夜空に瞬く星に向かって

松由 実行

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第一章 危険に見合った報酬

12. 正義を司る者

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■ 1.12.1
 
 
 それは何日か前にミリに言われて自分で書いた自分の名前だった。
 「正義を司る者」
 これまで生きてきた中で自分の名前の意味など気にしたこともなかった。
 「マサシ」という読みがあれば日常生活には十分であったし、普段はあまり使うことが無くともたまに自分の名前を漢字で書いたとしても、「正しい」という字と、「司る」という字の組み合わせだとしか認識していなかった。
 
 まさかそれを異星人に指摘されるとは思ってもみなかったし、こんな地球から何千光年も離れた異星の地でそれが意味を持つなど想像すらしたことがなかった。
 だが、今俺の左腕に書いてある俺の名前は、まさにこの遠い異星の地でその意味するところで俺を救った。
 
「正気に戻ったか。」
 
 俺の正面でミリが呟いた。
 その言葉で辺りをさまよっていた俺の意識はミリに向かった。伝えなければならないことがたくさんありすぎた。
 
 それよりも、ビークルのシートの背もたれに肘を乗せ寄りかかって正面に座るミリの惨状に息をのんだ。
 頭からの大量の出血はまだ乾くことなく赤くぬらぬらと顔の左半分を覆っていた。
 優しげな表情をずっと浮かべていた整った顔立ちの頬にはいくつもの細かい傷が付き、そこからも血が流れ出している。
 艶やかだったセミロングの黒髪は、見事にほつれて絡まり、あちこちに血がこびりついて固まりを作っていた。
 着ている黒いジャンパージャケットはズタズタに裂け、そこかしこに血の染みができている。もとは白かったであろう少しタイト気味のパンツは、右膝の部分が破れて膝がむき出しになっており、そのむき出しの膝も傷だらけで血が流れていた。パンツのあちこちに小さな破れが目立ち、煤と血で汚れきっていた。
 
「ミリ、おまえ、大丈夫か?」
 
「私の心配はいい。お前が正気に戻ったのかと聞いている。」
 
 今朝までのあの女らしい柔らかな物腰と口調はどこにもなかった。
 これが本来のミリか、もしくは戦闘中の人格なのだろうと思った。
 
「戻った。お前の言ったとおりだ。」
 
「そうか。良かった。では飛び降りて王宮に戻れ。左腕を忘れるな。」
 
「ちょっと待て。言っておかなければならないことがあ・・・」
 
「こちらの情報が向こうに渡るのは計画に織り込み済みだ。問題ない。他に何か?」
 
「ダナラソオンとキュロブ上級連隊長という奴が話していた。クーデターは遅くとも一ヶ月以内。それが元々の計画だった。俺が飛び込んだことで情報軍に気づかれた、と考えている。予定を繰り上げるらしい。最短で1週間。ハフォネミナの司令長官と第一基幹艦隊に注意しろ。奴らの仲間だ。奴らの組織、相当あちこち根を張ってるぞ。」
 
 ミリが少し驚いたような表情でこちらを見ている。その表情が今朝と同じ明るい笑顔に変わった。
 相変わらず顔の左半分は血で真っ赤に濡れていて、その顔で笑うとまるでホラーコメディの様だった。
 
「上出来だ。そのまま情報収集を続けろ。接触方法はこちらで考える。他には?」
 
 笑顔は戻ったが、口調までは戻らないようだった。
 
「以上だ。」
 
「では飛び降りろ。拉致されて、隙を見て逃げ出した振りをしろ。テランならできる。間違っても魔法が解けたことと、その解除方法を気取られるな。」
 
「いや、ちょっと待て。飛び降りろとか・・・」
 
 今、ビークルは間違いなく地上10m以上のところを相当なスピードで疾走している。
 
「隙を見て逃げ出すのにわざわざビークルを止めてくれる奴がいると思うか。お前は軽装甲スーツを着ているだろう。問題ない。」
 
 そのミリの背景を、光る物体が飛ぶ。銃撃されている?
 
