krystallos

みけねこ

文字の大きさ
上 下
117 / 159

117.因縁の対決③

しおりを挟む
「アミィ、私たちの役目はわかっていますね?」
「うん――とにかく燃やす!」
「そうです。彼女がいる限り兵士は何度も立ち上がります。なので彼がやったように一気に燃やしたほうが早い。ということで」
 クルエルダが言った瞬間アミィの周りにいる兵士たちが一斉に炎に襲われた。誰がやったかなんて、隣見たらすぐにわかる。手をかがけているクルエルダを見て、うん、って自分に言い聞かせるように強く頷いてアミィも同じように魔術を使う。
 きっとこの人たちにも守りたいものがあって、帰りたい場所もあったかもしれない。でもそれもできなくて。なのにゆっくり休むことも許されなくて。可哀想だけど、でもきっとこれが一番いい手なんだって自分に言い聞かせて炎を出現させた。
「恐らく彼女はしばらく自ら動くことはないでしょうから、一先ずはこちらを片付けましょう」
「うん……!」
「我々は気にせず、ただ魔術を使うことに専念しますよ。まぁ、横からいきなり兵士が出てきても大丈夫でしょう」
「わぁっ⁈」
 横からいきなりって言った瞬間、本当に横からいきなり兵士が出てきてびっくりした。びっくりしすぎて尻もちをつきそうになったんだけど、振り下ろされた剣はアミィに当たることはなかった。
「みなさんはわたしが守ります」
 ティエラが張ってくれた防御壁がアミィを守ってくれた。ありがとう、ってお礼を言いながら周りを見てみると極力兵士がアミィたちに近付かないようにってウィルとフレイが頑張ってくれてる。
 カイムがいてくれたらあっという間に終わるんだろうけど、カイムはまだあのヘンタイの相手をしていて大変そうだった。やっぱりここはアミィたちが頑張るしかない。
 なるべく首にある媒体は使うなって前からずっと言われてる。だからルーファスからもらった媒体のついている本を使ってる。いつもやっているように媒体から精霊さんたちの力が流れ込んでいるのを感じて、自分の身体の中に循環させて魔術にして外に放つ。大きな炎はあっという間に辺りを焼き尽くすけど、その炎を見て綺麗だとは思えなかった。なんだか、すごく悲しい。
 兵士たちの中心にいるまだ立っているだけのお姉さんは、そんな悲しいっていう気持ちもわかんないのかな。
「いくらでも兵士を操れるとはいえ、兵士の数には限りがありますからね」
「……! ちょっと、あれ見てみなよ」
 クルエルダの話を聞きながら戦っていたフレイが、少し止まってどこかをジッと見ていた。一体どうしたんだろうって同じようにフレイが見ていた方向に目を向けてみる。
「あれは……!」
「アンタんとこだけじゃないみたいだよ」
 イグニート国の兵士の人たちはすぐにわかる。身体がボロボロでも着ているものがみんな一緒だから。だからフレイが見ていたものはよく目立っていた。
 どこをどう見ても、甲冑なんて着ていない普通の人。その人も兵士たちと同じようにボロボロの身体でゆっくりと歩いている。それだけじゃなくて、中には見覚えのあるものもあって目を丸くしてウィルのほうを見た。あれは確か前に、まだアミィたちを追いかけているウィルが身に着けていたものだ。
「っ……どこまで、死者を愚弄すれば気が済むんだッ……!」
「あれってもしかして、イグニート国の王に逆らった人たちなのかね。むごいことをするよ。王も、あの女も」
「どうしてそこまでするのっ? 酷いよっ……!」
 この人たち、こんなことされるために生まれてきたわけじゃないのに。それなのに勝手に身体を使われて、よく見てみたら武器を持っているわけでもないのにこっちに襲いかかろうとしてる。この人たちが一体何をしたって言うんだろう。
 ウィルがすごくつらそうな顔をして、自分と同じ甲冑を着ている人たちに剣を振り下ろしている。フレイが怒りながら武器も何も持っていない人たちに、アミィたちに攻撃する前にって先に鎖鎌を振ってる。奥のほうじゃお姉さんは平然とした顔をしていた。
「酷い……酷いよ……!」
「アミィ」
「っ、わかってるよっ」
 クルエルダに言われなくったって。アミィたちがやることに変わりはないんだってわかってる。視界がじんわりとしてきたし、鼻の奥だってツンと痛い。でもそれでも我慢して、アミィは魔術を使った。
 どうかどうか、この人たちがこれ以上苦しむことがないようにって。
「……ふーん、やはり魔術を扱える者がいたら数が減るのも早いか」
 まるで飽きたからどうでもよくなってきた、みたいな反応していて流石にアミィもムカムカしてきた。お姉さんにもお姉さんなりの考えとかやり方があるかもしれない。もしかしたらこれからのことでお姉さんの言っていることが正しいこともあるかもしれない。
 でも奪われたほうはどうなの? 好き勝手にされるほうはどうなの? 力が弱いほうが悪いの? 力が強い人が偉いの?
「やっぱりアミィ、納得できないよ!」
 お姉さんの考えてること、イグニート国の王が考えてること。アミィはやっぱりそれに納得できないしいいとも思えない。その人たちが作ろうとしている国に住みたいとも思わない。
 周りにいる操られている人たちの数が段々減ってきて、一本筋の道ができたことにウィルは見逃さなかった。
 一気にお姉さんとの距離を縮めて剣を振りかざす。お姉さんに当たることはなかったけどウィルも諦めることはなかった。次の攻撃をして、そんなウィルに向かってきた兵士たちはフレイが振り払った。その間にもウィルはどんどん攻撃していくけど、それをお姉さんはヒラヒラ避けていく。
「君たちも気付いているんじゃないのかい?」
 ウィルの剣を避けて、初めてお姉さんが攻撃魔術をアミィたちに使ってきた。いきなり目の前に降ってきた氷の塊に直撃しないように、クルエルダと一緒に炎の魔術を使って攻撃を防ぐ。
 でもその炎は、アミィたちが思っている通りの大きさにはならなかった。少し残ってしまった氷はティエラが弾いてくれたけど、その様子を軽く溜め息を付きながら眺めていたお姉さんはお喋りを続ける。
