいな……
あと、なんだかカードも消えそうになっているような気がする。
もしかしたら失敗するとカードだけ喪失とか?
オレはふともう一枚ある、無地のカードに目がいく。
試して見る価値はあるか……
『モンスターカード!』
消えそうになっているモンスターカードに、もう一枚のカードを重ねるようにセットする。
「さあ、こい! スケルトン・ロードォオオ!」
光の強さが倍になった様な気がする。
そしたら徐々に、徐々に、王様骸骨が透き通っていくのだった。
「暫くカードに戻って回復したほうがいいですね」
「そうさせてもらうよ」
『戻れ! プリンセスナイト!』
オレはカシュアをカードに戻す。
おうおう、もう22レベルとか。あっという間だな。
ヤバいぞラピス、あと5レベルしか差が無くなってきたぞ。
「今回はカシュア無双でしたらね。しかし、こんな死者の都はココ以外にありませんから、この先は負けませんよ」
なんだかんだでラピスもここで5レベルを稼いで28レベルとなっている。
さて、あとはあそこに篭城する骸骨共だが……
「罠だらけなんだろうなあ……」
「でしょうねえ……」
ちょっと見て来てくれないかって言うと、無茶言わんでくださいよって返してくる。
「お前でも無理そうか?」
「偵察だけなら出来ないこともないでしょうが、その間、誰がお坊ちゃまを守るのですか?」
「カシュアがいるじゃないか?」
「アレはいざという時に役に立たないでしょ」
随分信用が無いなカシュア。
「でもリーダー、ここらのアンデッドなら私達でも問題がないと思いますが?」
「…………クイーズは私が守る」
「その分断をアイツが見過ごすとは思えないんですよね……」
ん? ふと見ると城門が開き始めている。
そこから骸骨戦士達がゾロゾロと現れている。
だが、武器を携帯していない。どういう事だ?
『出でよ! プリンセスナイト!』
とりあえずカシュアを召喚しなおす。
その骸骨共はオレ達の目の前まで来るとピタリと動きを止める。
「…………カシュア、還してやれ」
「えっ?」
カシュアが剣を振るう、その風に当てられて次々と粉々になり光の粒子となって消えていく。
骸骨の表情なんて分からないはずなのにな。
なぜだか、その表情は安らぎに満ちて、感謝に溢れているような気がする。
そして次に、一体ずつ、武器を持った骸骨が現れる。
「…………カシュア、相手を頼む」
「……分かったよ」
カシュアとその骸骨が剣を交える。
22レベルになったカシュアに、その骸骨の剣はとてもじゃないが通じない。
それでも、どこか満足そうな表情で空に還って行く。
なぜだかカシュアは涙を流しながら骸骨達と戦う。
オレも、ラピスも、アポロ達も、誰もが流れる涙を拭おうとせずそれを見つめる。
そして最後に……王冠を被った骸骨がオレ達の目の前に現れる。
その骸骨はカシュアの方には行かずに、ラピスの目の前で立ち止まる。
そして一本の剣を突きだす。
それは、最初にここに来た時、王子様が持っていた王国の宝剣であった。
「あなたは私と戦う事を望むのですか? それでは、空に還る事は出来ませんよ」
コクリと頷く、王様骸骨。
そしてオレの手元を指差す。
そこには無地の白カードが握られていた。
「分かりました、戦ってあなたを、私達の物とさせて頂きます」
ラピスが剣を抜く。
勝てるのか?
「これがあれば、互角、と言えないまでも、いい勝負になると思います」
トントンとスキップをするラピス。そして突如加速する。
王様骸骨とラピスの間で激しい音が響き渡る。
それが戦いの始まりの音であった。
「凄い、リーダーがまったく相手になっていないなんて」
「27レベルじゃまだ厳しいか……」
持ち前の素早さでなんとか攻撃をかわしてはいるが、有効的な一撃を与えれていない。
だが、以前ならスピードで負けていたラピスだったが、今ならスピードだけ、なら互角と言えない事も無い。
しかし、王様骸骨に押され大きく後退してしまうラピス。
するとその王様骸骨、オレとアポロ達に向かって手を突きだし、クイックイッと挑発を行う。
なるほど、ラピスだけじゃなくオレ達も一緒に相手をしようってか。
「クイーズ君、これは罠だよ! たぶんあの王様はまだ諦めていない!」
だろうな。
態々あの宝剣を持って来たのも、カシュア以外を戦わせようという魂胆だったのかもしれない。
「だとしたら解せないですね……なぜ全部の部下が居なくなってから出て来たのでしょう?」
「そうッスね。これじゃあ勝っても、文字通り裸の王様ッスよ。ガイコツなだけに」
おめえ、うまいこと言うな!
ただアイツは、前回も全ての部下が居なくなっても平然としていた。
元々そういう奴なのかもしれない。
まあいいだろう、その魂胆、乗ってやろうじゃないか。
「カシュア、お前の剣を貸してくれ」
「クイーズ君!」
「ダメです、お坊ちゃま!」
オレは問答無用でカシュアから剣を預かりうける。
剣を持った瞬間、キラキラエフェクトが消えた。
どうやら一般人が持つと聖剣の効果を失う模様。
「行くぞ! 王様骸骨!」
オレは王様骸骨に向かって駆け出す。
ラピスも同時、王様骸骨に急襲を掛ける。
奴がラピスに気を取られている瞬間にオレはそいつに剣を突きさ・
『出でよ! ドラゴンスレイヤー!』
すと同時、頭上にドラスレを召喚!
ドスンと王様骸骨を貫く。
ふっ、バカな奴め! オレがこんな使えない剣で戦うと思ったか!?
二度もひっかかるとはな、あんたもたいがい間抜けだな!
「ラピス!」
「了解しました!」
ドラスレに串刺しにされて動きのとれない王様骸骨に斬りかかるラピス。
ドラスレだけじゃダメージにならないのは前回で学習済みだからな!
砕けた骸骨の骨が、ラピスの剣によっていくつもの光の欠片となって消えていく。
そろそろ行けるか?
『モンスターカード!』
…………ダメかっ!?
ラピスが必死に攻撃を加えているが、王様骸骨が透き通り始める気配が無い。
どんだけタフなんだこの骸骨。カルシウム取りすぎだろ!
いよいよモンスタカードから放たれていた光が薄くなっていく。
今回はゲット失敗か!?
通常失敗した場合、二度目のゲットは出来ないってのが定番なんだが……これはどうだろうな……
ゲームとは違うが、ゲームと似通ったシステムがふんだんに盛り込まれているし……まずいな……
あと、なんだかカードも消えそうになっているような気がする。
もしかしたら失敗するとカードだけ喪失とか?
オレはふともう一枚ある、無地のカードに目がいく。
試して見る価値はあるか……
『モンスターカード!』
消えそうになっているモンスターカードに、もう一枚のカードを重ねるようにセットする。
「さあ、こい! スケルトン・ロードォオオ!」
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