「おう、旧交を温めているところ悪いがな、追いつかれたぞ。降りるなら早くしてくれ。」
 
 ブラソンがまるで他人事のような口調で言う。
 振り返るとリアウィンドウ越しに、黒い軍用ビークルが二台、徐々に近づいてくるのが見える。
 都市型の汎用ビークルよりも、軍用ビークルの方が当然出力も高ければ、速度も速い。そして武装している。
 
「早く降りろ。こっちは逃げ切らなければいけないんだ。増速するなら早いほどいい。お前が降りなければ増速できない。それともこの場で撃ち殺されて、死体になってから降りるか?死体は文句言わずすぐに降りる。」
 
 そう言ってミリは俺に銃口を向けた。
 眼がマジだ。今のこいつならやりかねない。
 
「分かった。降りる。だから撃つな。ったく。じゃあ、またな。」
 
 そう言って俺はドアを思い切り蹴り開ける。
 突然ドアが開いて、空気抵抗の変化でビークルの挙動が不安定になる。
 それに乗じて飛び出したように見せかけて、頭から外に飛び出す。
 降りる、というよりも、落ちると形容した方が正しい勢いで俺は地面に叩き付けられた。
 確かにLASがかなりの衝撃を吸収してくれはするが、痛いものは痛い。
 俺の身体は地面に落ちて少し転がってから、まだかなりの勢いが残った状態で街路樹にぶつかって止まった。
 背中をしたたかにぶつけてしまい、しばらく息ができずに悶絶する。
 地面に転がる俺のすぐ脇に黒いビークルが止まった。
 ハッチが開いて中からキュロブが降りてくる。
 
「無事か。」
 
 まったく、どっちもこっちも似たような喋り方をする奴らばかりだ。
 俺のことを気遣っているようで、その実何とも思っていないのがまる分かりな口調だ。
 
「大丈夫です。少し打ちつけただけです。」
 
 そう言いながら、痛みをこらえて立ち上がる。
 洗脳が解けていない演技をしなければならない。うまくやれるか?
 いや、できなければ命がない。やらねば。
 
「何を訊かれた。」
 
「誰と接触を持って、どのようなことが分かったか尋ねられました。」
 
「で。どのように答えた?」
 
「王宮軍と接触できたが、相手が誰か分からない、と答えました。たかだか半日ではまだ何も分かっていない、と。」
 
「なるほど。それで?」
 
「引き続き潜入調査するよう言われました。」
 
 訊かれたことだけを答える方がいい。余計なことをぺらぺら喋ると、話が破綻するもとだ。
 
「その割には時間が長かったな。」
 
 嫌なところを突いてくる。
 
「多少押し問答がありました。何も分かってないはずはないだろう、何でもいい教えろ、と。」
 
「ふん。なるほどな。まあいい。乗れ。」
 
 それだけ言うとキュロブは踵を返して兵員輸送車に乗り込んだ。
 俺もその後を追う。
 俺が乗るとすぐにハッチが閉まり、ハッチが閉まりきらないうちに浮上し始める。
 
「戻るぞ。追跡は2号車に任せろ。たぶん、逃げ切られる。相手が悪い。」
 
「キュロブ上級連隊長殿。彼女をご存じなのですか?」
 
 意外だった。
 見ず知らずの地球人を拉致してスパイに仕立て上げるなどと、どう考えても他に選択肢が無くなったときの余り札の様なこの作戦に回されたエージェントなど、駆け出しの新人か、救いようのない落ちこぼれなのだろうと思っていた。
 
「あの女、『銀ネフシュリ』と呼ばれている。射撃と格闘戦は特殊部隊顔負けで、トラップを仕掛けさせれば工兵隊かそれ以上だ。街中ではほぼ無敵の女だ。そんな女を相手に屋内戦を仕掛けるなどと。おかげでこっちの損害がバカにならん。」
 
