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第二章 インターミッション (Dancing with Moonlight)
2. Charles chantier de l'univers
しおりを挟む■ 2.2.1
俺たちの乗ったタクシーは、太陽の北側を迂回し、セレスとはほぼ反対側にあるアステロイドJ区に近づいていた。
銀河標準の航法で、太陽系の第一恒星の黄道面に対して、恒星の自転する先側を「西」、その反対を「東」、恒星のN極側上方を「北」、反対のS極側上方を「南」、半径方向の恒星側を「内」、太陽系の外側を「外」と呼称する。
アステロイドベルトは、ソル太陽系の第一恒星である太陽(ソル太陽系に太陽は一つしかないが)を中心に20度ずつのエリアに区分されており、セレスを含むA区から始まって、太陽の自転方向にB~R区と命名されている。区はさらに三分割され、「東」「中央」「西」に分けられる。さらに各区は半径方向に10分割され、内側を1番地として一番外側が10番地となっている。
俺たちが目指している「シャルル造船所(Charles chantier de l'univers)」は、J区9番地の西エリアに存在する。長さ15km、幅12km、厚さ8kmほどの岩塊の内部をくり抜いて1000m級ドックを2本、500m級ドックを4本備えた、アステロイド域ではそれなりに大手の造船所だった。
まだ十代のガキの頃に地球を飛び出し、何年もかけてこつこつ金を貯めて初めて手に入れた中古船をこの造船所に斡旋して貰って以来、2度ほど自分の船を買い換えたが、いずれもこの造船所に口利きして貰って手に入れた。何故かよく分からないのだが、社長のシャルル・ルヴェリエ(Charles Leverrier)から妙に気に入られており、船を購入する話を持ちかけると必ず社長のシャルルが対応してくれた。
J区でアステロイドベルトに再突入し造船所まであと30分程度で到着すると云う頃、俺はシャルルに連絡を一本入れた。
「おう、マサシ。オメエ今どこに居やがんだ。道草食ってねえでさっさとやってこい。」
社長のシャルルは生まれも育ちもアステロイドベルトの、生粋のベルターだった。その名前から受ける印象を完璧に裏切って、見てくれも話し方も性格も、シャルルは完璧にベルターの職人だった。職人らしく人の好き嫌いは激しいが、その分気に入られるとまるで家族同然の付き合いになる。
「すまない。セレスでなかなかタクシーが捕まらなくてね。」
「ほらみろ言わんこっちゃ無い。だからガニメデまで迎えに行ってやると言ったじゃねえか。」
「忙しいのに悪いよ。それに俺だっていつまでもガキじゃない。」
「ケッ。なけなしの現金が入った財布握りしめて船が欲しいと泣きついてきた小僧がいっちょ前に偉そう言うようになったもんだ。遠慮するんじゃねえ。久々に息子が帰ってくるってんだ。それに何か知らねえがでかい仕事をやったんだろう?土産話を聞きながらゆっくり船を転がすのも悪くない。良いから早く来い。土産話を聞きたくて、みんなお前を待ってる。」
太陽系から外に出るのは、まだまだ庶民には高嶺の花の旅行だった。国力に差があり過ぎ、地球とその外とでは貨幣価値に大きな差があった。
地球政府は相変わらず貧乏で、銀河種族達から技術一つ買うのも汲々としながらやりくりをして新技術の導入を行っていた。
ただせめてもの救いだが、地球人は新技術の導入と応用に非常に長けていた。一旦導入された技術は徹底的に解析され洗練され、周辺技術が開発され、そしてさらに一歩先の技術開発の礎となっていた。ここ百年で地球で開発された技術は割と多い。しかし地球政府はそのような先進的技術を外貨獲得の手段として用いることはなく、軍事的優位性を得るために秘匿した。いくら金があったところで命あっての物種だ、というものだった。
貧乏は地球政府に限ったことではなく、民間企業や個人にしても同じだった。例えば地球に最も近いハブ港の一つロレンと地球との間の定期航路の乗船運賃は、平均的地球人の年収の5倍にも達するが、平均的な銀河種族であれば一月分の収入で十分に賄える。
だから今現在地球人で太陽系外に出られるのは、相当な金持ちか、政府関係の人間か、貿易などの仕事に携わっているとか、そういう者に限られていた。そういう経済的背景を持たず無理矢理に銀河系に飛び出せば、最悪餓死するか、犯罪に手を染めて仕舞いには奴隷落ちなどという結末が待っている。いずれにしても、二度と地球に帰ることは叶わない。
俺みたいに貨物船に飛び込んで無鉄砲に地球を飛び出してどうにかやっていけるようになるのは、実は珍しいらしい。
