32 / 51
31、会いたかった
しおりを挟む
「あ、れ?…」
「雪!おはよう」
「慎二?ここって?」
「地下室!やっぱり我慢できないから連れてきた」
(何それ…やばいじゃん)
「どうして?」
「ん?だって七瀬とイチャイチャしてたでしょ?」
「そんな!だって…俺は慎二とはもう別れたの!ほっといてよ!」
「だーかーら!別れるなんて認めないって言ってるでしょ」
慎二は俺をベッドに押し倒した。ワイシャツのボタンを一つずつ外していく。
「いや!慎二…やめて」
「その顔すっごく可愛い。でも、雪は笑った方が可愛いし今日はやめる」
「あっ…」
外していたボタンをそのままにして、ドアを開けて出ていってしまった。
「どうしよう…亮」
慎二の意図がわからない…俺のこと好きなら付き合ってる時に優しくてしてくれれば良かったのに。
しばらくして、俺は腕を捻ってみた。紐は緩むどころかきつくなる。
「雪」
「っ!」
「はい、ご飯」
慎二はお盆にご飯をのせて持ってきた。
「あーん」
スプーンを口の前に持ってくるが俺は口を固く閉じた。
「あれ?食欲ないの?」
「いらない!…」
「食べないとお腹空いちゃうよ?」
慎二は俺の唇を撫でた。そして、ツーと指を下に持っていって乳首らへで止まる。
「ここが雪の乳首かな?」
「え?あっ♡んぅ♡」
「フフ、当たり」
そして、開いた口にスプーンを突っ込む。あったかくて美味しい。
「これ、慎二がつくった?」
「そう!やっぱり雪は分かるよね」
「…そりゃまぁね」
こんな時でも慎二の料理は美味しい。なんだか、安心してしまう。
「慎二」
「ん?」
「また、友達になるのはダメ?」
付き合うのは流石に無理だけど、慎二と縁を切りたくない。
「友達…俺はさ、雪とキスしたりエッチしたりイチャイチャしたいんだよね」
「え?…」
「友達だと何ができるの?」
「そりゃ、遊びに行くとかさ」
「俺は雪とデートしたい」
(一回もデート上手くいかなかったのに?…)
「フフ、だから友達は嫌」
俺の髪をくるくると遊ぶ。そして、髪を耳にかけると俺にキスをした。
「慎二…」
「そんな悲しそうな顔しないで」
「だって、俺ずっと慎二が好きだったんだよ?キスしたりエッチしたりしたかったのに…エッチだって邪魔されてさ、キスも俺がおねだりしなきゃしてくれないし…デートだって」
涙が溢れてくる。俺だって慎二が好きだったんだ。大好きだったんだ…
多分、前の俺だったらこの状況が凄く嬉しかっただろう。
「泣かないで」
「…っ、慎二のせいだよ」
そういうと、慎二は俺の涙を拭いてくれる。
(なんで優しくするんだよ…)
「…俺には亮がいるの」
「嫌だ、俺だけのものになって」
「やめて!」
「ごめんね、寂しかったよね。だから、七瀬と付き合ったんだよね…」
「でも慎二は俺が亮と付き合ってもどっちでもいいって言った!」
「それは…」
途端に気まずそうな顔をした。俺はそれを見て、悲しくなってどんどん涙が出てくる。
「もう嫌…俺のことなんて見てくれなかったくせに」
「ごめんね雪」
ぎゅっと抱きしめられて、おでこにキスされる。
「嫌、亮がいいの」
「知ってるよ…でも、譲れない」
「そんな…」
「でも今頃、七瀬は女に囲まれて楽しんでるはずだよ」
「…え?」
慎二はニコッと笑って写真を見せてきた。それは、亮と沢山の見慣れた女の子達。
「ほら、取られちゃうかもね?」
「嫌…そんなの嘘だよ!」
「…本当かな?七瀬も男だからねぇ、分からないよ」
「っ!…最低」
俺は慎二を睨むと、慎二は悲しそうな顔をした。
「ごめんね…こうするしか、雪を取り戻せないと思って」
「俺は亮しか好きじゃないの。慎二とは別れる!」
「…そんなこと言っても無駄だよ」
慎二は俺の手に触れた。そして、ぎゅっと手を繋がれる。
「好き好き好き好き好き…全部好きなんだ」
「し、慎二?」
「いじめられて助けた時に、涙目でありがとうって言った雪の顔。俺は一目惚れしたんだ。食べ方が綺麗なところ、字が綺麗なところ、優しくて懐いた人には甘えん坊なところ…全部全部、好き」
慎二は興奮した口調で言う。俺はそれに圧倒されてしまった。
(嫌だ…亮、助けて)
「あ、また写真が送られたよ」
携帯には亮が無理矢理ホテルに連れてかれている写真だ。
「嫌…嫌だ!亮!助けて」
「もう無理だね、可哀想にね…さてと、用も済んだし、もう帰してあげる」
「嘘…」
絶望で胸が苦しい。また取られちゃう…また、一人ぼっちになる。
「亮…」
「家まで送ってあげるね」
ルンルンな慎二に、俺は付いてくしかなかった。
「はい、じゃあね」
指輪にキスをされて、家の前で別れる。
(どうして、解放してくれたんだろう?)