 よほど腹に据えかねているのか、キュロブはかなり饒舌に喋った。
 ネフシュリとは、ハフォンに野生で生息する夜行性の肉食小動物で、狡猾にして獰猛であるくせに森や林の中に潜んで罠を仕掛けて獲物を狙う危険動物として知られていた。
 人間を襲うことは無いが、不用意に捕獲すると酷い目に遭う。犬猫程度の大きさの小動物なら一撃で仕止める。極めて獰猛な大型の猫か、小型のヒョウをイメージすると分かりやすい。
 まさに、言い得て妙な通り名だと思った。
 
「ダナラソオン師からお貸し戴いた兵士を消耗してしまった。なんたることだ。」
 
 そう言ったきり、キュロブは黙った。
 指揮官席にどっかと座り、モニタスクリーンを流れていく外の景色を不機嫌そうに腕を組んで憮然とした表情で眺めている。
 俺も黙った。どうやら今はこれ以上の情報収集は不可能なようだった。
 
 
■ 1.12.2
 
 
 都市型ビークルとは思えない角度で車体を傾けて、重心をイン側に落とし、建物にルーフが接触する寸前までイン側に切り込んでビークルは交差点を回った。
 通常のシステム管制操縦ではあり得ない動きだった。
 今曲がってきたビルの角からパッパッと埃が立ち上る。
 街中だというのに敵は結構撃ってくる。
 もっとも、街中で道路を歩いている人影は案外にまばらで、銃撃による通行人の被害はそれほど出そうにはなかった。
 
 道が直線になり、追跡して角を曲がり込んでくる黒いビークルが後方に小さく見えた。
 最後部座席の背もたれを支点にしてミリがライフルを撃つ。
 弾種徹甲高速。装甲車であればアサルトライフルの徹甲弾などどれだけ弾速を速くしてもかすり傷ひとつ負わせることはできないが、兵員輸送車なら当たりどころが悪ければ装甲を貫通する可能性がある。
 兵員輸送車の前面装甲からいくつか火花が上がるのが見えるが、弾は弾かれただけで貫通はしなかったようだ。
 
「どっちに逃げりゃいいんだ。そろそろ行き先を教えてくれ。」
 
「あれを撒くのが先だ。それまではどこに行こうと無駄だ。方角に縛られずにまずは全力で逃げろ。」
 
 頭だけ振り向いて、肩越しにミリが叫ぶ。
 
「つったって、速度もパワーも装甲も、全部向こうの方が上だ。逃げきれるもんかよ。」
 
 ビークルの操縦をしているのはブラソンだが、都市型ビークルに手動操縦用のハンドルや操縦桿はない。
 ビークルの制御回線に直接割り込んで操縦している。
 手足や、ハンドルなどのマン/マシンインターフェイスを経由しないだけ動きが正確かつ応答速度も速くなる。
 性能で完全に劣性の都市型ビークルで、兵員輸送車から逃げ続けていられる理由のひとつとしてこれも大きかった。
 
「その割には捕まっていないじゃないか。」
 
 ミリがニヤリと笑う。先ほどのホテルからの脱出時に比べて多少は余裕が出てきた。
 
「ハッカーなめんな。街中をカーチェイスするゲームなら得意中の得意だぜ。まさかリアルでやる日が来るとは思って無かったがな。」
 
「ふん。くだらん娯楽も捨てたもんじゃない、ということか?」
 
 そう言って、絶好の射撃位置に入ってきた兵員輸送車にまた一斉射浴びせる。
 効果が出ているのかどうか分からない。
 例え貫通していたとしても、中の陸戦歩兵を殺しただけなら何の意味もない。
 特に走行や攻撃に関するものを中心として、兵員輸送車そのものの機能を傷つけてくれなければ意味がないのだ。
 