いずれにしてもこの貨幣価値の差が、今回俺がわざわざ地球まで戻って来て船を造ろうとした最大の理由だ。
ハフォンでの仕事を片づけて、俺は一般的な事務員の100年分近い収入を得た。この金をそのまま地球に持ち込めば、巨額の造船費用となる。太陽系外であれば中古のコルベットが買えるかどうかという金だが、太陽系に持ち込めば最新の中型船殻に贅沢な艤装を行ってもまだ余る。
そして、船を消耗品のように使い捨てにする銀河種族達が作ったそのようなコルベット船と、高価な船を一生ものとして大切に乗り続ける地球人の職人達が作った船とでは、加工精度も耐久性も桁が違う。
地球製の船は、他の銀河種族達の造った船に比べて全く見劣りしないところまで技術力が上がってきている。それどころか、技術開発と進歩の歩みの遅い他の種族に比べて続々と新たな技術が生み出されており、手前味噌かも知れないが、今では地球の船は他の殆どの種族達の船の性能と品質を上回っていると俺は思っている。
それでも銀河種族達は、相変わらず地球人のことを棍棒を持った原始人に毛が生えた程度の野蛮人と思っており、そのような野蛮人が作った怪しげな船など買って乗りたいと考える奴はまだまだ少数だった。
地球製の低価格高品質の工業製品という超お買い得な輸出用アイテムを持っている割には、地球が相変わらず貧乏なのはそうした銀河種族達の地球と地球人に対する認識によるところもあった。
船を造る話に戻れば、さらに俺にはこのシャルルという強い味方がいた。ベルターの職人達は、気に入った客に対しては利益を度外視した仕事をすることがある。地球に戻ってシャルルのドックで船を造れば、最高の品質の船をきわめて安価に手に入れることが出来、その後のメンテナンスも有利な条件で診てもらえる、という訳だ。
まあもちろん、それなりに長い付き合いなのでシャルルの会社で作るのが当然、とか、もしシャルルの会社以外で船を造ってそれがシャルルにバレたらえらいことになると言う理由もあるにはあるのだが。
ブラソンと俺を乗せたタクシーはそれからしばらくしてシャルル造船所のピアに接岸した。
クレジット引落のAAR表示に承認を与え、俺とブラソンはタクシーを降りた。ハッチをくぐり、造船所のピアに入ると一人の女性が通路の中央にこちらを向いて立っていた。
明るいブラウンの緩く波打つ髪は背中の真ん中辺りまであり、少し日に焼けた肌と優しげな濃い茶色の目が印象的だ。すらりとした身体を造船所のネームが入ったツナギとジャンパーに押し込み、足下は少しヒールのある細身の黒い靴を履いて裾をくるぶしの上辺りまで巻き上げている。そのちぐはぐな組み合わせも彼女の魅力を損なう事無く、全く色気のないその服装が逆に彼女の魅力を引き立てているようにしか見えなかった。
アンジェラ。
「マサシさん、お久しぶりですね。この度も当社をお選び戴きありがとうございます。ご連絡を頂いてから、シャルル以下一同お待ちしておりました。先にご連絡戴いた内容に基づいて一部の資材は既に手配に入っております。まずはシャルルとお話し下さい。今日はマサシさんがいらっしゃるとの事で、朝から落ち着き無くオフィスの中をずっとうろうろしていたのですよ。子供みたいでしょう?」
そう言ってアンジェラは笑う。飾りっ気の無い造船所の通路の中にまるでみずみずしい花が突然一輪咲いたかのような印象を受ける華やかな笑顔だった。
「やあ、アンジェラ。相変わらず綺麗だな。野郎だらけのこのむさ苦しい造船所の文字通り天使だね、君は。
「ちょっとまとまった金が手に入ってね。昔から夢だった自分のための新造船を造ろうと思って。なかなか凄い船になるぜ。」
「本当に船乗りの男の人たちって、船の事になるとみんな子供に返ったみたいにはしゃぐのですから。」
アンジェラはさらに目を細める。
「ところで、お連れの方をまだご紹介戴いていませんね。パートナーをお選びになったのですか?」
「ちょっと待て。新婚さんにされるのはもうこりごりだ。相棒のブラソンだ。パイニエ人で、システムエンジニアだ。設計段階から意見を聞こうと思ってね。それと地球のコンテンツに興味があるらしい。済まないがそっちでも相談に乗ってやってくれないか。」
もちろん「パートナー」という言葉には幾つもの意味がある。当然彼女はそれを引っかけて使ってきたに決まっている。ブラソンは、相棒ではあっても連れ合いではない。
下ネタを含めて、派手な冗談の好きな荒くれ者どもと付き合っているからか、彼女のジョークも時にかなりキツイ時がある。
