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続・閑話
胸焼けは願い下げですけど
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御機嫌よう。わたくしは名乗るほどでもないけれど、とある公爵家の娘、とだけ言っておきましょう。
今わたくしは親しい令嬢たちと楽しく談笑していたのだけれど、彼女たちも楽しく微笑みながらも視線はとある箇所に釘付けになっていた。いいえ、彼女たちだけではなく、この会場にいる全ての者。と言ったほうがいいかしら。
音楽が鳴り響き男女が手を取りダンスを披露している。それもそう、だってこの場は社交界。そしてここは社交パーティーがあっているのだから。わたくしたちも令嬢として招待状を受け取りこの場にいる。
そしてこの会場の視線を一身に受けているのが、この国の王子であるレオンハルト様とその婚約者であるアイビー様だ。
音楽と共にまるで奏でるかのような軽やかなステップ。頭の先から爪先まで洗練されたしなやかな動き。そしてお互いを見つめ合う穏やかな表情。どれをとっても見事なものでまさに紳士淑女の手本のようだった。周りからは感嘆の声しか聞こえてこない。
「相変わらず素敵ですわね……」
「ええ……まるで一枚の絵のようですわ」
「なんて美しい……」
わたくしの友人たちも口々にそうしていて、そう言いたく気持ちもわからないわけでもない。それほどお二人は素晴らしい――けれど。
「本当に……社交の場でしたら見事な『お手本』ですわね」
わたくしの言葉で周りに苦笑がもれる。そう、わたくしたちは貴族の娘だけれど、同時にカナット学園に通う生徒でもある。令嬢としての知識を詰め込むに最も適した場所。この場にいる同年代の人たちはほぼ学園で顔を合わせている。
だからこそ、わたくしの言葉の意味がわかっている。そう、お二人は社交界ではとても素晴らしい……が、学園になるとそれはもう、あれなのだ。
人目を気にしないのだ。
レオンハルト王子の婚約者への溺愛ぶりはそれはもう有名なものだ。何があろうとも彼は決して彼女を裏切らない、必ず彼女の味方である。それを学園内での騒動で幾度も目にした。しかもその溺愛ぶりは今に始まった話ではない……小さい頃からずっとだ。
今はまるで紳士淑女の手本などと言われているけれど、それは彼らが「自重」という文字を覚えたから。小さい頃はダンスで楽しげに……まではいいけれど、熱い視線で見続けこちらが溶けるのではと思うほどの熱々っぷり。王子に好意を寄せている令嬢が無謀にもダンスに誘ってもらおうとアピールしてみるものの、全てスルー。あの頃はアイビー令嬢から離れようとすらしなかった。
今はそれがなくなったとはいえ、それは社交界に限った話。周りには同年代だけではなく様々な人間がいるため「お手本」でいるだけ。その反動が学園で出ているだなんて、この場にいる大人たちは誰も想像しないだろう。
そして学園で毎回それを見せつけられるわたくしたちはある意味「被害者」だ。
「大人たちは好き勝手に言っているけれど、お二人が婚約破棄だなんて万が一にも、決っして! ありえませんわね」
「絶対にありえません」
「天地がひっくり返ってもそれだけはないかと」
学園の騒動でお二人ではない部外者である生徒が好き勝手にそう言っていたけれど、何を言っているのこの愚か者たちは。というのが当時のわたくしたちの感想である。よくもまぁ、レオンハルト王子に向かってアイビー令嬢が婚約者として相応しくないと声高に言えたものだ。あの瞬間こちらは「あ。あの者たちは終わりましたわ」だったのだから。
というよりも、よくあのお二人に喧嘩を売ろうなどと思ったこと。そんなこと、恐ろしくてできたものではありませんわ。
「でも……羨ましいですわ。あのように仲睦まじいだなんて。わたくしの婚約者はあのようにわたくしを大切に扱ってはくれませんもの」
「わたくしもですわ」
「所詮、政略結婚ですもの」
音楽が鳴り止まぬ中、美しく舞っているお二人を見つめたまま友人たちがそう口にする。そのどれにも思わず頷きそうになった。
「わたくしたちの結婚なんて、政略以外にありませんもの」
そう、わたくしも。そして周りにいる友人たちも。それぞれに婚約者はいるけれどどれも政略結婚だ。いいえ、わたくしたちに限った話ではない。貴族など、ほとんどがそうだ。
お二人がある意味異質なのかもしれない。最初は政略結婚という名目での婚約だったのかもしれない。けれどお二人は愛情を育み、今では互い想い合っている。それは誰の目から見ても明らか。あの中に割って入るなどと余程の命知らずかただのお馬鹿。
別にわたくしも努力をしなかったわけではないの。将来の夫となるのだから親交を深め今後お互い支えあえたらと。けれどその成果は現れてはいない。お互いどこか冷え切ったまま、政略結婚なのだと割り切ったまま。お二人のようになるのにはそう簡単なことではない。
「……お互い想い合えるなんて、どれほど素敵なものなのかしら……」
ぽつりとこぼされた言葉に無言が広がる。だってこの場にいる誰もがそれがどれほどのものなのか、知らないのだから。
「……大丈夫ですわよ」
扇を広げ口元へ添える。友人たちの視線を受けながら、伏せたまぶたを持ち上げて弧を描く。
「わたくしたちの子はきっと、慕っている方と結婚できるようになりますわ」
きっと、レオンハルト王子とアイビー令嬢が変えてくれるはず。
あの二人は異質で、今までの貴族の常識から多少離れている。けれどだからこそ、変えてくれるのではないかという期待感もある。今まであるものを変えるのはそう生半可なものではないはず、けれどそれをお支えできるのは変えてほしいと望んでいるわたくしたちではないかしら。
それを口にすると先程まで沈んでいた空気がパッと明るくなった。きっと誰もが口にはしなかったけれど思っていたことだろう。非力だと悲観せずに、僅かな力でも背中を支えることはできるはず。
「そうですわね」
「わたくしたちも頑張りましょう」
「ええ!」
曲が静かに終わりに向かう。穏やかに流れていたものが一変し、明るく軽やかなものへと変わった。踊っていた男女はそれぞれ手を離し次のパートナーと一緒にホールへ出る。
「私と一曲どうですか?」
手を差し伸べてきたのは先程まで一番に人々の目を奪っていた方。まさかわたくしをお誘いくださるなんて。もしかして、先程の会話が聞こえていたのかしら。
穏やかに微笑む顔にわたくしも笑みを浮かべ、手を添える。少し視線を走らせれば先程まで彼のパートナーだった彼女と視線が合い、あちらも穏やかに笑みを浮かべるだけだった。
よかった、どうやら馬に蹴られる心配はなさそう。そして、やはりこのお二人はとても強い絆で結ばれている。
「ええ、こちらこそお願いしますわ」
そうしてわたくしは将来わたくしたちの王となる人物――レオンハルト様と共にホールへ躍り出た。
「先日のダンス、素敵でしたわ」
「ええ。見てるこちらがまるで胸が踊るようでしたもの」
「まぁ。相手が素敵だっただけですわ」
制服を身に纏い、教材を手にして廊下を歩く。きらびやかな世界はわたくしたちの本来の場所なのだろうけれど、ここ最近こうして制服で歩くことも嫌ではなく寧ろ落ち着くのだから笑ってしまう。
の、だけれど。
「……相っ変わらずですわね~」
学園にいるとどうも言葉遣いも普段より緩くなってしまうようで。この学園と制服にはそんな作用があるのかしら、と思いつつ窓の外へ視線を向ける。
丁度中庭を歩いているお二人は相変わらず……距離が近い。歩きづらくないんですの、と言いたくなるほどピタッと密着。時間があればああしてお二人はいつも一緒にいる。
まぁ、生徒会の仕事が忙しそうだから二人きりの時間というのもそう多くは取れないのかもしれないけれど。しかし、手本とされている二人は人目も憚らずイチャイチャ……コホン、とっても、仲睦まじく歩いている。
「周りに花が咲いていますわぁ……」
「まぁ本当に……」
「目がチカチカ致しますわぁ……」
これは惚れ惚れしているからこぼれている声ではない、胸焼けしているからこそ出てきている心の声だ。
「……わたくし、婚約者からいきなりあんな扱いされてしまったらドン引きしてしまうかもしれませんわ」
「流石にきついですわよね」
「相思相愛って素敵だと思いましたけれど……相手によりますわね」
昨日あれだけ政略結婚についてどうのこうのと言っていた口が、いざその相手から恋愛対象とされたら……と考えると彼女たちの口からは次々に否定の声が上がった。
わたくしも試しに婚約者の顔を思い浮かべながら想像してみたけれど……うん、確かにきついものがありますわ。
「適切な距離であるのが一番ですわね」
「そうですわね」
あの距離で許されるのはあのお二人だからかもしれない、という結論で落ち着いてしまった。確かに政略結婚に愛を望むのは難しいし、将来わたくしたちの子は恋愛結婚であってほしいと思うけれど。