「用を済ませた、か…」
亮はホテルに連れてかれてその後は…
(考えちゃダメ!亮に電話をしよう!)
すると、「雪!」と呼ぶ声があった。
「亮!」
「雪!無地だった?!」
走って俺の元へ駆けつけてくれる亮に俺は安心して、泣いてしまった。
(今日は何回泣けばいいんだろうか…)
「亮こそ!ホテルに連れてかれて…それで」
「逃げてきたんだ、雪に会いたかった」
「俺も!」
亮は俺のことを抱きしめた。俺はさっきのことなんか忘れちゃうくらいに幸せだったのであった。
「雪!おはよう」
「慎二?ここって?」
「地下室!やっぱり我慢できないから連れてきた」
(何それ…やばいじゃん)
「どうして?」
「ん?だって七瀬とイチャイチャしてたでしょ?」
「そんな!だって…俺は慎二とはもう別れたの!ほっといてよ!」
「だーかーら!別れるなんて認めないって言ってるでしょ」
慎二は俺をベッドに押し倒した。ワイシャツのボタンを一つずつ外していく。
「いや!慎二…やめて」
「その顔すっごく可愛い。でも、雪は笑った方が可愛いし今日はやめる」
「あっ…」
外していたボタンをそのままにして、ドアを開けて出ていってしまった。
「どうしよう…亮」
慎二の意図がわからない…俺のこと好きなら付き合ってる時に優しくてしてくれれば良かったのに。
しばらくして、俺は腕を捻ってみた。紐は緩むどころかきつくなる。
「雪」
「っ!」
「はい、ご飯」
慎二はお盆にご飯をのせて持ってきた。
「あーん」
スプーンを口の前に持ってくるが俺は口を固く閉じた。
「あれ?食欲ないの?」
「いらない!…」
「食べないとお腹空いちゃうよ?」
慎二は俺の唇を撫でた。そして、ツーと指を下に持っていって乳首らへで止まる。
「ここが雪の乳首かな?」
「え?あっ♡んぅ♡」
「フフ、当たり」
そして、開いた口にスプーンを突っ込む。あったかくて美味しい。
「これ、慎二がつくった?」
「そう!やっぱり雪は分かるよね」
「…そりゃまぁね」
こんな時でも慎二の料理は美味しい。なんだか、安心してしまう。
「慎二」
「ん?」
「また、友達になるのはダメ?」
付き合うのは流石に無理だけど、慎二と縁を切りたくない。
「友達…俺はさ、雪とキスしたりエッチしたりイチャイチャしたいんだよね」
「え?…」
「友達だと何ができるの?」
「そりゃ、遊びに行くとかさ」
「俺は雪とデートしたい」
(一回もデート上手くいかなかったのに?…)
「フフ、だから友達は嫌」
俺の髪をくるくると遊ぶ。そして、髪を耳にかけると俺にキスをした。
「慎二…」
「そんな悲しそうな顔しないで」
「だって、俺ずっと慎二が好きだったんだよ?キスしたりエッチしたりしたかったのに…エッチだって邪魔されてさ、キスも俺がおねだりしなきゃしてくれないし…デートだって」
涙が溢れてくる。俺だって慎二が好きだったんだ。大好きだったんだ…
多分、前の俺だったらこの状況が凄く嬉しかっただろう。
「泣かないで」
「…っ、慎二のせいだよ」
そういうと、慎二は俺の涙を拭いてくれる。
(なんで優しくするんだよ…)
「…俺には亮がいるの」
「嫌だ、俺だけのものになって」
「やめて!」
「ごめんね、寂しかったよね。だから、七瀬と付き合ったんだよね…」
「でも慎二は俺が亮と付き合ってもどっちでもいいって言った!」
「それは…」
途端に気まずそうな顔をした。俺はそれを見て、悲しくなってどんどん涙が出てくる。
「もう嫌…俺のことなんて見てくれなかったくせに」
「ごめんね雪」
ぎゅっと抱きしめられて、おでこにキスされる。
「嫌、亮がいいの」
「知ってるよ…でも、譲れない」
「そんな…」
「でも今頃、七瀬は女に囲まれて楽しんでるはずだよ」
「…え?」
慎二はニコッと笑って写真を見せてきた。それは、亮と沢山の見慣れた女の子達。
「ほら、取られちゃうかもね?」
「嫌…そんなの嘘だよ!」
「…本当かな?七瀬も男だからねぇ、分からないよ」
「っ!…最低」
俺は慎二を睨むと、慎二は悲しそうな顔をした。
「ごめんね…こうするしか、雪を取り戻せないと思って」
「俺は亮しか好きじゃないの。慎二とは別れる!」
「…そんなこと言っても無駄だよ」
慎二は俺の手に触れた。そして、ぎゅっと手を繋がれる。
「好き好き好き好き好き…全部好きなんだ」
「し、慎二?」
「いじめられて助けた時に、涙目でありがとうって言った雪の顔。俺は一目惚れしたんだ。食べ方が綺麗なところ、字が綺麗なところ、優しくて懐いた人には甘えん坊なところ…全部全部、好き」
慎二は興奮した口調で言う。俺はそれに圧倒されてしまった。
(嫌だ…亮、助けて)
「あ、また写真が送られたよ」
携帯には亮が無理矢理ホテルに連れてかれている写真だ。
「嫌…嫌だ!亮!助けて」
「もう無理だね、可哀想にね…さてと、用も済んだし、もう帰してあげる」
「嘘…」
絶望で胸が苦しい。また取られちゃう…また、一人ぼっちになる。
「亮…」
「家まで送ってあげるね」
ルンルンな慎二に、俺は付いてくしかなかった。
「はい、じゃあね」
指輪にキスをされて、家の前で別れる。
(どうして、解放してくれたんだろう?)