「初めまして、ブラソン様。ようこそシャルル造船所へお越し下さいました。私アンジェラと申します。当社シャルル造船所のレセプショニストと、社長シャルルの秘書を兼務しております。御用の際にはお気軽にお申し付け下さい。社長シャルルからは、マサシ様のご要望には最大限応えるようにと承っております。お連れのブラソン様におかれましても同様でございます。」
「あ、ああ。よろしくお願いする・・・します。」
珍しくブラソンがキョドっている。どうもこいつは美人に弱いらしい。まぁ、オタクだ。しょうがない。
アンジェラの案内で、オフィスの端の会議室に入って、シャルルがやってくるのを待つ。五分も経っただろうか、強い力でドアがノックされ、返事を待つ事もなく開いた。
「全くクソ忙しいところにもってきて、長い間連絡を寄越さないかと思ったら、30分前に突然連絡してきやがる無礼な小僧の相手だ。さっさと終わらせるぞ。」
重力の無い事が多いアステロイドベルトで生まれ育ったとは思えない、背が低く固太りした赤毛の男がドアから部屋に入ってくる。その後ろにはアンジェラが付き従っている。
「今日は朝から13回、平均25.7分おきに『マサシから連絡は来たか?』と尋ねられました。ちなみに、特に用事も無くオフィスの反対側まで歩いていらっしゃって、窓の外を眺めてすぐ社長室にお戻りになるという行動をなさったのも13回です。素直にお喜びになった方が良いと思います。」
シャルルの後ろからアンジェラが毒を吐く。
「うるせえ。余計な事まで言うんじゃねえ。コーヒー持ってこい。」
「承知致しました。」
アンジェラは楽しそうにニッコリと笑って会議室のドアを閉めた。
ドアが閉まると、シャルルが荒っぽく肩を抱いてきた。後ろに回った手が、俺の背中を何度も叩く。
「良く帰ってきた。全くこの馬鹿息子は心配かけさせやがって。何をやらかしたかは大体分かっている。デカい金を掴んだんだろう?無茶が出来るのは若い内だが、命だけは粗末にするんじゃねえぞ。」
ごつい手で俺の両肩を掴み、シャルルは睨むように真っ直ぐ俺の眼を覗き込む。
「船が手に入ったら、地道に金を稼ぐさ。心配させて悪かったよ。ただいま。」
少しの間シャルルは俺の顔を真っ直ぐに見つめ、そして相好を崩すとガハハといつもの笑い声を上げた。
「ところで、そっちの相方を紹介してくれねえか。」
「ブラソンだ。パイニエ人で、システムエンジニアだ。俺の新しい船に乗ってくれる。かなりの凄腕だ。」
ブラソンをシャルルに紹介すると、シャルルはいつもの豪快な笑いを顔一面に貼り付けてガハハと笑った。
「シャルルと呼んでくれ。この小僧に凄腕と言わせるのなら、それなりのもんだろう。田舎で何もないところだが、歓迎する。好きにくつろいでくれ。」
「ブラソンだ。よろしく。マサシから愛想をつかされない限り、しばらくマサシの船に厄介になろうと思う。こいつが色々面白すぎるので、地球に興味が湧いた。思っていたよりもっと面白いところらしい。色々教えて欲しい。」
シャルルが右手を差し出す。知っていたのか、ブラソンも右手を差し出し、シャルルの手を握る。
「さて、相方も紹介してもらったところで、船の話だ。先に貰ったメッセージから、仕様の粗方は出来ている。図面を見せてやろう。アンリエット!」
「はい、シャルル。マサシさんの船の図面ですね。中央に投影します。」
シャルルが中空に向けて呼び掛けると、天井の方から女の声がして、会議室の真ん中に置いてあるテーブルの上空にホロ画像の船が浮かび上がった。
アンリエット。シャルルの造船所の設計士だ。その方が処理速度が上がるからと、義体は持っておらず、ネットワーク上だけで活動している。
この造船所には他にもヒトの設計士も何人か居るが、シャルルのお気に入りの客の仕事は全てこのアンリエットが受け持っている。要するに、シャルルの一番のお気に入りの設計士だ。
ブラソンが何か問いた気にこちらを見ている。
「そうだ。アンリエットはAIだ。因みに、アンジェラもAIだが、気づいているか?」
「え。」
ブラソンが固まっている。多分そうだろうと思っていた。思った通りだった。
「わはは!客人。これっ位でビビってちゃあ、お前さん地球で生きていけねえぞ。AIが義体を選ぶときには、自分の仕事に一番合った義体を選ぶからな。八本足にピッケルの腕の女性型の義体ってのも有るぞ。」
いやシャルル、それはかなり極端な例だ。
「そうだった、ここはテラだった。」と、呆然としたような表情で首を振りながら呟くブラソンは放置しておいて、船の話を進める事にする。ブラソンは真実を知った。あとは奴が自分で自分の心にケリを付けるだけだ。
「シャルル。船の話をしよう。」
「おう。まずは船殻だ。MONEC社のスタンダードE3級船殻にする。主船殻だけで全長300mになる。B3級にしようかと思ったんだが、燃料タンクを半外装すればE3でいける。燃料タンクなんざ浮き輪と同じだ。半外装で十分だ。外宇宙航行用なら、正面投影面積が少ない方が何かと有利だろう。」
「あの六角形のとんがった奴か。あれ、かっこいいよな。速そうで。」
「だろ?オメエが好きそうだと思ったんだ。
「で。スタンダードパックから変更するとこだけ確認だ。追加燃料タンクにジェネレータ八基とパワーコア三基?アホかお前。どこかのスプリントレースにでも出るつもりか。このクラスなら普通貨物船で四基、旅客用高速艇で六基だ。八基なんて、軍の駆逐艦だ。やり過ぎだバカ。」
「いや、そこは譲れないところだ。海賊や他のややこしい連中に会った時には脚が欲しいがらな。」
「分かった、分かった。じゃあ、ジェネレータ八基な。リアクターを三基、と。」
「シャルル。ジェネレータが船殻内に収まりません。」
と、アンリエット。
ほらみろ、言わんこっちゃない、という顔でシャルルが俺の方を見る。
ドアが開いて、コーヒーをトレイに乗せたアンジェラが会議室に入ってくる。
「構わない。燃料タンクを外に出してもいい。リアクターを燃料タンクで囲んで、ジェネレータはタンクの後ろの方にむき出しでもいい。多少重心が分散するが、しょうがない。MONECのE3船殻なら、そんなに分散しないだろう?」
「はい。燃料タンク四基を上下左右に配置し、中心部にリアクター三基を直列に配置します。燃料タンクのすぐ後ろにジェネレータ八基を円周上に配置。中央部にメンテナンス用通路が・・・ぎりぎりですね。船体下部に向けて少し広げて、重力下での安定性とルックスを向上させます。」
と、アンリエット。
アンリエットの言葉に応じて、会議室中央に表示されているホロがリアルタイムで変更される。
「あと、キッチンとダイニング・・・アホかお前?他の船とランデブーしてホームパーティーでもやんのか?」
「うるさいな。太陽系外に出ると食い物の問題は切実なんだよ。あんたもフランス人なら分かるだろう?」
「あんなクソな国は四代前に捨てたよ。俺ぁベルターだ。ベルターは食い物に贅沢は言わねえんだよ。」
「譲らないぞ。俺は銀河のバルジを眺めながら懐石料理で一杯やるのが夢だったんだよ。絶対作る。」
「ああ、ああ、分かった、分かった。全く。貨物船なのやら迎賓館なのやら分からなくなってきたな。」
「人を輸送する仕事もあるんだ。客に固形ブロックばかり食わせるわけにもいかないだろう。」
「600mm対デブリ用二軸レーザーが三基、と。おめえのこったから、重武装するかと思ったんだが。」
「いや、武装はそこそこでいい。ややこしい奴らに襲われたときは、とっとと逃げるに限るよ。」
「ふん。その慎重さだけは褒めてやる。レーザーぶっ放して撃ち合いやるなんざ、船を傷つけるだけだ。それと、中央演算モジュール用の生体端末、と。」
「女性体な。間違ってもガチムチマッチョとか入れたらコロス。」
「分かってる。は、良いんだけどよ。AIのソフトどうする?予算オーバーなんだわ。一般常識込みの基本人格セットはサービスしてやるが、性格付け用のモジュールや専門知識オプション入れるにゃちょいとカネが、な。」
「いや、基本人格セットだけで良い。ちょっと時間かかるけれど、そっちの方が俺の好みに仕上がりそうだ。」
「このスケベ野郎が。最初の内大変で手間だぞ。外見もオプション無しの工場出しまんまだ。いいのか?」
「いい。俺がジジイになる頃には良いAIになってるだろうさ。老後はそいつに頼む事にする。」
「よし。だいたいOKだ。完成までに三ヶ月。とりあえずこれで取りかかれる。細かいところはまた聞く。で、最後だ。船の名前と、AIの名前だ。」
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「いいんだよ。船が月の女王なら、AIが月そのものだ。悪くないだろ。」
「よし。長旅で疲れているだろうし、今日のところはこれで良い。基本パッケージだからな。大枠の作業は始められる。また細かい艤装で変えられるところが出たら、都度聞いていく。」
「ああ、宜しく頼むよ。」
「アンジェラ。二人を居住区まで送ってやってくれ。高級ホテルとはいかねえが、不便はないはずだ。」
「ありがとう。そうさせて貰うよ。」
「マサシさん、ブラソンさん、こちらにどうぞ。」
AIの義体がどうの、理想の美人がどうのとぶつぶつ呟いているブラソンを引きずって、俺たちはアンジェラの後に付いて行った。
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