 運動性の良さと応答の良さで非力さを補って逃げ回ってはいるが、相手のパワーと速度でいつまでも振り切れない。
 このままではじり貧でいつか必ず追いつかれる。追いつかれないまでも、どこかに突っ込んだところを追いつかれてめでたく逮捕、だ。
 
 こちらにとって絶好の射撃位置ということは、当然相手側も同様の条件になる。
 兵員輸送車が銃撃を始めるが、上下左右にブラソンは巧くかわす。
 ビークルの後方監視用光学モニタを使っているのだとブラソンは言っているが、肉眼で前を見ながら脳内のバイオチップで直接ビークルを制御し、さらにビークルの周囲監視光学モニタ画像も見ているなど、一体どうやっているのかミリには想像もつかなかった。
 
「奴の下に潜れないか?」
 
 激しく揺れる車内で、シートに捕まりながらミリがブラソンに問うた。
 ビークルは重力ジェネレータで空中を浮遊するが、大気圏内でのみの運航を想定されているこの型は、管制制御システムまでは備えていなかった。
 そもそもが、管制制御が必要なほどの急激な挙動をすることを想定されていない。
 
「お前、ホント無茶言うな。マサシじゃあるまいし、そんな芸当できるか、っての。」
 
「マサシならできるのか?」
 
「あいつは、テランのパイロットだぞ。戦闘機動やらせたら、ファラゾアの戦闘機でさえ敵わねえよ。」
 
「何とかならないか? あの型の兵員輸送車はジェネレータが機体下部後方にある。下部後方からありったけ撃ち込んだらジェネレータの一部でも破壊できるかも知れん。」
 
「そんだけ危ない橋渡らせといて『かも知れん』かよ。寝言は寝て言えよお前。」
 
「いや、何とかしろ。一応船乗りだろうお前は。それともただのタマ無しオタク野郎か?」
 
「てめえ、言ってくれるじゃねえか。ちょっと待ってろ。」
 
 兵員輸送車はこちらのビークルを、光学、電磁、重力の各センサーと都市交通管理システム上のIDのいずれか、もしくはその組み合わせで追跡している筈だ。
 IDはすぐにマスクできる。光学センサーは、遮蔽物があれば何とかなる。
 あとは電磁センサーと、重力センサーだ。
 周辺数kmの都市地図をスキャンして最適な場所を探す。
 電磁波を通さない十分な厚さの壁と、角の立った直角の曲がり角、そして曲がった後に十分な直線がとれる場所。
 ただでさえビークルの操縦と後方警戒を同時に行っており忙しい所に、さらに地図情報の確認を加えたところ、何発もの弾を食らってしまい、操縦自体もかなり雑なものになってしまった。
 都市交通ビークルの上部は純粋に客室(キャビン)となっているため、何発もらっても穴が開くだけで性能が低下するようなことはないが、室内の至近距離を弾丸が飛んでいくのは気持ちの良い物では無い。
 現在位置から少し離れたところに目指す地形を見つけた。郊外から都市部に流れ込む川が暗渠になる入り口のところにいくつか建物が建て込んでおり、申し分ない地形だった。
 
「よお。EMPはあと何個ある?」
 
「あと二つだ。」
 
「十分だ。用意しておけよ。俺が投げろと言ったら、後ろに向けて二つとも投げろ。」
 
「どれくらいかかる?」
 
「三分だ。都市交通システムから切り離す。ちょっと揺れるぞ。」
 
 手動で操縦しているとは言え、都市交通システムとのデータのやりとりは行っていた。
 こちらの位置情報をある程度交通システムに送っておかないと、周囲の他のビークルと衝突する可能性がある。
 後ろから飛んでくる弾を避けながら、脇道から飛び出してくるビークルも避けるのは、さすがに無理な芸当だった。
 ビークルから外部への電磁通信を完全に遮断する。
 ビークルは完全に都市交通システムから切り離され、ネット上からも消滅する。
 
 これでこのビークルはネット上ではどこにも存在しないことになった。
 とたんに周囲を飛ぶ他のビークルが激突コースに入ってくるようになる。
 もちろんビークルは各個体独自の監視システムを持っているが、あくまで衝突寸前の回避が目的だった。
 つまり、衝突寸前までは近づいてくると云うことであり、後ろから撃たれているときに逃げ道の自由度を奪われるのは致命的な問題といえた。
 それほど長く避け続けることはできないだろう。
 
 ミリはジャンパーの中から残る二つのEMP弾を取り出し、いつでも投げられるように右手に握った。
 ライフルの弾種は徹甲。
 撃ち出せる最大の質量の弾丸を作り、弾速を最高に設定。
 さらにフルオートモードに設定した。両足をシートに踏ん張り、背中を前席の背もたれに押しつけて身体を固定する。
 銃撃の反動がある訳では無い。ただ単に身体を安定させて、狙いの精度を上げるためだ。
 その体勢でしばらく揺れに耐えていると、ブラソンが叫んだ。
 
「いいか!? よし、今だ! 投げろ!」
 
 ブラソンの声と同時に、とうの昔にカラスの無くなったリアウィンドウを通して、後ろに向けてEMP弾を両方とも力一杯投げる。
 次の瞬間、ビークルは急に左にひねり込み、降下した。
 全身が激しく揺さぶられるが、シートに踏ん張っている両足にさらに力を込めて何とか耐える。
 急激な降下で地面に激突するかと思ったが、地面よりさらにビークルは降下し、急なスピンで前後半回転したところでいきなり浮遊感が襲い、強い衝撃とともにビークルは着地した。
 
「来るぞ!」
 
 ブラソンが叫ぶ。
 ライフルを両手でホールドし、リアウィンドウの向こうに注意を集中する。
 風切り音がし、ビークルの数m上を、黒い兵員輸送車が通り過ぎる。
 機体下部のわずかに出っ張った所に狙いを定め、弾丸をすべて撃ち尽くすつもりでトリガーを引き続ける。
 兵員輸送車の下部から激しく火花が散る。
 黒い車体は、数十m行き過ぎたところで急減速し、空中に静止した。こちらに気づいたのだろう。
 しかしその行動は、ただ単に的に弾を当て易くしただけだった。
 兵員輸送車の車体が突然傾き、空中で支えを失ったかのように横倒しになりながら急激に落下した。
 そのまま横倒しになりながら、地面に激しく叩き付けられる。
 
「出るぞ!」
 
 ブラソンの声とともに、ミリたちの乗ったビークルが急加速でバックしてすぐに急停止した。
 そのままの向きで機首を上方に向けて急上昇する。
 都市交通システムのビークルにはあり得ない動きだった。
 激しく揺れる車内に、歯を食いしばりながら両足を踏ん張って身体を固定する。
 ビークルが建物の角を曲がり、元来た方向に向けて加速し始める頃、建物の向こうから爆発音が聞こえ、黒い煙が上がるのが見えた。
 
「わははは! やった、やった! どうだ見たかコンチクショウ!」
 
 ブラソンが楽しげに大笑いしながら騒いでいるのが聞こえる。
 すでにビークルは道路上で高度をとり、定速走行に入っていた。
 息を付き、シートに力一杯踏ん張っていた両足を外す。
 シートから床におろした自分の脚が見えた。
 白かったタイトパンツは、あちこちが破れて血に染まっていた。
 そう言えば、ジャンパージャケットの下は下着以外何も付けていなかったのだった、と今更ながらにミリは思い出した。
 振り向くと、同じようにこちらを振り向いているブラソンと眼が合った。
 ミリは悪戯っぽい微笑みを浮かべて言った。
 
「散々な日だわ、全く。もう。髪の毛がぐちゃぐちゃになっちゃったじゃないの。」
 
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