わたくしたちって大概我儘ですのね、と苦笑をもらしつつイチャイチャしている王子と令嬢の姿を見届ける。わたくしたちは政略結婚だけれど、あのお二人はいつまでもああして二人の仲を見せつけてもらいたいものですわ。
今わたくしは親しい令嬢たちと楽しく談笑していたのだけれど、彼女たちも楽しく微笑みながらも視線はとある箇所に釘付けになっていた。いいえ、彼女たちだけではなく、この会場にいる全ての者。と言ったほうがいいかしら。
音楽が鳴り響き男女が手を取りダンスを披露している。それもそう、だってこの場は社交界。そしてここは社交パーティーがあっているのだから。わたくしたちも令嬢として招待状を受け取りこの場にいる。
そしてこの会場の視線を一身に受けているのが、この国の王子であるレオンハルト様とその婚約者であるアイビー様だ。
音楽と共にまるで奏でるかのような軽やかなステップ。頭の先から爪先まで洗練されたしなやかな動き。そしてお互いを見つめ合う穏やかな表情。どれをとっても見事なものでまさに紳士淑女の手本のようだった。周りからは感嘆の声しか聞こえてこない。
「相変わらず素敵ですわね……」
「ええ……まるで一枚の絵のようですわ」
「なんて美しい……」
わたくしの友人たちも口々にそうしていて、そう言いたく気持ちもわからないわけでもない。それほどお二人は素晴らしい――けれど。
「本当に……社交の場でしたら見事な『お手本』ですわね」
わたくしの言葉で周りに苦笑がもれる。そう、わたくしたちは貴族の娘だけれど、同時にカナット学園に通う生徒でもある。令嬢としての知識を詰め込むに最も適した場所。この場にいる同年代の人たちはほぼ学園で顔を合わせている。
だからこそ、わたくしの言葉の意味がわかっている。そう、お二人は社交界ではとても素晴らしい……が、学園になるとそれはもう、あれなのだ。
人目を気にしないのだ。
レオンハルト王子の婚約者への溺愛ぶりはそれはもう有名なものだ。何があろうとも彼は決して彼女を裏切らない、必ず彼女の味方である。それを学園内での騒動で幾度も目にした。しかもその溺愛ぶりは今に始まった話ではない……小さい頃からずっとだ。
今はまるで紳士淑女の手本などと言われているけれど、それは彼らが「自重」という文字を覚えたから。小さい頃はダンスで楽しげに……まではいいけれど、熱い視線で見続けこちらが溶けるのではと思うほどの熱々っぷり。王子に好意を寄せている令嬢が無謀にもダンスに誘ってもらおうとアピールしてみるものの、全てスルー。あの頃はアイビー令嬢から離れようとすらしなかった。
今はそれがなくなったとはいえ、それは社交界に限った話。周りには同年代だけではなく様々な人間がいるため「お手本」でいるだけ。その反動が学園で出ているだなんて、この場にいる大人たちは誰も想像しないだろう。
そして学園で毎回それを見せつけられるわたくしたちはある意味「被害者」だ。
「大人たちは好き勝手に言っているけれど、お二人が婚約破棄だなんて万が一にも、決っして! ありえませんわね」
「絶対にありえません」
「天地がひっくり返ってもそれだけはないかと」
学園の騒動でお二人ではない部外者である生徒が好き勝手にそう言っていたけれど、何を言っているのこの愚か者たちは。というのが当時のわたくしたちの感想である。よくもまぁ、レオンハルト王子に向かってアイビー令嬢が婚約者として相応しくないと声高に言えたものだ。あの瞬間こちらは「あ。あの者たちは終わりましたわ」だったのだから。
というよりも、よくあのお二人に喧嘩を売ろうなどと思ったこと。そんなこと、恐ろしくてできたものではありませんわ。
「でも……羨ましいですわ。あのように仲睦まじいだなんて。わたくしの婚約者はあのようにわたくしを大切に扱ってはくれませんもの」
「わたくしもですわ」
「所詮、政略結婚ですもの」
音楽が鳴り止まぬ中、美しく舞っているお二人を見つめたまま友人たちがそう口にする。そのどれにも思わず頷きそうになった。
「わたくしたちの結婚なんて、政略以外にありませんもの」
そう、わたくしも。そして周りにいる友人たちも。それぞれに婚約者はいるけれどどれも政略結婚だ。いいえ、わたくしたちに限った話ではない。貴族など、ほとんどがそうだ。
お二人がある意味異質なのかもしれない。最初は政略結婚という名目での婚約だったのかもしれない。けれどお二人は愛情を育み、今では互い想い合っている。それは誰の目から見ても明らか。あの中に割って入るなどと余程の命知らずかただのお馬鹿。