「用を済ませた、か…」
亮はホテルに連れてかれてその後は…
(考えちゃダメ!亮に電話をしよう!)
すると、「雪!」と呼ぶ声があった。
「亮!」
「雪!無地だった?!」
走って俺の元へ駆けつけてくれる亮に俺は安心して、泣いてしまった。
(今日は何回泣けばいいんだろうか…)
「亮こそ!ホテルに連れてかれて…それで」
「逃げてきたんだ、雪に会いたかった」
「俺も!」
亮は俺のことを抱きしめた。俺はさっきのことなんか忘れちゃうくらいに幸せだったのであった。
23
お気に入りに追加
339
あなたにおすすめの小説
いとしの生徒会長さま
もりひろ
BL
大好きな親友と楽しい高校生活を送るため、急きょアメリカから帰国した俺だけど、編入した学園は、とんでもなく変わっていた……!
しかも、生徒会長になれとか言われるし。冗談じゃねえっつの!
なんか金髪超絶美形の御曹司を抱くことになったんだが
なずとず
BL
タイトル通りの軽いノリの話です
酔った勢いで知らないハーフと将来を約束してしまった勇気君視点のお話になります
攻
井之上 勇気
まだまだ若手のサラリーマン
元ヤンの過去を隠しているが、酒が入ると本性が出てしまうらしい
でも翌朝には完全に記憶がない
受
牧野・ハロルド・エリス
天才・イケメン・天然ボケなカタコトハーフの御曹司
金髪ロング、勇気より背が高い
勇気にベタ惚れの仔犬ちゃん
ユウキにオヨメサンにしてもらいたい
同作者作品の「一夜の関係」の登場人物も絡んできます
モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)
夏目碧央
BL
兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。
ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?
陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
まったり書いていきます。
2024.05.14
閲覧ありがとうございます。
午後4時に更新します。
よろしくお願いします。
栞、お気に入り嬉しいです。
いつもありがとうございます。
2024.05.29
閲覧ありがとうございます。
m(_ _)m
明日のおまけで完結します。
反応ありがとうございます。
とても嬉しいです。
明後日より新作が始まります。
良かったら覗いてみてください。
(^O^)
黄色い水仙を君に贈る
えんがわ
BL
──────────
「ねぇ、別れよっか……俺たち……。」
「ああ、そうだな」
「っ……ばいばい……」
俺は……ただっ……
「うわああああああああ!」
君に愛して欲しかっただけなのに……
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
平凡ハイスペックのマイペース少年!〜王道学園風〜
ミクリ21
BL
竜城 梓という平凡な見た目のハイスペック高校生の話です。
王道学園物が元ネタで、とにかくコメディに走る物語を心掛けています!
※作者の遊び心を詰め込んだ作品になります。
※現在連載中止中で、途中までしかないです。
【完結】遍く、歪んだ花たちに。
古都まとい
BL
職場の部下 和泉周(いずみしゅう)は、はっきり言って根暗でオタクっぽい。目にかかる長い前髪に、覇気のない視線を隠す黒縁眼鏡。仕事ぶりは可もなく不可もなく。そう、凡人の中の凡人である。
和泉の直属の上司である村谷(むらや)はある日、ひょんなことから繁華街のホストクラブへと連れて行かれてしまう。そこで出会ったNo.1ホスト天音(あまね)には、どこか和泉の面影があって――。
「先輩、僕のこと何も知っちゃいないくせに」
No.1ホスト部下×堅物上司の現代BL。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる