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三年の月日
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騎士になるための鍛錬は、確かに予想以上に厳しいものだった。俺は周りに比べて線も細く、最初ついていくのもやっとで寮に戻る度に気絶するように眠りについていた。
それでも挫けることなく、一年、二年と経っていくと徐々に身体つきが変化していった。周りも最初こそ「顔だけの奴がなぁ」だなんて言ってくる人がいたけれど、徐々にそんな人たちにも認められていく。
三年目ともなると鍛錬についていくのがやっと、なんてことはもう全くなく、寧ろ今まで力負けしていた同僚に負けなくなっていったぐらいだ。村では怪我がないようにと周りに対応されてきたけれど、どうやら俺は意外にもこういうのに向いているらしい。
一回りも二回りも太くなった腕。同期に「顔もよくて性格もいい、お前の弱点はなんなんだ」と言われた時はどう返せばいいのかわからなくて流石に困った。顔は自分じゃどうしようもないし、正直同僚が言うほど自分の性格がいいとは思わない。
ただ困っている人を助けるのは村では当然のことで、俺もそうしていただけに過ぎないんだけど。
ただ俺は十五歳で騎士の門を叩いたけれど、実は十二歳ぐらいから学ぶ人は学ぶらしい。特に代々騎士だった名家とか、あとは首都に暮らしている人。十五歳から学ぶのは少し遅いらしい。
それでも毎日コツコツと鍛錬していたおかげか、俺は周りと同時期に無事に配属先が決まった。やっぱり人気は首都勤めなんだけど、俺は最初から配属先はここだと決めていた。もちろん自分の要望通りに進むことはないけれど、そこは成績上位の人間には融通が利くらしい。俺はなんとか、その融通が利いた。
「でもセオがまさか配属先、田舎を要望するとはなぁ」
「田舎というか、俺の出身地の近くなんだ。まぁ、君から見たら田舎かもしれないね」
「いや悪い、別に悪口だったわけじゃなくて」
「わかってるよ」
同期であるライリーににこっと笑顔を返す。ライリーは最初こそその「顔だけの」とか言ってきたけれど、話をしていくうちにそこまで悪い人ではないことがわかった。ただ彼はなんでも素直に口に出してしまう人間なだけだ。後々最初に言ったことを謝ってくれたし、今では同期の中で一番仲がいいかもしれない。
「しかしみんなにモテモテのセオが結局恋人も作らず屯所に配属とはなぁ。ガッカリする奴ばっかりだったぜ? どこぞの貴族のお嬢ちゃんなんか泣いて騒いでいたとか」
「大袈裟だなぁ。貴族の人と会話もしたことないのに……」
「高嶺の花だからな、お前」
「そういうライリーこそ俺と同じ配属先だけど? 首都に留まらなかったの?」
「あ、俺?」
部屋でせっせと荷造りしている俺の後ろでライリーはベッドに座ってゆっくりしてたけど、ライリーもかなりの腕の持ち主だ。そのまま首都に残るものとばかりに思っていた。
だからまさか配属先が一緒になるなんて。正直驚いたしどうしてだろうという考えが頭に浮かぶ。配属先に首都が人気なのは便利性はもちろんだけど、地方に比べて給与がいいからだ。だから大体の騎士は首都勤めを好む。わざわざ地方を望むのは俺のように故郷を守りたいと思っている人だ。
ライリーは別に地方出身というわけでもないし、だからといって俺の村に何か思い入れがあるというわけでもなさそうだ。それなら首都務めのほうが良さそうなのに。純粋な疑問にライリーは後ろ髪をガリガリと掻いて「あー」と小さくこぼしながら視線を窓の外に向けた。
「首都務めって確かに給与はいいかもしれねぇけどさ、その分大変なんだよ。俺はのんびりと仕事したいわけ」
「なんだかもったいない……君の腕前はかなりのものなのに」
「褒めんなって。それともセオは俺と一緒じゃ嫌なのかよ?」
「そういうわけじゃないよ」
なんならライリーと一緒なのは心強い。配属先には部隊長と先輩がいるけれど、正直村では年上に甘やかされて育った俺は何か楚々をしないか不安だった。
「……それに、気になるしな」
「え? 何か言った? ライリー」
「いいやー何も」