「わかるだろう? 魔術の威力が下がってきている。どうやら精霊の力が随分と弱ってきたようだね」
「……ああ、そのようだな。だから」
「あたしたちのほうが有利ってわけさ!」
 ウィルの後ろから飛び出したフレイが鎖鎌を振り上げる。攻撃は避けられたけど鎌についている鎖を器用に操ったフレイはそのままその鎖でお姉さんの動きを止めようとした。
 でも一度は巻き付いた鎖だけど、お姉さんがすぐに転移魔術を使ったものだから逃げられちゃった。フレイは思いっきり舌打ちをして、転移魔術で現れたところに今度はクルエルダは魔術をぶつける。それも、お姉さんは自分の魔術で弾き飛ばした。
「魔術が使えなくなって困るのはアンタのほうだろ⁈ あたしは元より魔力量は少ないし影響も少ないってね!」
「物理攻撃をできる僕たちのほうが有利だ」
「……確かに、それもそうだ」
 魔術を使うには精霊さんたちの力を借りなきゃいけない。それはお姉さんだって変わらない。そしてお姉さんだってアミィたちと同じように魔術の威力が弱まってきてるはず。
 本当はそういうことって危ないこと、っていうか緊急事態? なんだろうけど。でも正直この状態だとある意味助かってる。アミィたちはさっきから魔術を使っているからもちろん疲れてくる。でもお姉さんは兵士たちを操っていてもそれでもまだ平然としていた。元の魔力量にすっごく差があるから、せめて魔術の威力だけでも差がないほうがいい。
 それにこうなったらきっとウィルたちが言っていた通り物理攻撃のほうが有利なんだ。今までお姉さんが魔術以外での戦い方を見たことがなかったから、物理攻撃はできないんじゃないかな。魔力量が多い人ほど魔術に頼っているって言ってたし。
 そんな期待をちょっとしていたんだけど、ずっと真顔でいたお姉さんが少しだけ笑った。
「確かに影響は私も受けている。でも君たちは忘れているよ――『赤』の自分の中に溜め込んでいる魔力量は君たちと比べてずっと違う」
 ああもうやだ、向こうのほうでカイムが普通に魔術使ってたから見なかったことにしたかったのに。お姉さんが気付いていないわけがない。
 お姉さんが腕を振るえばやっと数を減らしていた兵士がまた数を増やした。精霊さんたちの力が弱まっていても自分の中にある魔力で動かしているんだ。このままだといつまで経ってもお姉さんを止めることなんてできないし、カイムの加勢にも行けない。
 きっとこのままじゃダメだ。考えて考えて考えて、アミィはウィルとフレイみたいに経験があるわけでもないしティエラとクルエルダみたいに色んなことをたくさん知ってるわけでもない。でも、それでも、みんなが今まで色々と教えてくれたことがあるから。
 その中で、アミィにできることがあるはず。
「ねぇ!」
 そう声をかけたのは魔術で兵士さんたちを倒していたクルエルダ。アミィの声に気付いてこっちを見たクルエルダは、アミィが何も言っていないのに何をやろうとしているのか気付いたみたい。お互いにしっかりと目を合わせて、頷きあった。
 ティエラが心配そうにこっちを見てる。でも止めようとしてこないのはアミィを信じてるからって思ってる。いつも見守ってくれてありがとう、ティエラ。そう心の中でお礼を言ってこっちに手をかざしてきたクルエルダを真っ直ぐに見た。
「ん? 何をするつもりだい?」
「やって! クルエルダ!」
 アミィの合図に、クルエルダが大きな炎を思いっきりアミィのほうに放ってきた。視界の端でお姉さんが目を大きくしてるのが見えたけど、それを気にすることなく自分の両手を突き出す。
「まさか同士討ちをするなんて。君もとうとう気が触れた――」
 クルエルダの炎はアミィを身体を燃やすことはなかった。突き出した両手に炎が収まっていく。自分の中に魔術と魔力が入ってきたのを感じて、身体の中に循環して、溜め込んで、そして、放出する。
「えぇーい!」
 放出された倍以上の炎は、周りにいた兵士たちを一斉に焼き尽くした。最初にカイムに教えてもらった、サブレ砂漠でやったこと。アミィの体質は特殊だから実験体にもされたけど、でも人の魔術を倍以上にして放出することができるのは今この場ですごく有利なはず。
 クルエルダがアミィのこと心配することもなく大きな炎をぶつけてくれたから、周りに立っている兵士たちは一人もいなかった。
「……そういえば、聞いたことがあったな。作ろうとしていた『人間兵器』の特殊な体質のことを」
 さっきまでつまらなさそうにしていたお姉さんの目が、アミィを見た時少しだけ輝いているように見えて思わず引いた。そういう目、よくクルエルダがやってたから嬉しいっていう気持ちはない。
「なるほどそうか、だから実験体か。ああ彼ではなくて私だったら君をより完璧なものに仕上げることができたというのに。残念だ。他の実験が入っていなかったら君ほどの人材を探し出せる時間も作ることができた……ああ、今はそれどころではないね」
 今度は大きな竜巻がいくつも起こってそれが一斉にアミィたちに向かって襲いかかってくる。だからクルエルダに魔術を放ってもらって、さっきと同じように倍以上の威力にしてお姉さんの攻撃を防ぐ。
「けれど、いつまでその小さい身体は耐えきれるかな」
 まだまだ余裕そうなお姉さんが、その身体の中に溜まってる魔術を使ってこっちに攻撃してくる。悔しいけど、お姉さんの言う通りだ。この方法だったらお姉さんに対抗できる。
 でもすごく身体が重い。息も苦しくなってきた。自分でも無茶してるってのがよくわかる。アミィの首元で光ってる媒体を見て、お姉さんは薄っすら笑った。
「私の魔力を持って終わらせてあげ、よう……?」
「何を無駄なことに使っている」
 両腕を広げて魔術を使おうとしていたお姉さんのお腹から、剣が突き抜けてきた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