別にわたくしも努力をしなかったわけではないの。将来の夫となるのだから親交を深め今後お互い支えあえたらと。けれどその成果は現れてはいない。お互いどこか冷え切ったまま、政略結婚なのだと割り切ったまま。お二人のようになるのにはそう簡単なことではない。
「……お互い想い合えるなんて、どれほど素敵なものなのかしら……」
ぽつりとこぼされた言葉に無言が広がる。だってこの場にいる誰もがそれがどれほどのものなのか、知らないのだから。
「……大丈夫ですわよ」
扇を広げ口元へ添える。友人たちの視線を受けながら、伏せたまぶたを持ち上げて弧を描く。
「わたくしたちの子はきっと、慕っている方と結婚できるようになりますわ」
きっと、レオンハルト王子とアイビー令嬢が変えてくれるはず。
あの二人は異質で、今までの貴族の常識から多少離れている。けれどだからこそ、変えてくれるのではないかという期待感もある。今まであるものを変えるのはそう生半可なものではないはず、けれどそれをお支えできるのは変えてほしいと望んでいるわたくしたちではないかしら。
それを口にすると先程まで沈んでいた空気がパッと明るくなった。きっと誰もが口にはしなかったけれど思っていたことだろう。非力だと悲観せずに、僅かな力でも背中を支えることはできるはず。
「そうですわね」
「わたくしたちも頑張りましょう」
「ええ!」
曲が静かに終わりに向かう。穏やかに流れていたものが一変し、明るく軽やかなものへと変わった。踊っていた男女はそれぞれ手を離し次のパートナーと一緒にホールへ出る。
「私と一曲どうですか?」
手を差し伸べてきたのは先程まで一番に人々の目を奪っていた方。まさかわたくしをお誘いくださるなんて。もしかして、先程の会話が聞こえていたのかしら。
穏やかに微笑む顔にわたくしも笑みを浮かべ、手を添える。少し視線を走らせれば先程まで彼のパートナーだった彼女と視線が合い、あちらも穏やかに笑みを浮かべるだけだった。
よかった、どうやら馬に蹴られる心配はなさそう。そして、やはりこのお二人はとても強い絆で結ばれている。
「ええ、こちらこそお願いしますわ」
そうしてわたくしは将来わたくしたちの王となる人物――レオンハルト様と共にホールへ躍り出た。
「先日のダンス、素敵でしたわ」
「ええ。見てるこちらがまるで胸が踊るようでしたもの」
「まぁ。相手が素敵だっただけですわ」
制服を身に纏い、教材を手にして廊下を歩く。きらびやかな世界はわたくしたちの本来の場所なのだろうけれど、ここ最近こうして制服で歩くことも嫌ではなく寧ろ落ち着くのだから笑ってしまう。
の、だけれど。
「……相っ変わらずですわね~」
学園にいるとどうも言葉遣いも普段より緩くなってしまうようで。この学園と制服にはそんな作用があるのかしら、と思いつつ窓の外へ視線を向ける。
丁度中庭を歩いているお二人は相変わらず……距離が近い。歩きづらくないんですの、と言いたくなるほどピタッと密着。時間があればああしてお二人はいつも一緒にいる。
まぁ、生徒会の仕事が忙しそうだから二人きりの時間というのもそう多くは取れないのかもしれないけれど。しかし、手本とされている二人は人目も憚らずイチャイチャ……コホン、とっても、仲睦まじく歩いている。
「周りに花が咲いていますわぁ……」
「まぁ本当に……」
「目がチカチカ致しますわぁ……」
これは惚れ惚れしているからこぼれている声ではない、胸焼けしているからこそ出てきている心の声だ。
「……わたくし、婚約者からいきなりあんな扱いされてしまったらドン引きしてしまうかもしれませんわ」
「流石にきついですわよね」
「相思相愛って素敵だと思いましたけれど……相手によりますわね」
昨日あれだけ政略結婚についてどうのこうのと言っていた口が、いざその相手から恋愛対象とされたら……と考えると彼女たちの口からは次々に否定の声が上がった。
わたくしも試しに婚約者の顔を思い浮かべながら想像してみたけれど……うん、確かにきついものがありますわ。
「適切な距離であるのが一番ですわね」
「そうですわね」
あの距離で許されるのはあのお二人だからかもしれない、という結論で落ち着いてしまった。確かに政略結婚に愛を望むのは難しいし、将来わたくしたちの子は恋愛結婚であってほしいと思うけれど。
わたくしたちって大概我儘ですのね、と苦笑をもらしつつイチャイチャしている王子と令嬢の姿を見届ける。わたくしたちは政略結婚だけれど、あのお二人はいつまでもああして二人の仲を見せつけてもらいたいものですわ。
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