[本編完結]彼氏がハーレムで困ってます

はな

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5、宣戦布告

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もうすぐ夏休みだ。夏休みと言ったら旅行とか夏祭りとか楽しみな行事がたくさんだ。

「慎二!今度のお祭り一緒に行かない?」
「え?お祭り?あー、うん」
「本当?!2人だけで…その、行きたい」
「……別にいいけど」
「やった!楽しみにしてる!」

俺は心の中でガッツポーズを決める。

(今度は絶対成功させる!)

「あと、今日は一緒に帰れる?」
「ごめん、今日は立花とパンケーキ食べに行くんだ」
「ぱ、パンケーキ?…待って、2人で行くの?」
「そうだけど…何かあるの?」
「…他の人も連れて行ったら?あの先輩の人とか」

なんとなんく、2人にするのは嫌だ。

「先輩?あ、山田先輩のこと?あの人とは、また別の約束をしてるから」
「う、嘘?!いつ?どこで!2人!?」
「あー…ごめん、また今度話す」

そう言って女の子達の方に戻って行った。

「あー…またはぐらかされた」
「雪、おはよう」

落ち込んでいると亮が話しかけてくれる。

「亮…おはよ」
「どうしたの?落ち込んでるね」
「ううん…大丈夫」
「本当?ほら、顔あげて」

顎に手をやられて顎クイされる。ヤバい心臓ドキドキ。顔も赤くなってるかもしれない。

「フフ、顔赤いね」
「あ、赤くない!」

(うー!…亮ってばイケメンすぎ)

「雪」
「ふぇ?」

名前を呼ばれて上を向くと、あと少しでキスしそうなくらいのところに亮の顔がある。

「な、何?!」
「…キスしていい?」
「へ?!な、な、何言って!」
「フフ、冗談」

ポカンとしてからまた、顔が赤くなる。

「馬鹿じゃないの!も、もう!……」
「ごめん、ごめん」

と軽く笑いながら言う亮に俺はドキドキしながら亮を少し睨む。

「ビックリしたじゃん」
「ごめんね?雪が可愛かったから」
「か、可愛い?」

急に褒められて俺はまたドキドキする。

「うん、可愛い」
「っ!あぅ…えっと」
「雪、可愛い」
「うぅ…も、もうやめて」

耳を塞いで聞こえないようにするが手を片手で抑えられる。

「可愛いよ」

耳元でゆっくり囁かれる。

「か、可愛くないから!」

俺はキャパオーバーして逃げ出す。途中、色んな人にぶつかったが構わず走る。

「うわっ!」
「雪?」

廊下を突き抜けたところで、誰かにぶつかり目の前で受け止められた。

「あ、君!」
「あれ?その人ってこの間の…」
「なんで走ってきたの?」

「あ……し、慎二」

受け止めてくれたのは慎二だったようだ。
慎二は俺が怪我をしてないか心配してくれる。

「あ、いたいた」

すると、後ろから亮が追いかけてきたのか息をはずませている。

「亮!」
「いきなり教室から出ていくから心配したよ!ってあれ?西山じゃん」
「…七瀬」
「相変わらず女の子と仲良くていいね~!
まぁ、俺としては好都合だけどね!」
「はぁ?どう言う意味?」

2人とも口は笑っているが目は笑っていない。
今にも喧嘩が始まりそうで、俺は亮の手を引っ張った。

「亮、いいから…それじゃ」
「雪!さっきはごめんね?」
「ううん、もういいよ」

そう言うと亮は安心したのか、ぎゅっとされた。なんだか犬みたいだ。
俺も背中に手を回してポンポンしてあげる。

すると、それを見ていた慎二が笑顔になった。笑顔なんだけど何か圧がある。

「……雪、今日やっぱり一緒に帰ろっか」
「へ?いいの!やった!」

(なんだか、今日はいいことが続いてる気がする!)





帰り、俺は校門で待っている慎二に勢いよく飛びつく。

「慎二!えへへ、早く行こう!」
「うん、行こうか」

にしても…

「立花さんとの約束はいいの?」
「うん、明日にしてもらった」
「そっか…フフ!」

(よし!このまま上手くいけば女の子から取り返せる!)

今日は俺の家に慎二を呼んだ。家はそれ程近くないが遠くもない。
それに今日は家に親がいない!思いっきりイチャイチャできる!

「慎二、ここ座って?」
「え?うん」

慎二をソファに座らせて俺は慎二の膝に乗る。

「ぎゅーしたい」
「いいよ、ほら」

手を広げる慎二に抱きつく。それでぎゅーってする。
それで、少しだけ軽いキスをする。唇と唇が触れるだけの。

そうして、しばらくイチャイチャしてると慎二の携帯に電話がかかってきた。

「ちょっと、ごめん」
 
そう言って慎二は俺を膝から下ろす。

「…?」

慎二の携帯を覗くと相手は…立花だった。
電話の内容は明日のパンケーキについてだろうか?そうであってくれ…




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