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3章 異世界技能編
第33話 後回し
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考える事は色々とあったが、明日は俺もルリアも共に休みの日であったし、今は既に真夜中の二時を超えてしまっている。
回らぬ頭で考えたところで、時間の無駄と感じた俺は、明日起きてからまた考える事をルリアに伝えると、流石にルリアも眠たくなってきたのか、欠伸を噛み殺しながら同意した。
掛け布団をかけ直し、改めて横になると、横にはルリアの顔があった。
口角を上げ、ニマニマしている。
俺は、少しばかり思考が停止する。
ただでさえ頭が回らない状態で、よくわからないことが起きているのだ、仕方がない。
おい、と声をかけると、おやすみレイちゃんなどとのたまうので、目の前にあるおでこにデコピンをかましてやる。
額を抑えて文句を言っているが、気にしない事にする。
「自分の寝床に戻れ」
「えーいいじゃんかー。同衾しよーよー」
「ばっ、お前…さっきから同衾って言ってるけどな、一般的には添い寝以外の意味でとられるんだからな!」
「え、同衾って、一緒に寝るって意味だけじゃないのぉ?」
「いや、まぁ…そういう意味、うーん…」
あっけらかんとしているルリアに対して、思わず同様を隠せずにいる。
この世界では、同衾という意味には"共に寝る"という意味合いしか込められていないのだろうか。
それとも、こいつが無学なだけだろうか…。
日本では、同衾と言うと、共に寝るという意味よりかは男女の…いや、止めておこう。
「じゃあいいじゃんかぁ」
そう言って、より一層お布団の中に潜り込んでくる。
お腹周りに手が触れて、少しこそばゆい。
「二人でなんか寝たらあちぃだろうが。というか、狭いからあっちいけ」
「スキルの効果を確かめるチャンスだよー?」
そう言いながら更に潜り込んでくる。
「何も今じゃなくていいだろ」
「いつでもいいなら、今でもいいよねぇ?」
「そろそろ蹴り出すぞ」
「わー怖いよぉ。襲われちゃうー」
そろそろ埒が明かないと思い、おもむろにカウントダウンを始めると、流石にマズいと思ったのか、ルリアがそそくさと布団から這い出ていった。
「もぅ、つれないなぁ」
俺と一緒に寝るのを諦めたルリアは、あざとさマックスの声色で、伸ばした人差し指を口元にあてながら、ぐちぐちと文句を置いてく。
俺はそれを、手のひらで払う仕草をして適当にあしらった。
暫くの間、ベッドの上からケチだの甲斐性なしなどと、小声でヤジが飛んできていたが、眠たくなったのか段々と回数が減ったと思えば、寝息を静かに立てていた。
それを確認して、俺もこの眠気に素直に従う事にしたのだった。
翌朝、目を覚ますと既にルリアは起きていたようだった。
寝ている間に潜り込んでくる可能性も少し考えていたが、そこまではしなかったようだ。
少しずつ意識が覚醒していくと、パンが焼ける香りが鼻をくすぐる。
そして胃が早速、朝活を始めたのか、ぐぅ、と小さくお腹のなる音がした。
起き上がり、お布団を三つ折りにしていると、背後からおはよーと声がかかるので、そのまま振り向かずに返事をする。
ちなみに、俺が先に起きる時は決まって俺がルリアを起こしている。何故なら、俺よりも先に起きていないイコール寝坊だからだ。
どうやら偶に起きれない日があるようで、そういう時は肩をゆすって起こしてやる。
それでも起きない時は、掛け布団剥ぎの刑か、カーテンフルオープンの刑にて職務を全うしている。
しばらく、朝の身支度をしているとルリアから声がかかり、リビングへと集う。
そしてルリアが作ってくれた朝食を一緒に食べる。
もう慣れ親しんだいつもの朝食である。
今日はサイドに冷製コーンスープが添えられていて、とてもありがたい。
スプーンで啜《すす》って飲んだり、カリカリに焼かれたパンを浸したりしてスープを楽しんだ。
食後には、ペリに干し草をやって、軽く馬小屋を掃除してから、風呂場で軽く汗を流した。
はじめは冷たさが辛かったが、慣れると心地よいものだと感じる。
そうやっていつものように過ごしていると、ルリアから声がかかった。
「ちょっとぉ。起きたら考えるんじゃなかったのー」
乾いた笑いで誤魔化すが、ルリアは睨むのをやめてくれない。
「すまんすまん、ついつい後回しにしちゃってたな」
「ダメだよぉ? 面倒事を後回しにしてると、後で痛い目見るんだからー」
日頃は変な事ばかり言う奴ではあるが、こればっかりはルリアが正しい。
日本にいた頃から、締め切り事や面倒な事は、ついつい後回しにしがちであった。
これは反省が必要である、反省反省…。
こうしてルリアと対面でテーブルにつき、今後の方針会議が始まったのであった。
回らぬ頭で考えたところで、時間の無駄と感じた俺は、明日起きてからまた考える事をルリアに伝えると、流石にルリアも眠たくなってきたのか、欠伸を噛み殺しながら同意した。
掛け布団をかけ直し、改めて横になると、横にはルリアの顔があった。
口角を上げ、ニマニマしている。
俺は、少しばかり思考が停止する。
ただでさえ頭が回らない状態で、よくわからないことが起きているのだ、仕方がない。
おい、と声をかけると、おやすみレイちゃんなどとのたまうので、目の前にあるおでこにデコピンをかましてやる。
額を抑えて文句を言っているが、気にしない事にする。
「自分の寝床に戻れ」
「えーいいじゃんかー。同衾しよーよー」
「ばっ、お前…さっきから同衾って言ってるけどな、一般的には添い寝以外の意味でとられるんだからな!」
「え、同衾って、一緒に寝るって意味だけじゃないのぉ?」
「いや、まぁ…そういう意味、うーん…」
あっけらかんとしているルリアに対して、思わず同様を隠せずにいる。
この世界では、同衾という意味には"共に寝る"という意味合いしか込められていないのだろうか。
それとも、こいつが無学なだけだろうか…。
日本では、同衾と言うと、共に寝るという意味よりかは男女の…いや、止めておこう。
「じゃあいいじゃんかぁ」
そう言って、より一層お布団の中に潜り込んでくる。
お腹周りに手が触れて、少しこそばゆい。
「二人でなんか寝たらあちぃだろうが。というか、狭いからあっちいけ」
「スキルの効果を確かめるチャンスだよー?」
そう言いながら更に潜り込んでくる。
「何も今じゃなくていいだろ」
「いつでもいいなら、今でもいいよねぇ?」
「そろそろ蹴り出すぞ」
「わー怖いよぉ。襲われちゃうー」
そろそろ埒が明かないと思い、おもむろにカウントダウンを始めると、流石にマズいと思ったのか、ルリアがそそくさと布団から這い出ていった。
「もぅ、つれないなぁ」
俺と一緒に寝るのを諦めたルリアは、あざとさマックスの声色で、伸ばした人差し指を口元にあてながら、ぐちぐちと文句を置いてく。
俺はそれを、手のひらで払う仕草をして適当にあしらった。
暫くの間、ベッドの上からケチだの甲斐性なしなどと、小声でヤジが飛んできていたが、眠たくなったのか段々と回数が減ったと思えば、寝息を静かに立てていた。
それを確認して、俺もこの眠気に素直に従う事にしたのだった。
翌朝、目を覚ますと既にルリアは起きていたようだった。
寝ている間に潜り込んでくる可能性も少し考えていたが、そこまではしなかったようだ。
少しずつ意識が覚醒していくと、パンが焼ける香りが鼻をくすぐる。
そして胃が早速、朝活を始めたのか、ぐぅ、と小さくお腹のなる音がした。
起き上がり、お布団を三つ折りにしていると、背後からおはよーと声がかかるので、そのまま振り向かずに返事をする。
ちなみに、俺が先に起きる時は決まって俺がルリアを起こしている。何故なら、俺よりも先に起きていないイコール寝坊だからだ。
どうやら偶に起きれない日があるようで、そういう時は肩をゆすって起こしてやる。
それでも起きない時は、掛け布団剥ぎの刑か、カーテンフルオープンの刑にて職務を全うしている。
しばらく、朝の身支度をしているとルリアから声がかかり、リビングへと集う。
そしてルリアが作ってくれた朝食を一緒に食べる。
もう慣れ親しんだいつもの朝食である。
今日はサイドに冷製コーンスープが添えられていて、とてもありがたい。
スプーンで啜《すす》って飲んだり、カリカリに焼かれたパンを浸したりしてスープを楽しんだ。
食後には、ペリに干し草をやって、軽く馬小屋を掃除してから、風呂場で軽く汗を流した。
はじめは冷たさが辛かったが、慣れると心地よいものだと感じる。
そうやっていつものように過ごしていると、ルリアから声がかかった。
「ちょっとぉ。起きたら考えるんじゃなかったのー」
乾いた笑いで誤魔化すが、ルリアは睨むのをやめてくれない。
「すまんすまん、ついつい後回しにしちゃってたな」
「ダメだよぉ? 面倒事を後回しにしてると、後で痛い目見るんだからー」
日頃は変な事ばかり言う奴ではあるが、こればっかりはルリアが正しい。
日本にいた頃から、締め切り事や面倒な事は、ついつい後回しにしがちであった。
これは反省が必要である、反省反省…。
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