愚かな父にサヨナラと《完結》

アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」 父の言葉は最後の一線を越えてしまった。 その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・ 悲劇の本当の始まりはもっと昔から。 言えることはただひとつ 私の幸せに貴方はいりません ✈他社にも同時公開

性奴隷を飼ったのに

お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。 異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。 異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。 自分の領地では奴隷は禁止していた。 奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。 そして1人の奴隷少女と出会った。 彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。 彼女は幼いエルフだった。 それに魔力が使えないように処理されていた。 そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。 でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。 俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。 孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。 エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。 ※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。 ※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

【完結】義妹とやらが現れましたが認めません。〜断罪劇の次世代たち〜

福田 杜季
ファンタジー
侯爵令嬢のセシリアのもとに、ある日突然、義妹だという少女が現れた。 彼女はメリル。父親の友人であった彼女の父が不幸に見舞われ、親族に虐げられていたところを父が引き取ったらしい。 だがこの女、セシリアの父に欲しいものを買わせまくったり、人の婚約者に媚を打ったり、夜会で非常識な言動をくり返して顰蹙を買ったりと、どうしようもない。 「お義姉さま!」           . . 「姉などと呼ばないでください、メリルさん」 しかし、今はまだ辛抱のとき。 セシリアは来たるべき時へ向け、画策する。 ──これは、20年前の断罪劇の続き。 喜劇がくり返されたとき、いま一度鉄槌は振り下ろされるのだ。 ※ご指摘を受けて題名を変更しました。作者の見通しが甘くてご迷惑をおかけいたします。 旧題『義妹ができましたが大嫌いです。〜断罪劇の次世代たち〜』 ※初投稿です。話に粗やご都合主義的な部分があるかもしれません。生あたたかい目で見守ってください。 ※本編完結済みで、毎日1話ずつ投稿していきます。

授かったスキルが【草】だったので家を勘当されたから悲しくてスキルに不満をぶつけたら国に恐怖が訪れて草

ラララキヲ
ファンタジー
(※[両性向け]と言いたい...)  10歳のグランは家族の見守る中でスキル鑑定を行った。グランのスキルは【草】。草一本だけを生やすスキルに親は失望しグランの為だと言ってグランを捨てた。  親を恨んだグランはどこにもぶつける事の出来ない気持ちを全て自分のスキルにぶつけた。  同時刻、グランを捨てた家族の居る王都では『謎の笑い声』が響き渡った。その笑い声に人々は恐怖し、グランを捨てた家族は……── ※確認していないので二番煎じだったらごめんなさい。急に思いついたので書きました! ※「妻」に対する暴言があります。嫌な方は御注意下さい※ ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇なろうにも上げています。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。 その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。 代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。 それを見た柊茜は 「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」 【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。 追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん….... 主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します

処理中です...