何か聞こえたような気がして聞き返したけれど、ライリーは肩を軽く竦めてそう言ったものだから聞き間違いだったかなと止めていた手を動かした。
三年、短いようで長いようで。でも俺の身体を一回りにも二回りにも大きくさせるのには十分だった。村に帰ったらみんな驚くだろうか。あんなに女の子っぽかったのにって、逞しくなったなと言ってくれたら嬉しいんだけど。
それに……三年も経てば、あの人はまた格好良くなっているかもしれない。それが気になって仕方がない。そもそも配属先が村から近いからといってすんなり里帰りできるかもわからないんだけど。
まずは騎士としての務めをちゃんとこなすことだな、としっかりと終わった荷造りの最終チェックをちゃんとしてパタンとトランクの蓋を閉じた。
「我が部隊への配属おめでとう。私はアルバート・ケリー、部隊長になる。そしてこちらが」
「ヒューゴ・ランドルフ、お前たちの先輩だ。何かわからないことがあったら尋ねてくれ」
「よろしくお願いします」
部隊長のアルバートさんと先輩騎士であるヒューゴさん、それぞれに自己紹介してもらいこちらも同じように名乗る。屯所は他にもいくつもあり、この屯所の配属は数名のようだ。少数精鋭、というよりも他の屯所の助っ人の意味合いが大きいのかもしれない。それは多分、近くの森に狩人がいて魔獣の対応をしているからだと思う。
「他の面々は哨戒に行っているから顔合わせはまたあとで。今から軽く任務内容についての説明を行う」
そうしてアルバート隊長の説明をライリーと共に受ける。大体四人で一チーム、哨戒は順番で。新人である俺たちが任務に慣れるまで隊長とヒューゴさんが俺とライリーと組んでくれるらしい。
「それと付近に森があるのには気付いているな? あそこは私たちは踏み込まないようにしている」
「そこに魔獣が盗賊が逃げ込んだらどうするんです?」
「盗賊の場合は入り込む前に対処。魔獣の場合は決して深入りしない。理由はセオがわかっているだろう?」
「はい」
俺がそこの出身だということを隊長という立場である人が知らないわけがない。迷わず首を縦に振れば納得したように隊長は「うん」と相槌を打った。ちなみにライリーの出身はこの付近ではないため、森に入ってはいけない理由を知らない。だから眉間に皺を寄せつつ首を傾げている。
「森は村にいる狩人たちが対応している。あまり私たちが突っ込むと逆に邪魔になる。だから魔獣は彼らに任せる」
「それでいいんスか? 狩人と言えど騎士のように鍛えているわけじゃないでしょ」
思わずムッとしてしまったけれどライリーは村の狩人たちを見たことがない。そんな彼に言い返したところで納得はしてくれないだろう。俺がグッと堪えたのを隊長は横目で捉えつつ、視線をライリーに向けた。
「適材適所という言葉がある。森は彼らに任せる、いいな」
「……うっす」
「それとセオ」
「はい」
「任務に就くのは明後日からだ。その間に故郷に顔を出しておくといい。久しぶりだろう?」
「……! いいんですか?」
「うん、行っておいで」
柔らかい笑みと声色に隊長の人柄が見えたような気がした。急いで頭を下げ礼を告げる。それならお言葉に甘えて故郷に顔を出すことにしよう。なぜかライナーもついてくるなんて言い出したけど隊長から「君の出身地ではないだろう」とピシャリと言われ、渋々屯所に残ることにしたようだ。
村は近いからそんなにしっかりとした準備じゃなくても大丈夫だろうし、一泊できればいいほうだから少ない荷物だけを支度する。手紙のやり取りはしていたけれど、お父さんたちは元気でいるだろうか。村の人たちも、たった三年されど三年。大きく変わっていないようで変わっているかもしれない。
それに何より――とそこまで考えて急いで頭を左右に振った。騎士になったばかりだというのに恋沙汰ばかり考えてはいけない。
しっかりしろ、情けない姿を見せるために帰るわけじゃないだろと自分に言い聞かせて支度を終えた。せめてあの時背中を教えてくれたお礼だけはしっかりと言っておきたい。これは別に恋沙汰関係なく、感謝の印として。そう、決して、好きな人にひと目でも会いたいとかではなく。
