僕らのワンチャンス!

三浦千香

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第2話 恋?

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あ~あ…何だったんだろう…さっきの感じ…
はるとそこの曲がり道で別れたあとずっと考えている。
「ただいま~」
ドアを開け、少し暗めのトーンで言う。
「おかえり~!」
お母さんが料理しながら言う。
お父さんは単身赴任で東京に行っている。

そのまま部屋へ階段を上っていく。
ベッドにつっぷす。
私おかしいのかな…柚樹を見るとドキドキするなんて…
だって柚樹だよ!?イケメンの先輩とかだったら分かるけどさあ~…
柚樹だよ!?

ん~もう考えないようにしよ。考えても思いつかないもん。
私は考えるのをやめた。
その時、下から「ご飯だよ~」
ってお母さんが言ってるのが聞こえたから、「今行く~」
って言って階段をおりていく。
なんか、考えたらおなかすいた。
夕飯は大好きな唐揚げ!!
やったー!
さっ、たくさん食べよー!

たくさん食べたら眠くなった。
もう、ねよ。
布団にもぐる。

朝。いつもと変わらない朝。
時計を見る。
「ん…え!?」
思わず声が出た。
いつもより、1時間も早く起きてしまった。
「昨日考えすぎたかな…」
わけのわからない言い訳を口にしながら制服に着替える。
なんか不思議な感じ。いつもなら急いで着替えるのに、今日はゆっくりできる。
早起きは「さんもんのとく」って言うもんね。
朝ごはんもゆっくり食べれた。
いつもは急いで走る道も、ゆっくり歩くと気づくことが多い。
例えば、こんなとこにきれいな花が咲いてるとか。
これからはもっと早起きしようかな。
なんて思いながら歩いていく。

教室に入るとまだ数人しか来ていなかった。その人たちもびっくりしたような顔をして、こちらを見ている。
どうせ、私が早く来てるのに驚いてるんでしょ。失礼な、私だって早く来ることぐらいあるんです~!
まだ柚樹はきてないのか…
今日も遅刻するのかな…?
ちょっと心配する。
今ごろ、まだグーグーねてるんだろうな。
これ、連続で遅刻したらやばいことになるんじゃ……
ますます心配だ。そうだ、はるに昨日のこと相談してみよう。はるは誰の相談でもきちんと話を聞いてくれる優しい子なのだ。
「よし、はるのとこ行こっ。」
はるは、いつも朝早くに学校に来ている。読書するんだって。
廊下を歩いて隣のクラスへ急ぐ。ドアからひょっこり覗き込む。
いたいた、やっぱりはるは来ていた。いつものように読書している。
少し小さめの声で「はる~~」と呼ぶ。すぐに気づいたはるは驚きながらもこちらに走ってくる。
「え!?どうしたの?なつ。今日早いね。」
「うん、今日はなんか早く起きちゃって…」
なんて会話をする。
「ここじゃなんだから、少人数で話しよ。」
「わかった、いいよ。」
二人で少人数教室へ入って行く。教室とちがって机や椅子が古いままだ。教室の机や椅子は最近、新しい引いても音がならないタイプに変わったのだ。その椅子にすわって話をはじめる。
少し、世間話をしたあと本題に入る。
「あのね、はる…」
重たい空気になったのを感じとったのか、はるの顔がひきしまる。
「ちょっと相談したいんだけど、誰かを見ているとドキドキすることってある?」
ためらいながら聞いてみる。はるは、すこし悩んでから
「あんま、ないかな。てゆーか、それって「恋」ってやつじゃない?」
「恋?」
思っても見なかった返答に聞き返す。
「そう、恋ってね、相手を見ると、ドキドキするってゆーか、むねが苦しくなる感じ?」
「そうなんだ…」
恋か… ?私が柚樹に恋!?いやいやあるわけない!!だって柚樹だし…
「てか、誰なの?それ!」
興味津々って感じで、聞いてくる。
戸惑いながらも口を開く。
「ゆ、柚樹……」
言ってしまったーと思って目をつぶった。どんな顔するかな、はる…
ゆっくりと目を開けるとはるは口をあんぐり開けて、めを見開いている。
「え~~~~~~~!!!!!????」
はるがとんでもない大きな声を出した。
「ちょっ、はる!声おっきすぎ!!」
急いではるをなだめる。
「ホント!?柚樹くんなの!?えー!すごい!応援するね!」
「あ、ありがと…」
「うわ~!これがなつの初恋なんだねー!!」
はるがキラキラしてる目をむけてくる。
え…初恋!?これが!?柚樹が初恋のひと!!??
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