そんな言い訳を頭の中でズラズラと並べて屯所を出た。今は丁度日が真上に登っている時間帯だ。村に着いてみんなとゆっくりして一泊はできるはず。そう思いながら隊長に一言告げて村へと向かった。
まさか、あんなことが起きるとは思いもせずに。
それでも挫けることなく、一年、二年と経っていくと徐々に身体つきが変化していった。周りも最初こそ「顔だけの奴がなぁ」だなんて言ってくる人がいたけれど、徐々にそんな人たちにも認められていく。
三年目ともなると鍛錬についていくのがやっと、なんてことはもう全くなく、寧ろ今まで力負けしていた同僚に負けなくなっていったぐらいだ。村では怪我がないようにと周りに対応されてきたけれど、どうやら俺は意外にもこういうのに向いているらしい。
一回りも二回りも太くなった腕。同期に「顔もよくて性格もいい、お前の弱点はなんなんだ」と言われた時はどう返せばいいのかわからなくて流石に困った。顔は自分じゃどうしようもないし、正直同僚が言うほど自分の性格がいいとは思わない。
ただ困っている人を助けるのは村では当然のことで、俺もそうしていただけに過ぎないんだけど。
ただ俺は十五歳で騎士の門を叩いたけれど、実は十二歳ぐらいから学ぶ人は学ぶらしい。特に代々騎士だった名家とか、あとは首都に暮らしている人。十五歳から学ぶのは少し遅いらしい。
それでも毎日コツコツと鍛錬していたおかげか、俺は周りと同時期に無事に配属先が決まった。やっぱり人気は首都勤めなんだけど、俺は最初から配属先はここだと決めていた。もちろん自分の要望通りに進むことはないけれど、そこは成績上位の人間には融通が利くらしい。俺はなんとか、その融通が利いた。
「でもセオがまさか配属先、田舎を要望するとはなぁ」
「田舎というか、俺の出身地の近くなんだ。まぁ、君から見たら田舎かもしれないね」
「いや悪い、別に悪口だったわけじゃなくて」
「わかってるよ」
同期であるライリーににこっと笑顔を返す。ライリーは最初こそその「顔だけの」とか言ってきたけれど、話をしていくうちにそこまで悪い人ではないことがわかった。ただ彼はなんでも素直に口に出してしまう人間なだけだ。後々最初に言ったことを謝ってくれたし、今では同期の中で一番仲がいいかもしれない。
「しかしみんなにモテモテのセオが結局恋人も作らず屯所に配属とはなぁ。ガッカリする奴ばっかりだったぜ? どこぞの貴族のお嬢ちゃんなんか泣いて騒いでいたとか」
「大袈裟だなぁ。貴族の人と会話もしたことないのに……」
「高嶺の花だからな、お前」
「そういうライリーこそ俺と同じ配属先だけど? 首都に留まらなかったの?」
「あ、俺?」
部屋でせっせと荷造りしている俺の後ろでライリーはベッドに座ってゆっくりしてたけど、ライリーもかなりの腕の持ち主だ。そのまま首都に残るものとばかりに思っていた。
だからまさか配属先が一緒になるなんて。正直驚いたしどうしてだろうという考えが頭に浮かぶ。配属先に首都が人気なのは便利性はもちろんだけど、地方に比べて給与がいいからだ。だから大体の騎士は首都勤めを好む。わざわざ地方を望むのは俺のように故郷を守りたいと思っている人だ。
ライリーは別に地方出身というわけでもないし、だからといって俺の村に何か思い入れがあるというわけでもなさそうだ。それなら首都務めのほうが良さそうなのに。純粋な疑問にライリーは後ろ髪をガリガリと掻いて「あー」と小さくこぼしながら視線を窓の外に向けた。
「首都務めって確かに給与はいいかもしれねぇけどさ、その分大変なんだよ。俺はのんびりと仕事したいわけ」
「なんだかもったいない……君の腕前はかなりのものなのに」
「褒めんなって。それともセオは俺と一緒じゃ嫌なのかよ?」
「そういうわけじゃないよ」
なんならライリーと一緒なのは心強い。配属先には部隊長と先輩がいるけれど、正直村では年上に甘やかされて育った俺は何か楚々をしないか不安だった。
「……それに、気になるしな」
「え? 何か言った? ライリー」
「いいやー何も」
何か聞こえたような気がして聞き返したけれど、ライリーは肩を軽く竦めてそう言ったものだから聞き間違いだったかなと止めていた手を動かした。
三年、短いようで長いようで。でも俺の身体を一回りにも二回りにも大きくさせるのには十分だった。村に帰ったらみんな驚くだろうか。あんなに女の子っぽかったのにって、逞しくなったなと言ってくれたら嬉しいんだけど。
それに……三年も経てば、あの人はまた格好良くなっているかもしれない。それが気になって仕方がない。そもそも配属先が村から近いからといってすんなり里帰りできるかもわからないんだけど。
まずは騎士としての務めをちゃんとこなすことだな、としっかりと終わった荷造りの最終チェックをちゃんとしてパタンとトランクの蓋を閉じた。
「我が部隊への配属おめでとう。私はアルバート・ケリー、部隊長になる。そしてこちらが」
「ヒューゴ・ランドルフ、お前たちの先輩だ。何かわからないことがあったら尋ねてくれ」
「よろしくお願いします」
部隊長のアルバートさんと先輩騎士であるヒューゴさん、それぞれに自己紹介してもらいこちらも同じように名乗る。屯所は他にもいくつもあり、この屯所の配属は数名のようだ。少数精鋭、というよりも他の屯所の助っ人の意味合いが大きいのかもしれない。それは多分、近くの森に狩人がいて魔獣の対応をしているからだと思う。
「他の面々は哨戒に行っているから顔合わせはまたあとで。今から軽く任務内容についての説明を行う」
そうしてアルバート隊長の説明をライリーと共に受ける。大体四人で一チーム、哨戒は順番で。新人である俺たちが任務に慣れるまで隊長とヒューゴさんが俺とライリーと組んでくれるらしい。
「それと付近に森があるのには気付いているな? あそこは私たちは踏み込まないようにしている」
「そこに魔獣が盗賊が逃げ込んだらどうするんです?」
「盗賊の場合は入り込む前に対処。魔獣の場合は決して深入りしない。理由はセオがわかっているだろう?」
「はい」
俺がそこの出身だということを隊長という立場である人が知らないわけがない。迷わず首を縦に振れば納得したように隊長は「うん」と相槌を打った。ちなみにライリーの出身はこの付近ではないため、森に入ってはいけない理由を知らない。だから眉間に皺を寄せつつ首を傾げている。
「森は村にいる狩人たちが対応している。あまり私たちが突っ込むと逆に邪魔になる。だから魔獣は彼らに任せる」
「それでいいんスか? 狩人と言えど騎士のように鍛えているわけじゃないでしょ」
思わずムッとしてしまったけれどライリーは村の狩人たちを見たことがない。そんな彼に言い返したところで納得はしてくれないだろう。俺がグッと堪えたのを隊長は横目で捉えつつ、視線をライリーに向けた。
「適材適所という言葉がある。森は彼らに任せる、いいな」
「……うっす」
「それとセオ」
「はい」
「任務に就くのは明後日からだ。その間に故郷に顔を出しておくといい。久しぶりだろう?」
「……! いいんですか?」
「うん、行っておいで」
柔らかい笑みと声色に隊長の人柄が見えたような気がした。急いで頭を下げ礼を告げる。それならお言葉に甘えて故郷に顔を出すことにしよう。なぜかライナーもついてくるなんて言い出したけど隊長から「君の出身地ではないだろう」とピシャリと言われ、渋々屯所に残ることにしたようだ。
村は近いからそんなにしっかりとした準備じゃなくても大丈夫だろうし、一泊できればいいほうだから少ない荷物だけを支度する。手紙のやり取りはしていたけれど、お父さんたちは元気でいるだろうか。村の人たちも、たった三年されど三年。大きく変わっていないようで変わっているかもしれない。
それに何より――とそこまで考えて急いで頭を左右に振った。騎士になったばかりだというのに恋沙汰ばかり考えてはいけない。
しっかりしろ、情けない姿を見せるために帰るわけじゃないだろと自分に言い聞かせて支度を終えた。せめてあの時背中を教えてくれたお礼だけはしっかりと言っておきたい。これは別に恋沙汰関係なく、感謝の印として。そう、決して、好きな人にひと目でも会いたいとかではなく。
そんな言い訳を頭の中でズラズラと並べて屯所を出た。今は丁度日が真上に登っている時間帯だ。村に着いてみんなとゆっくりして一泊はできるはず。そう思いながら隊長に一言告げて村へと向かった。
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